六甲おろし(忍足侑士)



   六甲おろしに 颯爽と
   蒼天翔る 日輪の
   青春の覇気 美(うるわ)しく 
   輝く我が名ぞ 阪神タイガース
   オウオウオウオウ
   阪神タイガース フレフレフレフレ


   闘志溌剌 起つや今
   熱血 既に敵を衝く
   獣王の意気 高らかに
   無敵の我等ぞ 阪神タイガース
   オウオウオウオウ
   阪神タイガース フレフレフレフレ


   鉄腕強打 幾千度(ちたび)
   鍛えてここに甲子園
   勝利に燃ゆる 栄冠は
   輝く我等ぞ 阪神タイガース
   オウオウオウオウ
   阪神タイガース フレフレフレフレ




















  その手は菓子である(向日岳人)



  その実に可愛らしい
  むっくりとした具合はどうだ
  その丸々として
  菓子のように膨らんだ具合はどうだ
  指なんかはまことにほっそりとして品がよく
  まるで小さな魚類のようで
  やさしくそよそよと動いている様子は堪らない
  ああその手の上にキスがしたい
  そっくりと口にあてて食べてしまいたい
  なんと言うすっきりとした指先の丸みだろう
  指と指の間に咲く
  この不思議なる花の風情はどうだ
  その匂いは麝香(じゃこう)のようで
  薄く汗ばんだ桃の花のように見える
  かくばかりも麗しく磨き上げた女性の指
  すっぽりとした真っ白の細長い指
  ピアノの鍵盤を叩く指
  針を持って絹を縫う仕事の指
  愛を求める肩に寄り添いながら
  わけても感じやすい皮膚の上に
  軽く爪先で触れ
  軽く爪で引っ掻き
  軽くしっかりと
  押し付けるようにする指の働き
  そのぶるぶると身震いする愛の悦び
  激しく狡猾にくすぐる指
  おすましで意地悪な人差し指
  卑怯で快活な小指の悪戯
  親指の肥え太った美しさと
  その暴虐なる野蛮性
  ああ
  そのすべすべとした一本の指を押し戴き
  すっぽりと口に含んでしゃぶっていたい
  いつまで経ってもしゃぶっていたい
  その手の甲はりんごのふくらみで
  その手の指は氷砂糖のつめたい食欲
  ああ
  この食欲
  子供のように意地汚い無恥の食欲






「その手は菓子である」は蜜屋が現代語訳しています。
原文はこちら。