作り話
「あこがれ」
場所はハイヤン放送終了後のスタジオ。
時計は深夜1:30を回っていた。 世間話も一段落し、木下が立ち上がる。
今日の木下は、ロケ帰りのため荷物が多い。
下 「おぅ、安田。すまんけど部屋まで荷物持ってきてくれへんか」
安 「あっ、はい。 いいですよ」
この日の木下はホテル泊まりである。 出待ちのファンと話す木下。
今日の安田は、 それを見ていられない。 そして、部屋につく。
下 「あぁ、すまんかったなぁ、安田」
安 「いえ、いいっすよ」
下 「まぁ、冷蔵庫のもんでも飲めや。 あぁー、今日は疲れたなぁ」
そう言いながら木下、ベッドに腰を下ろし、安田に背を向けたばこをふかしている。
下 「あっ! 安田。 お前帰りどうする?? 荷物運ばしたから、みんな帰ってもうたなぁ・・
明日、俺の車で送ったるわ」
安 「い、いえ、いや、あの・・・」 (どもる)
安田の方に向き、笑いながら
下 「何言ってるねん!! ちゃんと喋れ あほ!!」
安 「あ・・・ すんません・・・」
下 「変なやつやなぁ・・」
そう言うと木下は、また背を向けるのであった。
すると突然、安田は木下の背中に抱きついた。
下 「何や、どうしたん??」 (驚くこともなく、嫌に冷静に)
慌てて離れる安田。
安 「す、すんません・・・・。 あ・・・お、おれ・・、あ・・、あ、すんません・・」
体中を震わせ、ただ謝り続ける安田。 木下立ち上がり、安田の頭に手をのせ
下 「落ち着け、安田。 そこに座れ」 (迷子の子に話しかけるように)
そう言うと、安田をベットに座らせる。 そしておもむろに木下、安田の肩を抱く。
下 「なぁ、安田。 今日のお前おかしいぞ。 どうしてん??」
安 「き、木下さん!! お、俺・・。 ずっと、木下さんだけを見てきました。
な、なのに、どうして気付いてくれへんのですか!!
金もないのにハイヤンに毎週通うのも、ヒッチハイクで東京に行ってしまうのも、
木本さんに嫌がられながらも松竹マンションに押し掛けるのも、あと、あと・・・」
木下、安田を優しく抱きしめる。
下 「もう、いい、安田。 そうか・・」 (すごく優しく、母のように)
つづく・・・。
「愛方」
98,12,3(木)。 この日T・K・Oの2人はライブ出演のため東京である。
その日、KBSのスタジオには、徳田ときよししか居なかった。
メインであるはずの2人は、東京のスタジオから電話で参加している。
そう、T・K・Oの2人は東京のスタジオで2人だけ・・。
この日木下は決めていた。 木本に伝えようと・・。
放送は、なんとか無事終えた。
本「あー。終わったなぁ・・。 エライさん、怒ってたなぁ・・」
下「まぁなぁ・・。 来週ちゃんと謝ったらえぇんちゃう」
本「そうやなぁー」
そう言いながら、立ち上がろうとする木本に木下が
下「あっ・・。 き、木本。 ちょっと待って・・。 じ、時間えぇかな??」
本「あっ?? 別にえぇけど、何もないし。」
その頃、すでにスタッフも帰っていて、スタジオ内は本当に2人だけ・・。
下「あ、あのなぁ・・。 そのぉー・・。 実はなぁ・・。」
本「何やねん!! 早く言えや!!」
下「おれ・・・・・・・。 結婚しようと思うねん。 いや、するねん!!」
本「えっ?? あっ?? 誰と?? って、決まってるわなぁ・・。 お、おめでとう。」
下「あ・・・・ありがとう」
本「で、いつするねん??」
下「まだ、わからんけど、できるだけ早くにはなぁ・・。」
本「そぉーかー。 とうとうするんやなぁ・・。」
下「やっぱり。 なんや。 ほら。 おまえには最初に言わななぁ・・。」
本「何言ってるねん!! そやけど、びっくりやなぁー。
何や少し、寂しなるなぁ・・。
って、ほら、ち、ちがうで 一緒にナンパとかできんようなるなぁって意味やで・・。」
下「あ、あほか!! 何、焦って言い直しとんねん!! その方が、さぶいわ!!」
本「ハハハ、ほんまやなゴメン・・ そやけど、めでたいなぁ・・。 久しぶりに2人で飲みにでも行くか??」
下「おぅ!! えぇなぁー。 ほんま、久しぶりやなぁー。」
こうして、2人は夜の東京の街へ消えていきました・・・。
「愛方よ・・・」
場所は、「T・K・Oのおきて」収録スタジオである・・。
