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☆☆追跡開始☆雨だ。雨だ☆☆ / 卯月ウサ&へごちゃん。 |
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おはようございま〜すvv 「もふ〜ん!」 今日は雨ですねぇ。涼しい一日になりそう。 湿度は高いけど。
「侑士!雨だぜ!」 「おや。ほんまやな。」 「やった!ついにおニューの傘を使うチャンスだ!」 「楽しみにしていたもんな。良かったな。」 「うん!嬉しい!!侑士も新しいの、使うだろ。」 「ん。そうやなぁ。そうするか。」
今日は一日、傘をさしていなきゃいけない感じですね。 でも、傘をさす日は傘をさすのが楽しかったり。 ってなわけで、今日も一日、楽しく参りましょうvv |
No.142 2003/05/15(Thu) 07:05
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「日吉? どうした、そんなに落ち込んで」 「ホントだ。また椿ちゃんに何か心配事でもあったのか?」
「…………ぷちめそと椿が…姉妹ゲンカした……」
あにゅ。 昨日のタヌキ狩り(?)の件で?
「椿が『おねーさんに祟る!!』って言うのを、滝さんが術で阻止して……」 「……な、なんか大変だったんだな……」 「ぷちめそは密造猟銃抱えて白雪のところに家出しようとするし……疲れた……」
壮絶な家族ゲンカですなぁ(汗)
「今朝、朝ごはんの時、誰もひとことも喋らないんだ……」 「ありゃぁ…」 「……ぐすん……(泣)」
さて、これからどう展開する滝茸家ウォーズ!! |
No.143 2003/05/15(Thu) 08:26
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おねえさんと喧嘩したの。怒ってるの。 / たきのこつばき@それにしてもすごい喧嘩だ… |
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「滝茸さん、どうしたの?」 あ。めろくん。 「何だか機嫌悪いみたいだけど」
……今朝、おねえさんと喧嘩したの。 昨日、杜を荒らしたのはおねえさんと、それからそのお友達だったんだって。 だから、次同じことしたら祟る、って言ったら、おねえさんも怒って。 おねえさんが銃撃とうとしたから守り人の力使って、そしたら、萩之介お父さんの呼んだ式神に止められたの。
「……どうゆう喧嘩してるの?」
だって、おねえさんが悪いんだもん。あそこはあたしが守らなくちゃいけない土地なのに、そこで銃撃ったりするから。 だから、怒ったんだもん。 |
No.144 2003/05/15(Thu) 09:12
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思わず「ちぇーんじ!」(アレ、絶対ひらがなだよ)言いそうですよ。昨日はウケまくった。
さて、部活も終って、椿ちゃん、みんなのタオルをお洗濯。 部室に干すと、すごい湿気……。 レプリカ、湿気にやられなきゃいいけども。
「椿」
若だ。
「まだ仲直り出来てないのか?」 「まだなの。私、謝らないの」
姉妹の喧嘩って、どんな感じなのかなぁ。私と兄は、プロレス技の応酬だったけども……。
「ぷちめそ、謝りにくいんだよ」 「どうして?」 「最近、椿も部活で忙しいだろ?」 「はいなの」 「夜帰っても、最近お風呂も別々だろ?」 「はいなの」 「大事な事、忘れてないか?」 「……大事な事……」 「椿もひとりしかいないし、ぷちめそもひとりだよ」 「……はい、なの」 「ぷちめそ、白雪の所に行ってもいいか?」 「それは……わからないの」 「じゃあ、預けてみようか?」 「お姉さん、今日、お家に帰らないの?」 「1日離れて考えてごらん。会えない辛さを1番知ってるの、椿だよ」 「今日1日、会えないの……」
若ってば。言うじゃん。
「白雪に頼んで……」 「ダメなの」 「椿」 「朝も、ほとんど顔見てないの。夜も会えないのはダメなの」 「椿」 「お家で、お姉さん帰って来るの、待ってるの」 「うん。何なら迎えに行こうか?」 「はいなの!」 「滝さんも、一緒に行って貰おう。久しぶりに、みんなでお風呂にしようか」 「はいなの!」
おほほ。 何とか滝茸家、大丈夫そうかしら。 それにしても、ぷちめそちゃんはどこかしら?
