戦争の狂気を描いた作品。第二次世界大戦中、日本占領下の中国の貧しい村が舞台。何者かが村民に“預けもの”をする。中身はなんと日本兵と中国人通訳。期日になっても引き取りに来ない。さあ、このやっかいな2人の身柄をどうしたものか、というところからストーリーが始まる。自国を占領し、暴力・略奪・強姦なんでもありの敵兵など憎いが、預けた人間が引き取りに来た時に暴行の跡があったり死んでいたりすれば村民全員が殺される。匿っていることを日本軍に知られても殺されてしまう。苦悶しながら、結局村民は2人に食事を与え、下の世話をし、自殺しないように気を配る。数ヶ月が過ぎ、心の交流を互いに感じあえた村民と日本兵。引き取り人も来ないし、そろそろ日本兵が部隊へ戻ってもいいのではということになるが。。。。
かなりユーモアを交えて描かれてはいるが、極悪非道な日本兵の振る舞いに同国民として観ているのはツライ。しかしこれは『こんなに日本はヒドイ国なんだ!』という、冷戦時代にソ連との戦いを描いたハリウッド映画のような一方的なエンタメムービーとは違う。だから日本のことを悪く描きすぎとか占領下の日本だってアメリカ兵に同じようなひどいことをされたとかいう論点ではない。そういう目くらましにひっかかってしまいがちな人は観ても不愉快な気持ちしか残らないでしょうから初めから観ないか、アメリカ占領下の日本が舞台と頭の中で変換して(難しいけど)観られるがよろしい。個人的には村民のすったもんだがちょっと長く感じられたので☆4つ。最後の方の戦争の狂気がいよいよ爆発していくあたりをもっと時間をかけて濃厚に描いて欲しかった。軍人だけでなく人間性豊かな村人までも鬼になってしまう。どんなドンパチ映画よりも、戦争というものはこうも人を狂わせるのかとひしひしと戦争の恐ろしさを感じた作品。香川照之、若いときはクドさが目立ちましたがいい役者さんになりましたね。 |