モーツァルト『魔笛』 SAPA版 2幕4場 2001年7月17日大橋容一郎試訳

以下に示したのは、歌詞の直訳ではなく、日本語で歌唱するための日本語版歌詞です。
音楽同人SAPAによる演奏用として台本等も編集されたため、歌詞が原版に忠実でない
箇所があります。
SAPA版の演奏は、全2幕4場、室内楽、ピアノ(一部4手連弾)、シンセサイザーという
編成で行われました。

1) 序曲 

第1幕第1場 (けわしい山の中)

2) タミーノの登場と侍女の重唱

タ)だれか、だれか、助けてくれ!ものすごい蛇がわたしを狙っているぞ。

ああ、やってくる、やってくる、助けて、わたしを助けてくれ!

侍)おお、われらの力!聞け、聞け、おおしきいさおし!

われらが 助けた、おおしく強きわれら。

侍1)なんて、すてきなひとね。 侍2)すばらしい人なの。

侍3)ほんとうにかわいいわ。 侍)恋を語るならこの人がいいわ。

女王様にお知らせしなきゃ、きっとよろこばれるわ。

侍1)では行きなさい、わたしが残る。 侍2)だめだめそれは、わたしがいる。

侍3)だめだめそれは、わたしがいるわ。 侍)わたし!わたし!わたし!

行かなきゃ、行かなきゃ、そんな、そんな、ずるいわ、ずるいわ、

ここにいるなんて、そんなの ない! それはだめよ。

なんでもしてあげる。この人のためなら。 ひとりじめはだめ。どうしよう。

やっぱり、わたしが行かなきゃ、どうしよう。

いとしの君よ、しばしの別れよ、また会いましょう、ああ。


3) パパゲーノの登場の歌

パノ)さあきょうも陽気におれは 仕事だよ、ホイサッサ、

だれでも名前は知ってる 有名人なのさ。

かわいい鳥を見つけて ちょいと笛を聞かせれば、

かわいい鳥はおれのもの、いつでもすぐにおれのもの。

さあきょうも陽気におれは 仕事だよ、ホイサッサ

だれでも名前は知ってる 有名人なのさ

かわいい女の子でも ちょいと網をしかければ

かわいい子はおれのもの いつでもすぐにおれのもの

(鍵をかけられてしまい) Hmmmmmゥゥ

4) パパゲーノ、タミーノと侍女の5重唱

パノ)Hm!Hm!Hm!.....

タ)ばかなやつだ、おしゃべりの報いなのさ!

かわいそうだが、助けてはやれないよ。

できないよ、ぼくにはできないよ!

侍1)女王のおゆるし、鍵をはずしてあげる。

パノ)おお、しゃべれる、パパゲーノ!

侍)二度とうそはダメよ!うそをついてはダメよ!

パノ)二度とはしません!うそをついちゃダメ!

民)だれでも、うそつきは鍵をかけられる。

あらそい、嘘つき、わるだくみ、それはわれらの敵よ。

侍1)おお、プリンス!われらの女王から あなたへ与えます。

魔法の笛の力が、あなたを救ってくれるわ。

侍)これですべてがかなう。苦しみは消え去り、

かなしみは喜びに、憎しみはしあわせに。

民)おお、魔法の笛、なにより貴いちからがしあわせをよぶ。

パノ)それではみなさん、どうか、おげんきで。

侍)あわててはだめよ、大事な仕事、王子様と一緒、ザラストロの城へ。 

パノ)冗談でしょう! とんでもないこと!恐ろしい話!

すぐにつかまり、むち打ち、釜ゆで、はりつけ、しばり首、きっと殺される!

侍)だいじょうぶ! 王子様が守ってくれる。

パノ)でもその王子さんがやられちゃったら?命が惜しくて逃げ出しちゃったら?

侍)これを取りなさい。 パノ)ありゃりゃ? こりゃ何だ? 侍)鈴がきこえるでしょ?

パノ)すぐに鳴らせるかな? 侍)すぐに鳴らせるわ!

民)銀の鈴が、魔法の笛が あなた(わたし)たちをみちびく。

ではまたさよなら、さよなら、ごきげんよう。

タ)ちょっと待ってください! パノ)どこに行けばいい?

どちらをめざして歩いていけばいい?

民)ゆくてを教え(てくれ)るのは、賢い子ども(たち)。

それではでかけよう、さよなら、ごきげんよう。

それではさよなら、ごきげんよう、さようなら。

5) 3人の童子とタミーノの重唱 

童)ゆくてはこの道、おとこらしく進め。誓いを胸に、だまって、耐えて、おおしく!

タ)教えてくれるか? パミーナは無事か?