あの熊探せばそこにいそうね! |
No.145 2003/05/15(Thu) 17:38
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杜には何かが棲んでいる@ブレアウィッチは怖かった…(蒼) / メープル |
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「うわーん!! めそこまいごですよー!!」
いきなりかい。
「しらゆきちゃーん!! どこですかー!!」
グワッ、グワッ、グワッ 怪鳥の羽音、妖しい葉ずれ 雨もしょぼしょぼ降ってます。
「うわーん!! たきはぎー、きのこー!!」
杜はどんどん暗くなります。 小さくささやかな杜とはいえ、4歳児には充分危険な場所で。
「つばきちゃーーーーーーん!!」
あーあ、ぷちめそちゃん、お顔が真っ赤ですよ。
「めそここわいですよーーーーーー!! つばきちゃーーーーーーん!!」
グワッ、グワッ、グワッ……!
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No.146 2003/05/15(Thu) 18:36
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おねえさんが泣いてるの。一人で、泣いてるの。 / たきのこつばき@守り人 |
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それまで笑顔だった萩之介お父さんの顔が、突然険しくなったの。
「た、滝さん? どうかしたんですか!? いきなり怖い顔して……」 「……椿」 はいなの。 「いる?」 杜の中なの。……一人で、泣いてるの。 「うん。泣いてるのはわかる」 「え? あの……ひょっとしてぷちめそ、どうかしたんですか?」 「行こう、若も。椿、位置つかめる?」 大丈夫なの。行くの!
まだ少し現状を把握できてない日吉お父さんも一緒に、雨の中傘もささないで家を飛び出したの。 だって、おねえさんが泣いてるの。 一人で、怖がってるの。
あたしのこと、呼んでくれてるの。 |
No.147 2003/05/15(Thu) 19:01
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だから、早くおねえさんのところに行くの。 / たきのこつばき@守り人 |
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杜から少し離れたところで、男の子が一人、うろうろしてたの。
「白雪っ!?」
おねえさんと仲のいい子なの。 萩之介お父さんの顔を見て、少しほっとしたみたいだったの。
「ぷちめそは? 一緒じゃないのか!?」 「杜には一緒に入ったんだよ。……でも、いつの間にか後ろにいなかったんだ」 ……おねえさん、やっぱり一人なの。 「っ、椿!?」 行ってくるの。……心配、なの。 「ちょっ、だからって、一人で……」 お父さんたちがいる方が危険なの。 「……!?」 大丈夫なの。おねえさんはちゃんと、連れて来るの。
夜の杜は危険なの。 特に、こんな風に暗くて、雨の降った夜は危険なの。 月の明かりも星の明かりも無いから、すごくすごく、危険なの。 だから、一人で行くの。 |
No.149 2003/05/15(Thu) 19:09
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娘が欲しいふたりを書こう。 / 蜜屋文子@おお! かぶった! |
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「日吉から聞いたか。樺地」 「ウス。姉妹喧嘩の話ですか?」 「ああ。やっぱりふたりは大変だな。俺はひとりでいい」 「あ、跡部さん……」 「なんだ」 「あの、本当に、女の子を育てるつもりですか?」 「滝と日吉に出来て、俺と樺地に出来ないはずはない」
跡部様、自信満々ですよ。
「……それとも、樺地は、子供、欲しくないか?」
おお! 美技、青い目ウルウル攻撃……っ。
「い、いえ! そんな事は……っ」 「なら、いいだろう。俺は女の子が欲しい」 「あの、でも……」 「樺地は男がいいのか?」 「そうじゃなく……もっと、後の方が……」 「もっと後?」 「きちんと成人して……それから……」 「それも、そうだな」 「ウス」 「それに」 「それに?」 「滝が、椿やぷちめそに隠れて日吉を抱くのが大変だとこぼしていたし」
樺地、撃沈。
「あ、跡部さ……っ」 「子供は、もっとお前を独占してからでいい」 「う、ウス……っ」
もっと独占て。 娘を持ったらもったで、樺地の奪い合いするくせに―vv |
No.150 2003/05/15(Thu) 19:14
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森に入ってはいけない / メープル@ホラーは結構好きだ |
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「つばきちゃーーーーん!! つばきちゃーーーん!!」
めそここわいですよーーーー!!
