ドラマちっく
書き込み中 書き込み中 アバウト・シュミット
あの頃ペニーレインと ゴースト・ワールド ザ・ロイヤル・テネンバウムズ
アイ・アム・サム ヘドヴィク・アンド・アングリー・インチ エリザベス
ハッシュ! アマデウス
ディレクターズ・カット版
マグノリア

アバウト・シュミット ジャック・ニコルソン

☆☆☆
会社人間だった男シュミットは、定年退職した矢先に妻に先立たれる。仕事と家庭、居場所をいっぺんに失って、虚無感にさいなまれる男。遠方にいる一人娘にお愛想したところで、今までの関係の構築のまずさから、拒否されるばかり。そんなとき、ふとしたことから難民の子供を救う募金をする。遠い国の子供から寄付への感謝の手紙が届き、返事を書くことに。自己紹介文を書きながら自分の人生を見つめ直していくシュミット。オヤジの「第2の自分探し」物語。ニコルソンのリアルな演技に定評があり、ムリに笑いを誘うこともなく、またお涙ちょうだいでもなく、淡々と描かれているところがポイント高し。男性なら身につまされることでしょう。

あの頃ペニーレインと ケイト・ハドソン、パトリック・フュジット

☆☆☆☆☆
ロックの世界、裏舞台、バンド内のすったもんだなど、ミュージシャンを目指してた人や、支えてた人、現役のバンドファンなら胸がキュンとうずき、感動も倍増でしょう。しかし音楽の知識がなくてもこの映画は楽しめます!舞台は70年代。15歳の少年が有名なロック批評誌の目にとまり、ジャーナリストとしてロックバンドのツアーに同行することになる。そこで知りあったバンドのグルーピーの女の子への恋ゴゴロを織り交ぜた、甘く切ない少年の成長物語。今までなんの疑問も持たずに留まっていた親の「柵」を乗り越えて自分の世界を形成していく少年の姿や、夢中になれるものを見つけた喜び、夢と現実のあいだでの葛藤、恋の苦しさなど、青春映画として非常に優秀な作品なのです。主役のケイト&パトリックがハマリ役なのはもちろん、わき役それぞれの演技や露出バランスも良く、作品全体のレベルを上げている。観た後の気分が最高に好きな作品。

ゴースト・ワールド ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンソン、
スティーブ・ブシェミ

☆☆☆☆
高校卒業後、目標も見つからないまま、“ダサかわいい”ものや“ゲロダサいい”ものを観察し日々を過ごしているイーニドとレベッカ。周りは、芸能界に憧れたり、トレンドを追ったり、将来を考えて大学で勉強するような“アホでイケてない”やつばかり。学校や社会や家庭になじめず、いつもどこか浮いている自分たちを持て余している。ある日、新聞の交際欄に出会いを求めて掲載していた中年男をからかい半分で呼びだす。が、イーニドは次第にその男シーモアに興味を持ちはじめる。就職もせず、暇さえあれば彼にまとわりついてばかり。一方、親友のレベッカは仕事を見つけ自立を目指しはじめる。同じ感覚を持っていた夫婦のような2人にすれ違いが生じてくる。友情はどうなるのか、そしてイーニドとシーモアの関係は?。。。という青春ムービー。青春時代、キャピキャピしてる友達となじめなかったような人(イーニド度が高い人)ならかなり共感できるかもしれない。したくないことはわかっているのにしたいことが見つからない、子供から大人への過渡期に経験する若者の行き場のない情熱やあせり、葛藤、屈折などのほろ苦い感覚が伝わってくる。ファッションや音楽、小道具もポップ!
感想文 ※ネタバレあり。以下を反転させて読んで下さい。
「イーニド度」が高いほど☆は多いと思う。自分もそうだったって思いだして胸が痛むかも。私はややレベッカよりだから、☆3〜4。気持ちはわかるけど働かなきゃしょうがないって、大人の階段昇っていったのよ(笑)題名にある“ゴースト”って、変わっていく友達、変わっていく町並みの中で、いつまでも変われないイーニドのことでもあると思う。
どすこいバーチ様は優れた演技ながら、表情などややワンパターンに感じてきた。10代の頃はいいけど、20代半ばくらいからこのまま“多感なティーン”では難しくなっていくんじゃないかな。ちょっと違うかもしんないけど、ウィノナ・ライダーも「リアリティ・バイツ」の“感受性は豊かだけど大人になりきれない女の子”で人気を極めたけど、その後大人の女としての役ではイマイチで、結局いい歳こいて精神科もの(「十七歳のカルテ」/でもアンジェリーナ・ジョリーに食われた)でまだピーターパンをやってる。イメージもへんてこりんだ。ウィノナはまだ美形だからセックス・シンボル的な生き方もあろうが、バーチはその道すらむりだからなぁ。まあ、すでに製作もやってるからそっち側にシフトしていくんだろうけど。レベッカ役のスカーレットは「バーバー」でピアノ弾いてたね。「バーバー」では天使みたいだったけど、ここでは大人っぽい。15歳だったって?結構おもしろい役者になっていくかもしれません。コンビニのダグだっけ?最高だね。レンフロは太っててイケてないな〜。
それよりも、ブシェミよ!もうセクスィ〜!!!どうーしよ、抱かれたい男No.1だわ。いや〜、“へんな顔の男”“ミスター・ピンク”などず〜っと前から気になってはいたけれど、好きだというと通ぶってるかんじがしてヤだったので逆にそっとしてましたが、この映画で晴れて解禁。ブシェミはわたしのアイドルだ!きゃ〜スティーブ!乱ぐい歯で笑ってぇ、冷たい目で見つめてぇ、そして抱いてぇ!!!コン・エアーみたいな大げさな役より、こういう弱っちい不安定な感じの役のほうが魅力が出てます。