収録は、すでに終わっている・・。 スタジオに残るのは、数名のスタッフと木下そしてうーちゃんだ・・。
2人はスタジオの隅で、椅子に座りたばこをふかしている・・。 何を話すでもなく・・。
するとぽつりと木下が・・。
下「あのねぇー、植村さん。 俺らのことどう思いますぅ?」 (真顔)
う「(少しむせる) な、何がやねん!」
下「いや、ほら空気って言うんですかねぇ・・。 うまいこといってるように見えますぅ?」
う「あ〜〜〜〜、いってるんちゃうん? 何かあったんかぁ?」
下「いえ・・、何かあったとかじゃないんですけどね・・。 なーんか、アイツ俺を避けとるような気がしてねぇ・・。」
う「そ、そうかぁ〜〜〜〜。 考えすぎちゃうかぁ〜〜〜〜。」
下「そうですかねぇ・・、考え過ぎかなぁ・・。」 (泣きそうな顔になる)
う「あ、あれやろ。 お前が結婚したから気を使ってるんちゃうか?」
下「そうなんっすよ! どうも、アイツその頃からおかしいです! 『俺は、結婚しても変わらへんから』って言ったのにアイツ変わりやがって!!」
沈黙の時間が流れる・・・。
う「そ、そうやな。 う、うん、お前は変わってないな・・・・。 何やったら今の方が社交的やもんな。」
下「そうでしょ! 今の方が終わってから、よう飲みに行きますもん!」
う「あのなぁ〜〜、っていうかよぉ〜〜、なんで俺がそんな話聞かなあかんねん!」
下「す、すんませぇん・・・・」
う「アイツがおまえの相手をせーへんのやったら俺が相手したるがな。」
下「え? はい?」
う「ネタの相手はせーへんけどな。ほぉ〜〜ら、ええ相手したるで!」
下「え? はい・・・。 え?」
スタッフの声が、「木下さぁ〜〜ん、植村さぁ〜〜ん、閉めますよぉ〜〜」
う「さっ、行くか。 なっ?」
下「は、はい・・・」
「愛方 〜告白の行方〜」
只今「フィッシュオンバトル」の収録中であります。
下「お前のこと大好きやで! いや、大好きじゃ軽いな大事やで!!」
本「俺は生き甲斐やで!!」
収録は終了・・。 撤収!!
T・K・O「お疲れさまでしたー!!」
珍しく、木本の車に2人乗り込み帰る。
木下はすでに居眠り気味である。
本「今日の放送、あのまま流れるんかなぁ・・。」
下「ん? うーん・・。 そうちゃうのぉぉ。」
本「え、えぇぇんかなぁ・・・。」
下「あ〜? ええんちゃうかぁ。」
本「うーん・・、まぁなぁ〜〜。」
下「なんやねん、流れるのいやなんか?」
本「嫌とかじゃなくてさぁ・・。 なんか、ほら・・・。 そんな風に思われたらなぁと思ってな。」
下「そんな風に? あん? ええやんけ別に。 お前嫌なんか!」 (目が覚めたらしい)
本「い、いや・・。 嫌とかじゃなくて・・。 なんか・・」
下「お前最近、変わったよな。 周りの目気にしてるもんな。」
本「そんなことないわ!」
下「そやけど、今日の放送でそんなに悩むなんて、昔のお前にはなかったもんなぁ」
本「それは・・。」
下「だいたい、俺らそんなに仲悪ないのに、お前いつも仲悪いの装って、話せーへんかったり、先帰ったりするやろ。 後で合流するくせによぉ・・」
本「おい! それを言うなよぉ」
下「ええやんけ。 今は2人やねんしよぉ。」
本「お前、それ誰にも言ってないやろなぁぁ」
下「言ってないよぉ。 言ったらお前怒るもん!」
本「よし、それならええわぁ。」
下「で、今日どぉするのぉ〜〜?」
本「どぉって?」
下「明日も朝早いんやろぉ〜〜? ロケの場所遠いしよぉ〜〜。 俺起きられへんでぇ〜〜。」
本「何言ってるねん! 起きろよぉなぁ〜〜。 お前居れへんかったら、でけへんやろ。」
下「ほな、起こしてくれるかぁ〜〜〜〜?」
本「あほか! 自分で起きろ!」
下「あ〜〜あ〜〜、絶対起きられへんわぁ〜〜。 どうしようかなぁ〜〜。」
本「しゃないなぁ〜〜。 ほな、いつものとこでまっとけよ! 一旦荷物置きに帰って行くから。」
下「うん。 待ってるわぁ〜〜」
本「鍵持ってるんか?」
下「持ってるよぉ〜〜。」
木下、家に電話をかける。 「急に仕事が入って帰られへんわ。 そうやねん! まったく急に言われてな・・。 そうそう・・。 それじゃーなぁ」
いい加減な会社も使いようである・・。