だれかがめそこのあし、つかんでるですよーーー!!
つばきちゃーーーーーん!!
めそこ地面にひきずりこまれるですよーーーー!!
「つばきちゃーーーーん!! つばきちゃーーーん!!」
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No.151 2003/05/15(Thu) 19:19
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おねえさんが大切なの。すごくすごく、大切なの。 / たきのこつばき@守り人 |
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……怒ってるの。 杜がすごく、怒ってるの。 昨日、荒らされたから。それなのにまた、二人が来たから。 だからすごく、怒ってるの。
……あたしも、怒ったの。 守り人のあたしが怒っちゃいけなかったのに、怒ったから、杜がこんなことしちゃうの。
ごめんなさいなの。 本当はただ、注意するだけにしなくちゃいけなかったの。 祟る、なんて嘘でも言っちゃいけないの。
おねえさん! どこにいるのっ!?
いくら呼んでも、返事は無いの。
……怖いの。
前にも、こんなことがあったの。あたしがまだ、人間だった頃の、ずっとずっと昔のことなの。 力も何も無くて、どうすることも出来なかったの。 でも……
「―――!!!」
おねえさんの声、なの。 すぐ近くにいるの。 ……地面に、引きずり込まれてるの。
でも今は、おねえさんのこと、助けてあげられるの。 |
No.152 2003/05/15(Thu) 19:29
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だから、助けるの。絶対絶対助けるの。 / たきのこつばき@守り人 |
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山にはね、鬼がいるの。 鬼だけじゃなくて、たくさん、怖いものがいるの。 だから、明かりのない、暗い日は絶対に山の中に入っちゃいけないの。
鬼に、連れ去られてしまうから。
……駄目なの。 おねえさんは、あたしの大切な人なの。そんなことしたら、許さないの。 『……』 あたしはここの守り人なの。あたしがここを留守にしてるからって、勝手なことするのは許さないの。
グワッ、グワッ、グワッ……!
「つばきちゃんっ!」 おねえさん。もう、大丈夫なの。あたし絶対、おねえさんのこと、助けるの。
あのときとは違うの。 ほんの少しだけど、でも力をもらったの。 悪さをする鬼を縛るくらいの力は、あたし、あるの。
……おねえさんを、放すの。
そうじゃないと、許さないの。 |
No.153 2003/05/15(Thu) 19:41
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そして場面は転換して / メープル@ホラーは大好きだ(笑) |
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ダーーーーーーン……!!!
榊邸にて。 ハニーちゃんの演奏が終わりました。 今日はいつにも増して激しい曲ばかり立て続けに弾いているハニーちゃんです。
……どうしたんだろ。 今日は何か、ジロちゃんと帰ってきたときから、怖い顔してたし。
「ハ、ハニー!?」
あれ、ジロちゃんの声だ。
「ハニー!? ハニー、どうしたの!!!???」
続いて聞こえたのは、カン高い笑い声。
あれは――ハニーちゃんの声だけど。 ハニーちゃんじゃない!!
「どうした埴井!?」
心配した依頼主様が駆けつけます。
「あ、か、監督!! ハニーが、ハニーがヘンなんです!!!」
「ひゃはははははははははははははははは!!!」
ハ、ハニーちゃん!!!???
「許さない!!?? 許さないってお前がかい!? 元は生け贄の半人前の守り人がかい!!?? そんなよわっちい力でこのアタシに対抗しようってのかい??? やれるもんならやってごらんよ!! ええ!! 椿!!」
「メープル、水と毛布を持って来い!!」 「はい!!」
依頼主様が叫び、私はハニーちゃんが何かに憑かれて転げまわる部屋を後に、走り出したのです。
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No.154 2003/05/15(Thu) 19:58
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樺跡を傍受しながらスーパーに入ると、仲良くお買い物している宍鳳に会いました。 おこんばんわ―vv
「こんばんわ!」 「姉さん、今帰りかよ」 そうだよ―ん。
ふたりのかごの中味は……。 とんかつの材料っぽい?
