倉庫芝居

過去の公演

第20回

 地人会上演台本『この子たちの夏』より。

 舞台初挑戦のおばさま、グループ「朋」が、
56年前の原爆の日のことを倉庫で上演しました。
 
 ただただ暑かっただろう56年前のあの夏の日、
地獄のような光景の中にあった家族の絆や、母の愛をあつい気持ちで語ってくれました。

 クーラーも無く、風通しの悪い倉庫での稽古や、
会場作り。充実したあつい夏を過ごしただろう
グループ「朋」の皆様、お疲れさまでした。

 また、倉庫で新しいことに挑戦して下さいね。


 
以下は、当日配布パンフレットに載った、グループ「朋」の皆様の自己紹介と、演出等に携わった2人の言葉です。

影山幸枝
そ一っと耳をすましてごらん 聞こえますか 聞こえるでしょう

お母さん、お母さんとあなたを探し求める 幼き者たちの叫びが

1945年8月 一筋の閃光が走った
あの広島の 長崎の ぬける様に蒼い空から 廃城の瓦礫の底から

お母さん、お母さんとあなたを探し求める 幼き者たちの叫びが

人間の愛とぬくもりとから置き去りにされ
人間の絆が結びにくい2001年の天から地から

幼き者たちは幼き者たちが識るはずもない戦争という 暴力に曝され…・・

幼き者たちは幼き者が識するはずもない虐待という 暴力に曝され…・・



抱きしめよう 抱きしめよう 力いっぱいに そして あったかい胸いっぱいに

「この子たちの夏」を観る。これは、8月15日、
終戦記念日という日を迎える私の永年の心の儀式である。

今回は、観る側から演ずる側へと座席を変えた。
演技カゼロからのスタートラインに並んだ母親たち十人の仲間は、
心で演ずるのみである。

未来を担う子供たちへ、そして世の多くの人々へ愛をこめて。

神谷道子
目立つことは大嫌い。
縁の下の力持ち大好き。
絵本の読み聞かせは得意だけれどという私がどういうわけか、朗読劇に出演。

戦前、戦中、戦後と4人の子どもを産み、
とりえは健康と言えるほど頑丈に育ててくれた亡き母を想い、
戦後の大変な中、末の男の子を亡くし、
朝鮮戦争のさなか中国から命からがら逃げるように引き揚げてきた
現在81歳の義母を想い、台本の言葉をかみしめ、
指導者の方々のおっしゃられるように少しでも近づこうと、
短期間ですが奮闘努力の毎日です。

子どもたちに平和は自分で守るもの、
守る努力をしなければならないものということが伝わればいいなと思っています。


鈴木洋子
私は広島で生まれ育ちました。
そのために、小さい頃から何度となく原爆資料館へ行きました。
そこで目にしたものは、実際に原爆に遭遇した人々の遺品でした。
戦争があったという事実を誰かが言わなければ忘れられてしまうでしょう‥‥‥‥
私はその誰かになりたいと思います。


窪田明子
2001年夏
私は2年振りに日本独特のじとっとくる暑さを感じています。
中国の天津も暑い夏で、地球の温暖化を身を持って体験していますが、
「この子たちの夏」1945ヒロシマナガサキを想います時、もうそれは考えられない灼熱地獄…
どれだけ感じ伝えられるか?
頑張っても出来ないかもしれませんがやらなければの覚悟です。
私は日頃 中国で生徒達に日本語を教えていますが、改めて「あいうえお」からの勉強で、
声を出して日本語の持つ美しい響きと難しさを生徒の身になって考える夏休みになりました。

原爆体験を風化させないことが、地球の温暖化の行きつく先が、
人類が受けるであろう原爆と同じ体験をするのではないかという神の啓示のような気がします。

杉野みな子
声がつまり涙がとまらない。
rこの子たちの夏」の台本は、百へ一ジにも満たない薄い冊子なのに、とてもとても重いのです。
読みすすむ度に、つらく、悲しく、胸が痛みます。
今、生きていることに感謝し、まわりの人々をいとおしみ、一日一日を大切に過ごしたいと、心の底から思います。


内田節子
妻と母を23年間演じ、そろそろそれ以外の自分探しをしたいと思っていた矢先、「この子たちの夏」出演のお話がありました。
4年前には、障がい者の施設で指導員をしていた時には、年1〜2回ステージで歌ったり、踊ったりして、
観客の拍手とライトをあびた経験がありますが、その時の充実感は言葉に表せないほどです。
プロの先生方のご指導のもと、心を引き締めて練習に励むことを誓います。


