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 もっとガラス壜を!
 以前、ガラス壜会社に勤務していた関係もありますが、地球環境のことを考えるならば、やはりガラス壜でしょう。
 ヨーロッパなどでは、既に環境問題の主役としての地位を確保していますすが、ここ日本では、リサイクルの環境がなかなか整備されず、他容器素材にその地位をあけわたしているというのが現状ではないでしょうか。
 そこで、少しでもガラス壜のことを理解していただけたらと思い、古いビデオテープをもとに、ガラス壜製造の核となっている成形現場の紹介をさせていただきたいと思います。
 それでは、ごゆっくりと、どうぞ。


 まず、「ガラス壜とは?」 について・・・
  1. 原料:石灰、 ケイ砂、ソ−ダ灰、ナトリュウム、マグネシュウム、鉛、 ガラス屑(カレット)
  2. 屈折率:1.5
  3. 軟化温度:710〜730℃
  4. 比重:2.5
  5. 硬度(モース):6度強
  6. 膨張係数(0〜300℃):80〜90×10マイナス7乗/℃
 それでは、いよいよ現場へ参りましょう!
 見学者の皆様は、ヘルメット・耳栓をお付けください。

 ガラス壜を作る上で、最も重要な要素の一つである溶けたガラスの温度管理を行う制御計器類。
 青く色分けされているところを、ガラスが流れていく。
 刻々と変化していく温度を、記録していく。
 クリスマス用のシャンパンを入れる壜を吹製している。(ただし、色替中。【後述】)
 一つの溶解釜で溶かされたガラスを、各製壜機(壜を作る機械)で吹製される壜種に応じて、少しづつ温度変更していく。
 REF(リファイナー、アルコーブ、エントランス)・CH1(チャンネル1)・CH2(チャンネル2)・EQ(エコライジング)・トライと各ゾーンをガラスが流れていく。
 一般的に、軽い壜の方が高温、重い壜の方が低温に調整していく。
 各ライン・各ゾーンの温度・ガス圧などの情報が表示されている。
 壜型を冷却するブロアーの温度表示や風量を管理する計器類。
 製壜機のタイミングを表示しているところ。壜の出来るワンサイクルを360度で管理している。
 一本の壜の元になるGOB(ゴブ)と呼ばれるガラスの塊を、CCDカメラで撮影し、様々な情報を得る。
 この画面を撮影したときは、まだ導入直後で情報量も少なかった。
 が、工場閉鎖に追い込まれる時点では、だいぶ改善され、これからというところだったのだが・・・。
 私が、本格的にシステム開発に足を踏み入れた最初のものだけに、感慨深いものがある。
 また、途中で断念せざるをえなかったことは、本当に残念であった。
 製壜機の各SEC(セクション)を制御する計器類。
 これまで見てきた計器類は、エアーコンディションの効いた室内に設置されている。

 それでは、ここで、実際に現場に行く前に ゴブカットの様子 をご覧ください。
 中央の2本の棒が、CLP(クレイプランジャー)と呼ばれるもの。
 上下運動をして、ゴブの形を整える。
 歯車のその下の円筒形をしたものが、チューブ。
 オリフィスと呼ばれる円形のガラスの出口付近の温度を、このチューブが回転することにより均等になる。よって、ガラスの目方のばらつきが押さえられる。
 モーターの回転速度と、下の写真にあるようなカムの凹んだ所の微妙な角度によって、ゴブの形を決めていく。
 シャーブレードと呼ばれるはさみのようなものが、ガラスをきる直前。
 冷却スプレーで冷やされている。
 切った瞬間。これで1つのゴブが完成する。
 オリフィスが2つある場合には、ダブルゴブと呼ばれ、一度に2つのゴブが出来る。
 健康ドリンクなどの小さい壜の場合は、3つ、あるいは4つなんて言う場合もある。
 もっとも、私の場合は3つまでしか経験がない。
 切られたゴブが、中間ファンネルという筒状のなかを通り過ぎる瞬間。
 ゴブが傾いたりしないようにする役割がある。
 