「あたりです!」 「さすが、一応主婦」
一応は余計だ! あ。じゃあ、うちもとんかつにしようかなぁ。
「監督んちもとんかつだ―!」 「お揃いかよ……」
お揃いじゃないもん。私、とんかつ用のロース使わないもん。
「そうなのか?」 「どうやって作るんですか?」
秘密だよんvv
「何だよそれ……」 「今度教えて下さいね!」
今度ね―vv
ふたりはもうレジへ。 樺跡からチャンネルを宍鳳へ。
「蜜屋さんて、すごいですよね」 「なんで」 「だって、氷帝の用務員で、監督の奥さんで、監督んちの家政婦さんで、めそたちの一応お母さんで!」 「……戸籍上は、そうなるのか……?」 「蜜屋さんて、何人いるんでしょうね!」 「本人はひとりだろ!? それを言うなら何足のワラジを履いてるか、だ!」 「あ! そうか! さすが宍戸さん!」 「あんなの何人もいたら激イヤだぜ……」
何だとう! 失礼な! ふん。そういう事言うなら、レプリカを屋根裏に派遣してやる!!
うふvv |
No.155 2003/05/15(Thu) 20:47
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ハニーくんは静まりました。 / 萩原じゅん@ホラーになってってる…!!! |
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何だかジロハニのいる部屋がちょっと騒がしいので行ってみると、
「萩原! 埴井を捕まえろ!!」 ほ、ほえ?
ものすごい形相のハニーくんに突き飛ばされました。 え? てか、何? 何なの???
「ひゃはははははははははははははははは!!! あんたなんかがアタシに勝てるわけがないだろう!!!?? まったく。愚かなところは昔から進歩無しかい!!?」
は、ハニーくん? どうしちゃったの???
「萩原、早く押さえろ!!!」 って言われても……! いや、そうしなきゃいけないのは見りゃわかるけどさ!!! 「!? 何するんだい、アンタは!!?」 何、って言われても……とにかく、近所の人に迷惑なんで暴れないでください!!! 「放しなっ!!!」
って、暴れるな! ―――ッ!!!! け、蹴られたし……!!
「ハニー!?」 ちょっ、ジローくん、危ないって……!!!
駆け寄ろうとしたジローくんが、ハニーくんに触ろうとしたとき、
ビシィッ!!!!
「……」
ハニーくんの脳天に……容赦ない一撃が…… って、め、芽愚さん!?
「…何となく、みなさんのピンチな気がしたので……愛竹刀を持って…駆けつけたのよ……」 あ、はい。ありがとう……
でも、
「は、ハニー!?」
ハニーくん、この後、無事に起きられるかな……???(不安) |
No.156 2003/05/15(Thu) 21:38
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負けたくないの。負けられないの。 / たきのこつばき@守り人 |
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あたしは、生贄だよ。 神様に捧げられた、神の嫁っていう名の、ただの生贄で。 力だって、そんなに強いものじゃない。 だけど、あたしだって、守るものは、あるの。守らなくちゃいけないものは、あるの。
「……つばきちゃんっ! うでから血が出てるですよっ!!!」 大丈夫なの。
だって、あたしは死なないの。 もう死んでるから、死ぬことはないの。あるとすれば、消えるだけで。 でも、そんなこと、もうどうでもいいの。
「椿……縁起のいい名前じゃないのさ、ねぇ? 花弁の一枚も散らさずに落ちる……あんたも、そうやって首が落ちることをお望みかい?」 ……あたしは、死なないの。絶対、死なないの。おねえさんを助けて、それでお父さんたちのところに帰るの。
ちゃんと、待っててくれてるの。 みんなでお家に帰って、みんなでお風呂に入るの。ずっと一緒なの。 約束、したの。
「生意気な……」 あなたになんか負けないの。絶対絶対、負けないの。 だって、あたしは。 「つばきちゃん……!!!」 あたしは、半人前でも、守り人なの。
だから、負けないの。 負けられ、ないの。 |
No.157 2003/05/15(Thu) 21:50
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Trrrrrrr!!