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ ジーン・ハックマン、アンジェリカ・ヒューストン、ベン・スティーラー、グウィネス・パルトロウ、ルーク&オーウェン・ウィルソン

☆☆☆☆☆
 天才一家として有名なテネンバウム家。が、放蕩オヤジのロイヤルのせいで家庭は崩壊。ある日、妻の再婚話をきっかけに、長い間家庭を無視し好き勝手に生きてきた父ロイヤルが、家庭を取り戻そうと十何年ぶりに帰ってくる。親子の確執や慈愛など家族と周囲の人々の様々な思いや成人した子供らの個々の悩みが渦巻く人間模様が淡々と描かれている。
 個性派俳優たちの演技が素晴らしい。また、部屋や衣装・小道具の使い方に並々ならぬ力量を感じる。良く計算されているというべきか。視覚的要素や、爆笑や涙を安易に誘わない抑えた作風に好き嫌いがわかれるかもしれない(コメディと思ってたら物足りないと感じるだろう。「泣ける」と期待してたら肩透かしを食らうだろう)。良いか悪いかというよりも、個人的に表現の仕方や雰囲気が気持ちいい1本。
感想文 ※ネタバレあり。以下を反転させて読んで下さい。
☆4つかどうか迷ったよ。好きじゃない人は「盛り上がりに欠けるつまんない映画」って思うだろうし。☆5つもつけてオススメしていいかどうか。個人的にこういう雰囲気が好きなんだよね。人には無理強いしない。
家族の再生がテーマっていわれてるけど、結局パズルのピースは全てきちんと収まるとこに収まったわけじゃない。父はやっぱり最後まで自分勝手だったし(勝手に出てって勝手に帰ってきて自分のペースを変えることなく引っかき回して勝手に家族を感じてそして死んでいった)、母は離婚届をもらったとたんやっぱり再婚するんだし。長男の確執はやや雪解けって感じだが、心に背負った問題および長女と次男と隣人のそれぞれの問題はまだまだ続いているし。再生はしなかった。が、新しく築くことはできたんじゃない?少なくとも父親にとっては。それまでは築こうともしなかったんだから。思ってたような家族にはならなかったけど、父が「6週間家族と暮らせて本当に楽しかった」って気付くことが、彼にとって意味があったんじゃないかな。父から拒絶されて傷ついていた家族も、父との関係の修復というよりは、それを背負って大きくなった“現状の自分”についての見直しができた。父がなにかをしてくれたという直接的なものでないにしろ、父が存在し間接的な部分で関わったことによって生まれた変化は、他の家族の今後にとって大きな意味があったと思う。
つまらなかったと思った人にはこのへんの抑えた感じが気持ち悪いのかも。父は善人に生まれ変わり、母は再婚相手をふって父を再び受け入れて(本当はずっと愛してたわとかなんとか言っちゃって)、子供を父によって助けられたことをきっかけに長男も父を認めて(パパは僕の子供を愛してくれてるんだね!とか)、長女と次男の愛は養女だからダブーになることもなく、さあ家族の再出発だ!みたいな。
そんな風におさまらないところが私には気持ち良かったんですが。もちろん、テンション低〜いユーモアや視覚的な気持ち良さは影響大だけど。アーヴィングの「ホテル・ニューハンプシャー」と比較するとつまらなくなる。後出で作風が似たものを全部「亜流だ、つまらん」で片づけるのは、評論するために映画を観る人だろう。リメイク映画やシリーズ映画などでも同じことが言えるんじゃないかな。要は、その1本が面白かったかどうか。感じる前に分析はいっちゃう体質ってのは、案外損だなって思う。つい原作との比較しちゃう自分にもいえることだが。それこそ「ソロー」か。