童)誓いをまもれば、しあわせがやってくる。

第1幕第2場 (ザラストロの「光の神殿」前)

6) 僧侶たちの入場と3つの合図 器楽合奏

7) 僧侶の祈りの合唱

僧)おお、イシス、おお、オシリス、たたえん。

闇夜は消えさりはてぬ。輝ける光あふれ、あたらしきいのちは満つ。

こころは清らに、いざともに語らわん、ともに。

8) ザラストロの讃歌

民)たたえよザラストロ、ザラストロとわに。われら喜びたたえうとう。

やみじをひらく道を教え、やみじをひらく道を指す。

われらともにたたえ歌う、たたえ歌う。

清くただしき、われらのこころと われらの思いが世界に満ちれば、幸あり地上に。

とこしえに人は生きる、喜び生きる、とこしえに。


第2幕第1場 (「光の神殿」近くの山の中)

9) パパゲーノのアリア

恋人か女房がこのパパゲーノに

ひとりでもあればしあわせだろ、しあわせだろ!

うまいものが食えて、うまい酒が飲める

そりゃもう最高、ぜいたくなもんさ。

他になにもいらない、うまい酒があれば、

そりゃもう最高、もう最高!

ああ まるでもてないで、ずっと独りぐらし、

そんなのはいやだ、気分は最低。

ずっと 独りぐらし、そんなのはいやだ、

気分は最低、もう最低!

どんなに落ちこんで、へこんでいる時も、

かわいい彼女が、いるならしあわせ。

いつもかわいい彼女、かわいい彼女が、

いるならしあわせ、もうしあわせ!

10) パパゲーナとパパゲーノの2重唱 (超現代語版)  

童)さあ、パパゲーノ、ごらん!

パノ)パ・パ・パ・パパゲーナ! パナ)パ・パ・パ・パパゲーノ!

もうずっとはなさない! もうずっとはなれない!

かわいいおれの彼女! ナイスなあたしの彼氏!

超うれしい! よろしく神様! かわいい子供をよろしくおねがい

子供 ちっちゃなかわいい子供を よろしくおねがい。

まずはじめにパパゲーノ、そのつぎにはパパゲーナ、

それからまたパパゲーノ、それからまたパパゲーナ!

ふたごに三つ子に四つ子に五つ子、たくさんたくさん!

ていうかかなりいい気分、ていうかすごくいい感じ、

パ・パ・パ・・・・よろしくおねがい。

第2幕第2場 (「光の神殿」の試練の場)

11) 童子の3重唱

童)この美しい国は、ザラストロがおさめる。

宝物を返しましょう、だいじな魔法の笛。

ゆっくりやすんで、試練にそなえて。

また会えるその日を、よろこびのときに。

タミーノ、おそれずに。 おそれずに、しずかに。

しーっ、しーっ、しずかに。

12) 試練前の3重唱

パミ)また会えるかしら。 ザ)また会える時も。 パミ)ゆくては恐ろしい。

タ・ザ)まもりたまえ神よ。 パミ)ゆくてには待っているわ、恐ろしい試練が。

タ・ザ)すべてを神にゆだね、進めおそれずに。

パミ)おねがい、気をつけて、あなたのゆくてには、どうぞ気をつけて。

タ・ザ)すべてを神にゆだね、進めおそれずに。

ザ)試練の時がきた。 パミ・タ)おお、なんて恐ろしい。

タミーノ(パミーナ)、時がきた(ぞ、わ)。 ゆくのだ。ゆこう(ゆくわ)、おそれずに。

ザ)いそげいそいでゆくのだ。試練の時がきた。 また会える。会える。

13) 火の試練と水の試練

パミ・タ)魔法の笛の音はほのおをしずめる。

おそれずともに手を取り、試練に向かおう。

パミ・タ)おそれず手を取り、試練に応える。

民)おお、おお、たたえよ、たたえよふたりを。

叡知をその手に、さあわれらのもとへ迎えよう。

さあ、さあ、われらのもとへ。

4) エピローグと大団円

しずかに、さあしずかに、いそいでさあいそげ。

モ)夜の女王さま、どうかお約束どおりに。

女王)守ろう、約束を、パミーナはおまえに。

おお、パミーナはわたし(おまえ)に。

しずかに、おおひびくよ、おお雷がひびく。

敵の広間はすぐ,ほのおの剣ふるい、敵を追いちらす。

侍)夜の女王さま、夜の女王さま、復讐の夜だ。

おお!われらはほろびさる、力つき闇にしずむ。

ザ)光あふれ、闇を討つ。闇の力消えさりぬ。

民)たたえよ朝を、きよき光を。 闇は去り、おお!たたえんオシリス、

おお!たたえんイシス。

力と智恵、闇を討ち、空に光みちあふれ、とわにみちあふれ、

智恵と力輝けり、とこしえに! とこしえに!     (終)


*なお、演奏者の(不)都合により、舞台上での歌詞が部分的に変更される可能性があります。

(この歌詞を無断で使用することはできません。)