10/1 蓮実重彦の手
京王プラザホテル44階フレンチレストランでランチ。料理はいまいちだが、都庁知事室を睥睨しつつワインを飲むのもわるくない。空は秋らしくウロコ雲だっ
た。睡眠不足のためか酔いすぎて、フィットネスは断念。
BS2でルイス・ブニュエル『哀しみのトリスターナ』を見ながら、高カロリー・オムレツ(ポーク)をつくり食べる。
淀川長冶・山田宏一『映画は語る』(中央公論)読了。
トリュフォーの『終電車』などに出ているジェラール・ドパルデューは、顔はいまいちだが、手はきれいで蓮実重彦に似ている。蓮実の手を握って、淀川さん
は、そうおっしゃったそうだ。やっとのこと
でHPにカウンタ―設置。Amazonでジジェクほか『オペラは二度死ぬ』を注文。
10/2 いつものように
日比谷スカラで、オバハンにたち混じって明日が楽日の『エデンより彼方に』
を見る。
『めぐり合う時間たち』でオスカーを獲得したのは二コール・キッドマンであったが、あの三人の中で、ジュリアン・ムーアの演技が群を抜いていたことは誰の
目にも明らかであり、ジュリアン・ムーアこそ受賞すべきであったことも同様である。この作品において、ブロンドのヘアースタイル、ベロアのドレス、そして
魅力的なクラシック・カーなど繁栄の50年代を蘇らせることに成功していることは、あの『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の鮮やかな失敗とともに注
目すべきである。特筆すべきは、ハートフォードの紅葉、秋から冬へ、そして春の訪れと季節の移行がきわめて情感豊かに描かれ、この美しさはただちにヒッチ
コック晩年の『ハリーの災難』を想起させるだろうが、かつてはプロパガンダ的といって差支えない映画を撮ったヒッチコックが、どこかコスモポリタン的な空
間をつくり上げるのに対して、『エデン』のトット・へインズは、「マッカーシー」などという固有名詞を主婦たちの会話に紛れ込ませるなど徹底してアメリカ
的な雰囲気の中で物語を緩慢に進行させる。しかし、なぜあの自動車のボンネットに設置されたキャメラから、真正面からの画面いっぱいのショットがなぜこれ
ほど魅力的なのであろうか。いかにもアメリカ人らしい容貌の夫がゲイであることを告白し、離婚を要求され、さらに恋心を抱き始めていた黒人の庭師を駅で見
送るラストのシーン、薄暮のなかの汽車とさびれた駅舎などほんとうに美しい。
いつものように、有楽町ビックカメラでワイン2本、スパークリングとシャルドネを購入して帰宅。