アイ・アム・サム ショーン・ペン、ミシェル・ファイファー

☆☆☆☆
7歳の知能の知的障害者であるパパ。6歳の娘とも深い愛で結ばれていたが、娘の今後の成長を懸念する福祉局が娘を里親へ出したほうが良いと判断し親子は引き離されてしまう。パパは敏腕弁護士に依頼して愛する娘を取り戻そうと奮闘するが...。映画では親子を中心に、やり手だが自分の夫や息子からは見放されているバリバリの弁護士、パパをとりまく障害者の友達や勤め先・近所の人々、福祉局の担当者、娘の里親などたくさんの人とその関係が細やかに表現されており、障害者の育児という非常に重大なテーマながら、説教くさくならずユーモラスに描かれている。ペンはもちろんのこと、子役の女の子、肩ひじ張ってるファイファー、外出恐怖症のアニー、里親役のダーンなど、女優陣がとてもいい演技。「泣ける?」と聞かれれば「泣ける」と即答できる一本。
感想文 ※ネタバレあり。以下を反転させて読んで下さい。
あ〜子役がかわいい。しかしこういう映画ってかならず障害者論議が起こるよね。障害者を安っぽい感動のネタに利用するなとか。私はそういう論議は苦手なので、この映画に関しては単純に「親子関係」について考えたいと思った。
いろんな親子の話が出てくるよね。サム親子や裁判の証言者のような「障害者がいる親子」、アニーのような「虐待関係にある(推測だが)親子」、ファイファーのような一見理想的に見えるが「信頼が崩壊してる親子」。他にも里親の気持ち、精神科の医者の親としての気持ち、福祉局の人の他人だが子供の成長を案ずる気持ちなど。映画のストーリー的には、愛しあっている親子をどうして他人が引き離せようか、どうして他人が人の幸せを測れようか、ってところをポイントにしててそこも大事なんだけど、私はメインをとりまくその他大勢の「親子」ってやつに興味を持ったしスクリーンの外のその後とかそれ以前とかについて思いをはせた。
あと印象に残ったのは映像で、サムのアップなんか寄り方が急激なんだよね。ドキュメンタリーみたい〜と思ったら、やはり撮る人はそのへんの効果を狙ってたらしい。そういうところが映画の中のお話って感覚にいい意味で水を差してくれてて、リアルさの演出になってたと思う。

ヘドヴィク・アンド・
 アングリー・インチ
ジョン・キャメロン・ミッチェル、
マイケル・ピット

☆☆☆☆
グラムロックとゲイの愛の物語。ゲイとかグラムとか別に難しく考えずに恋愛モノだと割りきっても見ごたえあると思いますよ。「グラムとはそんなもんじゃない!」とかそういう視点で見るとかえって楽しめないと思う。まず主人公が魅力的に描かれています。美しく妖しいルックス、奇抜なファッション、扇情的なメッセージ、それから性転換手術が失敗してムスコが1インチ残っちゃったというシチュエーションがたいそう哀しい。そしてなにより曲がね、素晴らしいですよ。サントラから映画に入った人も大勢いるみたい。イラストのアニメーションで詩の世界を表現したのも印象的です。これね〜、パッと見はキワモノっぽいんですけど、女の人は絶対好きな感じですよ。

エリザベス ケイト・ブランシェット、
ジョセフ・ファインズ

☆☆☆☆☆
16世紀の英国が舞台。ヘンリー8世の娘エリザベスは愛人の子であったことから、腹違いの姉のメアリー女王から疎まれる。が、メアリーが病死したことで一転してエリザベスは女王に。女王として人生を歩むこととなったエリザベスに陰謀や策略が次々と襲いかかる。一人の女として恋に悩んだりしながら、一国の王として強く成長していく。歴史物としても、女性の成長物語としても楽しめます。主演のケイト・ブランシェットの演技が素晴らしいので必見です。光の使い方がうまく、インテリア・衣装なども派手さはないけれど小ワザがきいています。

