
私がみる夢の話をしよう。
その夢の始まりは、とても変わっていた。
まぁ、誰の夢だって、奇妙なものの方が多いのだろうけど。
とにかく、私の夢もとてもおかしなもので、始まりは水の中だった。
海の中だったと思う。
そこは無音の世界だ。
すべてが青く染まって、私自身も青く染まって、
目の中まで青くなってしまったみたいに感じる。
水の中は冷たいような温かいような、そのどちらでもないような。
その深い深い大量の水の中で、私がしていたことはただひとつ。
あの人のことを考えていた。
欲しくて欲しくてたまらないのに、どうやっても手に入れることはできないあの人だ。
私はプカプカ上下しながら、ただそれだけをしていた。
すると前の方からあの人が来るじゃないか。
それなのに夢の中の私は特に驚きもせずに、こう言う。
「こんなところで何をしているの。」
けれどあの人は何も答えずに、ただニコニコと微笑むばかり。
夢の中の私は大して驚きはしなかったけど、
あの人の顔の皮膚は、まるで刺青をしたかのように鮮やかな花の模様をしていた。
「俺の顔が普通の人とちょっと違っても、俺を欲しいと思うの?キミは。」
あの人は突然、私にそう聞いた。
私はその質問があまりにも馬鹿らしかったので、ただ無言で、あの人を見ていた。
それでも欲しいかだって?
欲しいに決まってるじゃない。