電話が鳴りました。 取ったのはハニーちゃんを押さえようとして手に負傷した依頼主様でした。
「はい榊……滝か?」
滝くんの声は、ひどく興奮しているのを、必死に抑えて状況を説明していました。
「ああ、こちらはなんとか……めぐが芽愚の状態で助かった。埴井? なんとか無事のようだ。今は白目を剥いているが……」
ハ、ハニーちゃん…(泣)
「まぁ緑色のゲロを吐いたりブリッジで歩いて階段を駆け下りたりしなくて良かった。文子も買い物に出ていたし」
ネタが古いよ依頼主様(笑)
「そっちはどうなんだ? …椿が? 大丈夫なのかあの子ひとりで…。芽愚を応援にやろうか?」
おいおい。
それにしても、なんでハニーちゃんに取りついたんだろうね。 椿ちゃんがジロハニのことを感じやすいのと、何か関連があるのかな? |
No.158 2003/05/15(Thu) 22:08
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ピンポーン♪
滝くんからの電話が切れて5分後、今度は訪問者を告げるベルが鳴りました。
「……うふふ、お久しぶりね、榊くん」 「蓮<れん>先輩!?」
そぼ降る雨の雫を纏い、微風よりも静かな気配で玄関に立ったのは、滝くんのお母さん、日本画家の滝蓮翠(たき・れんすい)でした。 依頼主様にとっては一年先輩にあたるひとです。
「こちらに病人が出たような気配を感じたので、来てみましたの。でももう、あらかたカタはついているようね…」
にっこりわらって、「お邪魔します」と上がりこんだ滝母さまは、誰にも聞かないで、まっすぐハニーちゃんが寝かされている部屋へ行きました。
そして心配で心配でシクシク泣いているジローちゃんの肩にやさしく手を置いて。
「あなたの大事な人は大丈夫。もう心配いらないわ」 「……ホント!?」 「ええ、この子や私みたいに芸術的な能力の強い子は、感受性が高い分、いろんなモノに心を乗っ取られやすいの。 でも私には夫が、この子にはアナタがいるから、何も怖がることはないわ」 「うん……うん、俺、ハニーのこと大好きだよ!」 「そう。だったらそう心の底から念じてあげてね」
そう言って滝母さまは、数珠を取り出して何やら呪文を唱え始めました。
買い物からお帰りになった隊長が、とんかつの材料一式を抱えたまま、「なぁに?」とそれを見て言いました。
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No.159 2003/05/15(Thu) 22:46
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いつかやろうと思ってた。 / 蜜屋文子@……迷子? |
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帰る前だと思って下さいな!
人数が人数だけに、荷物が重いな―。車を降りて、荷物を下そうとすると、声が。
「岳人、もうちょい右」 「マジかよ……っ」
はにゃ。忍岳夫妻ですね。
「と、届かないってば……!」 「エエとこやねんから、頑張ってや」 「もう無理……っ」
……これって。 何やってんの!? 探偵団初のリバ!?
「ほら、あと2センチくらい」 「赤丸遠いって!」
……赤丸とな?
「だって、折角ユイが送ってきたんやもん。1回はやるやろ。ツイスター」
ツイスター!? また懐かしい物を!