感想文 ※ネタバレあり。以下を反転させて読んで下さい。
これはいいですよ。歴史物としても、女性の成長記録としても。王宮が舞台ですから、物騒な話とかヘビーな仕打ちとか下ネタも当然ありますが、エンタメ系メロドラマではなく上品で非常に落ち着いた仕上がりになっています。映像的にめずらしく好きなんです。立場が弱いときのエリザベス周りは薄暗く陰うつな感じ。恋をして楽しいときは柔らかい光に包まれ、女王として決心を固めていくときなどは強さを感じるほど眩しい光に包まれている。身分違いの恋でファインズと女王の寝室で逢瀬を重ねるのですが、エリザベスのベッドのまわりにかけられているカーテンの模様が面白いんです。人の目の柄なんですよ。カメラは覗き見でもしているように(召使いたちは実際聞き耳を立てたり覗いたりしている)そーっとベッドに近づいていくと、無数の目に出会うわけです。カーテンがこちらを見つめ返しているんです。まるで女王の床を覗く無礼者は誰だと言うかのように。

あとキャストもよかった。ファインズは残念ながら添え物として、ジェフリー・ラッシュも良かったですし、あとで気がつきましたが、スコットランド女王がファニー・アルダンだったんですねぇ。ナイフを玩んでいるときのあの目つきが印象的でいい女だなぁとずっと心に残ってました。あとで「8人の女」の時に惚れちゃったので、やっぱこういう女が私は好きなんだと改めて自覚したよ(笑)あと「ドーベルマン」でブレイクしたヴァンサン・カッセルがスコットランドのバカ王子役で出てましたね。そうそう、カッセルが女装で乱交パーティやってるところにエリザベスがやってきて、みんなのまえで求婚をていよく断られたシーンのエリザベスのセリフが使えるんです。誘いは断りたいけど怒らせてはいけない相手に、「あなたへの愛と尊敬の気持ちには変わりはありませんがここはお互いに国政のために涙を呑んで別れを選ばねば....」というような内容のことを言う。これがうまいセリフでね、言われた相手は「しょうがない、賢明な判断だ」と見掛けは上位にたったまま引き下がるしかないと。現代でも会社の取引先のスケベオヤジのしつこい誘いを円満かつスマートにお断りする時にもってこいですよ!


ハッシュ! 田辺誠一、高橋和也、片岡礼子

☆☆☆☆
ゲイのカップルの前に、子供が欲しいから精子をくれ!という女が現れる。それぞれの家族や周囲を取り巻く人々の反応、3人の関係がユーモラスにリアルに描かれている。全体に軽いタッチだが、同性愛や精神疾患への差別に対する強い抗議がメッセージの中にしっかり刻まれている。優柔不断な田辺、繊細な高橋、心の傷をかかえた片岡の主役たちのほかに、ストーカー女のつぐみ、田舎の長男の嫁の秋野暢子などのキャラと演技が素晴らしく良かった。こういう人物像を描いて演じさせる監督って感性が繊細だなぁと思う。ゲイものにありがちな、好奇心を満たしてくれるようなエンターテイメント性に富んだ作品というよりも、実にリアルに、リアルなだけにおかしくもあり哀しくもある、とってもうまいことできてる一本。
感想文 ※ネタバレあり。以下を反転させて読んで下さい。
片岡さんのやさぐれ具合に度肝を抜かれました。宝塚の男役風の美形なのに(笑)自堕落に見えるけど、自分なりに落とし前つけながら必死に生きようとしている様子がとてもでてたと思う。田辺君は素敵〜。けど眼に力のある役者って演技がワンパターンに見えがちになるから気をつけてね。三上博みたいにならないように。高橋君は意外だった。あんなに繊細で普通っぽいゲイの演技をされるとオトコ組世代としては驚いちゃうね。田辺との痴話げんかなんかもう性を超越した「普通さ」だったもん。最初の方の、田辺と初夜を過ごした明けの朝、どきどきしながら田辺の出方を背中で感じながらコーヒーを入れるシーンなんかいいもんね。ああ、こういう関係を待ってたんだ...って聞こえてきそうで(笑)あとつぐみさんは恐かったね〜。映画ではやや大げさに描かれてたけど、ああいう女いるんだよ、確かに。思い込み激しくて、自分を保護してもらうためなら嘘や他人の迷惑も平気って、女には嫌われるタイプ。普通のにぶい男なら「なんで?かわいいし守ってやりたくなるじゃん」って言うんだよね(笑)
それから秋野暢子!田舎の長男の嫁にいますよ、こういう人。親戚のおばさんで思い当たりませんか?姑や嫁ぎ先の慣習に苦労して、口数の少ない夫も頼りにならないし、怒りをふつふつと押し殺して自分の人生がうまくいかないのを全て周りのせいにしてムダに齢を重ねてる人。姑のことを憎みながら、自分も結局「そんな血うちの家系にまざってほしくないんよね」としっかりその系譜を受け継いでいる。一方で「あんたんとこはへんなんばっかりやわ」って嫁としてよそ者にされてきた意地も残っている。同性愛とか精神病とか障害とか離婚とかいう問題になるとこういう人が必ず出てきて、単なる「差異」にランクをつけて自分を保つために人を責め続けるんだよね。
人と違うってそんなにダメなの?みんな誰とも同じじゃないのに?ってメッセージを受け取った。河原での、泣く田辺を高橋と片岡が慰める長いシーンの間が好きだなぁ。