 この部分全体をゴブディストリビューターと言い、各セクションにゴブを配っていく。
 スクープと呼ばれる部分を通過する瞬間。
 スクープからツローへと渡されていく。
 ツローからデフレクターに渡されたゴブが、壜型に入ろうとする瞬間。これをゴブインという。  このように上から下まで、キチンとタイミングがピタッと合っていないと壜はできない。
 スクープ・ツロー・デフレクターは、全体でデリバリーと呼ばれる。その他、ほかの部分でも言えることだが、壜の吹製重量や、壜型の形のよって、さまざまな部品の大きさや、カムなどの角度を変更していく。
 壜を作る行程は、大きく2ステップに分かれている。マシンもBK(ブランク)サイドとBL(ブロー)サイドに分かれている。この写真はBKサイド。ひとつ前のパリソン(口部成形が終わり、中が少し空洞となっているもの)が、BLサイドに渡された瞬間。
 壜の口部の外側の型となるNR(ネックリング)が戻ってくるところ。
 上の写真の行程に両サイドの型(BK)に、そして、もう少しNRが戻ってきた瞬間に離型剤を塗布する。
 ゴブインと口部を成形する準備をしているところ。この下には、口部の内側を形成するPL(プランジャー)と呼ばれるものがある。
 BKの上に乗っているものをFN(ファンネル)、左のふたのようなものをBAF(バッフル)と言う。
 ゴブインの瞬間。
 BAFが下がり、そこからエアー(セッツルエアー)を出すことによって口部を成形する。
 FNが上がり、もう一度BAFが下がり、今度はBKの下のほうにあるPLからエアー(カウンターブロー)が出て口部からエアーを入れて、少し膨らませる。これでパリソンの出来上がり。
 このパリソンの作り方をB&B(ブローアンドブロー)と言い、エアーを使わないで、PLの上がる力だけでパリソン成形を行うものをP&B(プレスアンドブロー)と言う。
 ここで  パリソン成形の様子 をご覧ください。
 BLサイドでは、壜の形に成形された壜が型の内部から取り出されようとしている。ちょうど、T.O(テイクアウトアーム)によって口部がつかまれたところ。
 パリソンがBLサイドにもっていかれる。これをインバートという。
 中央のセクションでは、BLH(ブローヘッド)がBLに降りて、ファイナルブローが出され、最終的な壜の形に吹製されている。  T.Oアームにつかまれ壜型から出された壜はDP(デッドプレート)上にて少し冷やされ、手前のコンベアー(プライマリーコンベアー)上へと90度プッシャーによって押し出される。  BK・BLといった型は型冷却のために、DPやコンベアーの下からは壜がへたらないように、適度のエアーが出ている。このために、現場の騒音はひどく、耳栓は欠かせない。
 欠点は、行灯(あんどん)の前で早期発見に努めなければ、歩留まりは、一気に下がってしまう。しかし、結果がすぐに出るので、やりがいもある。
 壜ばさみで、壜をつかんだところ。
 欠点らしきものがあった壜は、更に確認し、欠点発生の原因を探る。ちなみに、下の丸いテーブルは回転する。
 目方も定期的に量る。適正重量でないと、欠点の発生も多くなる。
 細かい寸法をチェックするために、各セクションの壜を取り、壜を冷やしているところ。これを早冷壜という。この早冷壜、テレビや映画で使われているビール壜でポカッとやる壜のようにちょっとした衝撃で爆発する。検査しているときに、目の前でボンと割れると・・・そりゃーもーびっくり。
 ここを通り過ぎ、トランスファーと呼ばれるところで90度曲がり、クロスコンベアーへと移される。それからレアー(徐冷釜)と言うところを通り、検査へと受け渡される。レアーイン の様子です。
 ヨーロッパ製の製壜機のBKサイドパネル。マシンのスタートやストップなどの最低限の機能しかついていない。あとはマシン横にある1台のパソコンで調整する。
 某ビール会社と私の勤めていた会社との共同開発のBKサイドパネル。これは、その場で細かい設定もでき、エラー表示やメンテナンス面などさまざまな面で使いやすく、最高の製壜機だった。今ごろどうなっているのだろうか。
 離型剤とそれを塗布する梵天(ぼんてん)と呼ばれるもの。右がNR、中央がBK用。左にあるものが、BKに塗布する離型剤を温めるもの。
 製壜機の下にあるブロアーダクト。
 レアーの温度を管理する制御盤。
 壜は少しづつ冷やされていく。歪がとれて強度のある壜へと変身する。
 製壜機の回転数・スピード・起動・停止などを管理する制御盤。
 右のモニターでは、検査からの連絡事項が映し出されている。(欠点の発生状況など)
 パラレルシャーと呼ばれるもので、右上のほうにも同じものがある。今までのものは、はさみに写真のような刃物をつけたもので、どうしても内と外のゴブの切れる状態が異なってしまうが、これは平行に移動して切るため、均等に刃先があたり、よりよい状態でゴブが切れる。
 色替の時には、この様に、ただ流している状態のときもある。この時は、マシンの掃除などいろいろな作業が待っている。
 左上に、壜の表面にコーティング剤を付着させるための装置が見える。傷をつきにくくしたり、強度補強のためにコーティングされる。
 現場では、ヘルメットはもちろん、耳栓・手甲・安全靴、そして軍手は二重という重装備だ。しかも、ガラスの輻射熱で高温という職場だ。さらに、三交代勤務。それはもう夏は、本当(!!!)地獄だった。それゆえに、壜作りが好きでなければやっていけない。
 左にあるのが、マンクーラー。
 大型扇風機もある。
 もちろん、冷水機もある。
 夏場は、おしっこはほとんど出ない。( 失礼。m(_ _)m )
 待機室には、塩っ辛い梅干もある。
 健康管理が大変だった。が、今から思うと、新陳代謝が活発に働き、意外と健康体だったようだ。
 工場横の運河。その風景は疲れを癒してくれた。
ガラスは、"生き物"。世話になった上司が良く口にしていた事を思い出す。
 データの収集と整理、そのデータを如何なる時にいかに当てはめていくのか?
 まさに経験と感がものを言う。
 そして、当たったときの喜び。これがまた格別。
 そんな想いが、一本一本の壜にはこめられている。