「柔軟にはいいけど……!」 「いいけど?」 「俺と侑士の身長差考えろよ!」
確かにね。難しそうだ……。 っと、電話だ。 もしも―し。 『文子か』 はいさ―。なに? 『今どこにいる』 どこって、もう家よ。今エレベーター上がって……って、間違えた!! マンションだよここ!! 『……いつかやるだろと思ったがな』 あははん。 『なるべく早く戻ってくれ』 はいさ。すぐに! って、何かあったかな? |
No.160 2003/05/15(Thu) 22:51
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あたしはね、やっぱり人間じゃないの。 / たきのこつばき@守り人 |
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「……つばきちゃん、うで…どうしたですか?」 ……。 「へぇ? 変態でもする気かい? 一体何になるって言うんだい? アタシには、節くれだった枝にしか見えないけどねぇ」 そう、だよ。 植物の枝だよ? でも、あなたを捕まえるくらい、簡単なの。
この手なら、自由に伸ばせるし、縛り付けることも出来るの。 こんな、風に。
「ッ、この……っ! 小娘がっ!!!」 ……小娘だよ。でも、守り人なんだ。
戦うときは戦うし、それだったら、容赦はしない。 バチバチッ、って音がして。 雷みたいなのが身体の中を走ったの。それで、萩之介お父さんにもらったリボンが、はじけとんだのもわかった。
「……つばきちゃん?」 おねえさんのことは絶対、助けるから、心配しなくても大丈夫なの。 「つばきちゃんは? どうなるですか?」 ……良くて元に戻れない。最悪、このまま眠っちゃう。
力を解放するっていうのは、そうゆうことだから。守り人のあたしが眠れば、この杜も、あたしが起きる前と同じ、静かなものになるの。 本当は、起きない方がいいの。鬼とか他の、悪いものとか。全部夢に引き入れて、それでずっと、目を覚まさない方が。
「き、さまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!」
大きな口を開けて、あたしに襲い掛かって来て。 それが、最期だったの。身体に巻きついた枝で強く握り締めたら、さっきのリボンと同じ。はじけて、消えたの。 砂みたいなのが風に混じってさらさら飛んでって。 それも結局、全部消えちゃったの。
「つばきちゃん、大丈夫ですかっ!?」
おねえさんが、走ってきてくれるの。怪我は、無かったみたいなの。……良かったの。
おねえさんは、大丈夫なの? 「へいきですよ! でも……つばきちゃんが……!」 あたしも大丈夫なの。だから、お父さんたちが待ってるから、早く帰ってあげて欲しいの。
あたしはもう、戻れなくなっちゃったから。 |
No.161 2003/05/15(Thu) 23:07
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ちょ、ちょっと、ちょっとちょっとちょっと! / ルー |
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(ちょっとだけ時間を戻してみたり…) なななによ、この杜の気配はっ!!! 「あんたたちなんかしたの?!!」 周りにいる連中に怒鳴って聞いてみる。 でもみんな、ブルブル震えたまま口もききゃあしない。 なによ!あたしがちょこっと千葉のあのおばさんところに遊びに行ってる間に!!
大体、あの子はこの一大事に戻ってきてないじゃないのよ!!!!
何よりも暗い想いと 何よりも深い悲しみと それから 何よりも何よりも大きな安らぎを持ったあの子
そんなあの子が幸せになれる日が来るなんて 誰も信じていなかったのよ
杜の木々はいつもそんなことを囁きあっていた。
自分のすべてを犠牲にして ここを守っているあの子だから 自分以外のすべてのものを幸せにしようと思い続けているあの子だから
…だからこそ あの子自身が幸せになる時間なんて永遠に来ない
そんな、呪いにも似た悲しい言葉を囁き続けていた。
でも。でも。 あの子は幸せを掴んだの。 あたしが見込んだ、ワカシが幸せにしてくれたのよ。あのまがまがしくも優しいアイツと共にね。
でも! 椿、…椿ー! 早く来て!杜が、杜が、…杜が怒ってるよー!! あたしたちじゃどうすることも出来ないよ〜〜!!
あ、ああっ!あのチビども!!!何でまた来たのよ!!そっか、あいつらのせいか!!!!まったくもう〜〜〜!!!!
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No.162 2003/05/15(Thu) 23:22
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きっともう、戻れないの。 / たきのこつばき@守り人 |
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右の腕が、重かった。 だるくて、感覚が無い。ただ、人間の腕の何倍の長さの、その重さを感じるだけ。 多分、このままここで目を閉じれば、眠れるの。 前のときと同じ。……れんのときと、全く同じ。 力の一部を解放しちゃったら、(たとえば、本来の姿を現したりとか)そうしたら、もう眠るしかない。
「……椿」
頭の上で、やさしい声がした。 おねえさんを抱いて、日吉お父さんと一緒に、あたしのことを見てる。
「椿。大丈夫?」 ……萩之介お父さん。あの子は? 「白雪のこと? 大丈夫だよ。ちゃんと、お家に帰した」 ……良かった。 「――椿?」 日吉お父さん…… 「そこに、いるのか?」 ……いるよ? リボン無くなっちゃったから、きっとこの声も聞こえてないんだろうけど。 でも、ここにいるよ?