アマデウス ディレクターズカット版 F・マーリー・エイブラハム、トム・ハルス

☆☆☆☆☆
モーツァルトと宮廷作曲家サリエリのお話。音楽を愛し神を信じ、全てを神への音楽に捧げてきたサリエリの前に希代の天才モーツァルトが現れる。禁欲的で苦労人のサリエリに対し、モーツァルトは奔放で下品で己の才能に絶対の自信を持つ鼻持ちならないうぬぼれ屋。しかし音楽の才能は本物で、サリエリはモーツァルトに激しい嫉妬を覚え、またその才能を自分に与えてくれなかった神に背を向け、しだいにモーツァルトを破滅させるという狂気にとりつかれるようになる。アカデミー賞をはじめ、たくさんの賞を撮ったすんごい作品。3時間もの長丁場ですが、クラッシック&オペラファンじゃなくても楽しめます!
感想文 ※ネタバレあり。以下を反転させて読んで下さい。
通算4度目のアマデウス。いいかげんにDVD買えよ、私。ディレクターズカットで20分もの場面が追加されてるということですが、あれば人間模様がよくわかるけど描き方は他の方法があったのではないかと思うところもある(コンスタンツェの乳シーン)。神へ背を向けたサリエリが少しずつ理性の陰からドロドロした本性をだし始めた転換期のようなシーンだし、コンスタンツェが最後にサリエリに冷たく当たるところともつながってるのですが。
しかしモーツァルトのキャラが圧倒的に斬新。だから音楽ファンじゃなくても楽しめるんだなぁ。トム・ハルスに魅了された人も多いでしょうけど、あれはアイデア(演出)勝ちのような気がする。私は心情的にサリエリに肩入れしたくなる。凡人ですから。神父に懺悔するようすすめられ、初めは苦痛でゆがんでいたサリエリの顔が、話し終えたときは爽快な超然としたほほ笑みに変わっている。たんに胸のつかえを吐きだしたスッキリ感ではなく、イタイほど生真面目で誠実な人が(神に)裏切られてついにキレてしまった狂気の笑顔をそこに見た。役者やのぅエイブラハム。他にも、病床のモーツァルトに無理に作曲させる最後の夜のシーンでも、破滅を望む気持ちと神の恩恵を受けた本物の天才と共同作業ができる作曲家としての純粋な喜び、この相反する気持ちが同居している複雑な心理を巧みに演じてたと思う。役者やのぅ。
西洋の時代モノが好きなのでもともと採点は甘いかもしれないが、これは文句なしに☆5!

マグノリア トム・クルーズ、ジュリアン・ムーア、
フィリップ・シーモア・ホフマン

☆☆☆☆
いろんな話が同時進行。重くて精神的にテンパッたシチュエーションがめじろ押しで中だるみなんてさせません。愛したいのに愛せない、愛されたいのに愛してもらえない、親子や恋人・夫婦の間でさまざまな愛が無言で絶叫しているよう。トムくんのシリアスな演技にも評価が高かった作品。
感想文 ※ネタバレあり。以下を反転させて読んで下さい。
星4つか5つか悩みました。おもしろかったけど、死だのヤクだの性的虐待だの切れそうな天才少年だの捨てられた子と親の対面だの、1コだけでもセンセーショナルな題材がてんこもりでちょっとズルイなぁという気もする。でも演技がみんな良かったんだよね。前述のトムくん(セックス教レクチャーの時はペットボトルを股間に入れて絶倫を強調してたとか)もだけど、西田敏行風味のフィリップは本当に主役殺しの存在感(猟奇殺人者とか変態系も似合いそう)。ジュリアンもハンニバルの時よりずっとセクシーで、情けない中年をやらせれば一級品の(ガキデカ顔)メイシーおじさんもいじらしかった。私はトムくん親子の話より、警官と被虐ヤク中の女の子との恋バナの方が心に残ったなぁ。ラストは好き好きでしょうが、陰陽道では、雨は“浄化”を意味するそうです。