 いかがでしたでしょうか?
 もし、いつも行かれるスーパーマーケットの棚に内容物の同じ物で、容器のみ違う商品が並んでいたとき、迷わずなんて言いません、ちょっと悩んで、ちょっと重いかもしれないけれど、ガラス壜を選択していただけたらと思います。
 まず、そこから始めましょう。
 貴重な1歩です。
 本日は、お疲れ様でした。
    ( 遠くの方から・・・、「ヘルメット・耳栓は、返却お願いしまーーーす。」という声が、かすかに聞こえてくる。幕。 (^-^)//"-☆)



<<<2000年6月03日土曜日>>>
  左のグラフは、環境への負荷の大小で各種容器の優劣を比較した研究結果を、ライフサイクルアセスメント という手法を使って数量化したグラフだ。
 リターナブル壜が、もっとも環境への負荷が低いことがわかる。
 漠然とではあるが、おおよそ解っていたことだと思う。
 生産者・消費者共に、環境に対する意識が問われている。



<<<2001年7月28日土曜日>>>
 * http://www.glassbottle.org/index.html 日本ガラスびん協会
 ビンの製造工程のアニメーションを見る事ができます。さすが協会と言いたいところですが、なにかお役所仕事の片手間という感じです。こんなんじゃ他素材に負けっぱなしですぞ!



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