きっと、日吉お父さんの目には、椿の枝だけが地面に横たわってるように見えてるの。 ……もう少しして、あたしが眠ったら全部見えるようになると思うけど。 あたしは、杉の木と寄りそうにして植えられてる椿の身体を借りて、ここにこうして、いただけから。 あたしが眠れば、この身体はただの椿の木に戻るの。 |
No.163 2003/05/15(Thu) 23:47
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「……元には?」 戻れないの。多分、もうすぐ、眠くなるの。寝たくないけど、眠くなるの。そしたら、当分、起きれない。 「めそこのせいですよ! だめですよ、つばきちゃん、ねたらだめですよ!! めそこまだ、ちゃんとごめんなさい、って言えてないですよっ!!!」 謝るのは、あたしなの。あたしがあんな風に怒ったりしなかったら、こんなことにはならなかった。
思い出したの。 全部、全部。あたしがここの、守り人になった理由。その意味。それから、大切な人。大好きだった人。……そんな人たちがみんな、死んじゃったこと。 眠りにつく前にはいつも、こうやって全部思い出してたんだ。
「椿」 ……違うの。あたし…あたしの名前は、それじゃないの。借り物の身体の名前を、借りてただけなの。 あたし、本当はさち、っていった。幸。お母さんが、幸せになれるように、って祈ってくれた名前だった。 「……幸」 「……さち?」 「それが椿の、本当の名前なんだって……」 「幸……」 「さちちゃん……」
ありがとう。 その名前が、大好きだった。だから、大好きなお父さんたちにも、そう呼んでもらいたかった。
願いが叶ったから、だから多分、今この瞬間はあたし、すごく幸せなんだよ? |
No.164 2003/05/15(Thu) 23:48
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蓮翠さんが来て、呪文を唱えてから。 ハニーくんは少し苦しそうにしてました。それがすごくひどくなって、大きく痙攣したかと思ったら、今度は本当に静かに、呼吸を繰り返すだけになった。
「ハニー?」 「もう大丈夫よ。悪いものはこの子の中から出て行ったわ」 「っ、滝のおばさん。どうも、ありがとう」 「いいえ。どういたしまして」
にっこり。 効果音が付きそうな感じで笑ってたけど。 その目がどこか、悲しそうだった。 それから、
「……っ」 「え? は、ハニー!?」
ハニーくんの目から突然、涙が溢れた。
「どうしたの、ハニー!?」 「……った」 「え?」 「消え、ちゃった……」
何が、とは聞けなかった。 何となく聞いちゃいけない気がしたから。 蓮翠さんの目にも、何故だか薄っすらと涙が浮かんで見えた。 私たちは何もわからずに、その光景を見ていることしか出来なかった。 |
No.165 2003/05/16(Fri) 00:02
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社の森が凄くざわめいてる。 強い、強い思念の渦がどんどん肥大していってる。 周りの空気が酷く淀んで少女を、椿ちゃんを中心に凝縮していく。
「あのままじゃっ…」
嫌な音が耳に届く。 人から別のものへと変わっていく音。 でも、少女から流れてくる気持ちは穏やかでそして優しくて胸が苦しくなる。
「諦めないでよ…。まだ未来はあるのにっ…。 誰にも幸せになる権利は平等にあるのにっ…駄目、諦めちゃ駄目だよぉ〜」
ーーー絶対に駄目だよぉ〜!!
霧雨の降る空へと、僕の叫びは消えていった。 感じることの出来なくなったから。 けれど、後悔していないことだけははっきりと感じ取れて。 それだけで辛くて、切なくて…僕は静かに泣いていた。 声を殺すわけでもなく、感情のままに。
黒い宝石の名は「空蝉」 ただ一度だけ、災難を変わりに閉じ込めて割れてゆくもの。
ーーー彼女を、椿ちゃんを…幸ちゃんを助けて下さい。 ーーーまだ楽しいこもいっぱいあるのに。 ーーー彼女を必要としている人がいるのに。 ーーーお願いだから。
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No.166 2003/05/16(Fri) 00:28
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