覇王別姫

 

 

 

覇王別姫のなかのレスリー・チャン

私の一番好きなレスリー・チャンはチャイニーズゴーストストーリーと男たちの挽歌なんだけども、すばらしいっつったらやっぱこれやな。

いやもう、うつくしいよすばらしいよ。芸人だね。レスリーは。

私がレスリーの何を最も愛しているかって、この芸人根性だーね。この作品からもっともそれが伺えるな。しっとりした演義の中で震えてる悲壮な心がにじみ出てるんだべ。

私は覇王別姫からレスリーを知るようになったんだけど、これを見て、次に見たのは上海グランドで、いや〜その違いぶりにほれたほれた。すばらしい役者やと思ったね。しかしだ。後になって私はかれのあの「公然の秘密」を知るんですな。

地!?

地でやってたのか?

だまされた

しかし。私は考え直した。

あれは地ではない。たとえレスリーが○○○だとしてもああいうタイプじゃないだろう。どうみても。あれはピーコだよ。コップ持つときの指の立ち方とか。それに、地だとしてもね、本当の、しかも結構隠し気味の真実を演技に込めるとき、ためらいもしただろう。でも彼は全力の演技をしている。すばらしい。

やっぱりレスリーはすばらしい役者だ。そして退廃的であればあるほど美しいこと。やっぱしレスリー・チャンの持ち味が最も引き出されるのは退廃バージョンにおいてですな。

コン・リーもアットハーベストだべ。やや下品ななかにも情熱と気位とのオーラが放たれている。これがコン・リーでしょ。決して美人女優ではない。でもね、レスリー・チャンも「立っているだけで女優」(多分そんな感じのこと)と言っていたように、そう、彼女は立っているだけですばらしいのだな。