三好和子
プロフィールとのことですが、60歳、好きな事として生花への関心、観劇、映画等、古典文学(旅などを通してほんの入り口)
また3人の子育て中、夏休みのイベントを行い織キ作り、土器作りなど、学び遊ぶことを模索しました。
異年齢層(子供、学生、先生、親)の間において、想像を超える人たちの集まりとなり意味は大きいものでした。
10年間かれこれいたしました。
また平和や憲法学習についても、地域、玉川学園のに参加して多くのやわらかいご意見にふれました。
この度、友人よりお声かけ頂き、とまどったのですが、お受けすることに意味を感じて、
ゼロよりの出発になると思いますが、お仲間入りさせていただけますのであれば光栄です。
裏方のお手伝い、なんなりといたしたく存じます。
ご指導いただきたく思います。


菅野恵子
地人会の「この子たちの夏」は、15〜6年前子供が小学生だった頃に観賞いたしました。
そして丁度今年の公演8月6.7.8.9日のお知らせも届いています。
そんな折り、町田での自主公演のおさそいを受け、もちろん自信はないのですが、チャレンジしてみようかと思います。
学生時代に少し話し方の勉強をしたことはありますが、今は20年程歌(合唱と歌曲の勉強)をしていますが、
この頃、少し歌を減らして朗読の勉強をしたいと思っていた所ですので、プロの方のご指導を受けられる
ということでチャレンジしてみようと思いました。
地人会の公演には、東京フォーラムの時”カナリア”に歌と盆踊りで、参加させていただきました。
少し不安ですがどうぞよろしくお願いします。


遠藤陽子
長崎、広島‥‥忙しい日々の中で遠い過去の出来事となってしまっている
自分に、今一度、この日に起こった事の重さを確認する為に、参加しました。


清水えり子
未来に残したいもの、澄みきった水、美しい緑、豊かな心 そして‥‥平和。


戦後の日本 高度経済成長
平和の日本を女性として、母親として
支えてきたあなたたち
あなたたちがいて今現在があるわけですが
「平和」という安穏さの中で 
少しだけ隠居していたようです
体は衰えていくことはやむを得ないことですが
世の中を見る目 人間に対する心は いつまでも
とぎすませておかないと あなたたちが支えてきた日本が
変貌していくかもしれませんよ

この一夏の経験が
これからのあなたたちの生活に
どういう変化をもたらすのか
とても楽しみです

               演出   白神 久吉

                  

演出家の白神さんは素人に対してめっぽー強気だと仲間から言われている
始めはニコニコしながらも
しだいにきつい言葉が飛び出してくる
それも必殺のストレートとかアッパーカットでは決してない
それは常にジャブ
出鼻をくじくジャブ 
ボディーブロー
後々効いてくる
本人は全然当たり前のことと思って
いやそれ以上にみんなのことを思っていっているのに口から出る言葉はきついのだ

稽古を始めて白神さんがみんなに聞きました
ちゃんと本読んできた?
みんなは答えます
「はい」と
それでは読んでみましょう
うまく読めません
白神さんが言います
状況が伝わらない 感情の起伏がない
あなたたちは本を読んできたと言うけど
全然読めていない
それは読んだんじゃなくて 眺めただけ
眺めて来ただけなんです と

感情を込めようとして思わず涙がこぼれ 涙声になったときも
違うと注意されました
その人になりきるのではなく その状況と感情をたんたんと伝えた方がいいのだと
泣きながら語るのではなく 
泣きそうになるのを必死でこらえながら
嗚咽をこらえて語るのだと

段取りになってはいけないことも言っていました
自分勝手なことをして せっかく みんなが作ったペースを乱してはいけない

声を前に出す
まわりを意識する
無駄に動かない
必要なときは素早く動く
自分の所は自信を持って
座っているときにも緊張感をなくさない

スライドを出しながら ドキドキイライラしながら演出家は見つめています
叫びたいことを叫ばず 泣きたいことを泣かずに
本当の底力をだして じっくり聞かせて下さい
戦争の悲惨さよりも 原爆の恐ろしさよりも もっと深い母親の優しさと愛を
そしてそのあと 人と人が戦うことの愚かしさを 話し合いましょう

                           中村 信一

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