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「タルファ駐屯兵」 Ten Tall Man 1951年
「ロビンフッドの冒険」 The Adventures of Robin Hood 1938年 マイケル・カーティス監督 エロール・フリン オリビア・デ・ハヴィランド ベイジル・ラズボーン クロード・レインズ アラン・ヘール やっとビデオを捜しあて何十年振りに再見した。今、見ると随分、お子様向きな感じがするが、振り返っ て見ると昔の映画は全部、老若男女向けにつくられていた。であるから幼稚なところがあるのは当然で あり、それだけ映画が健全だったということになる。最近のような殺伐たる映画が多く作られるようにな ったのは1960年代からだと思う。ご存知ロビンフッドが獅子王リチャードを助け大活躍の末、マリアン 姫と結ばれるという誠に他愛ないストーリーが美しい色彩のもと豪華絢爛に展開される。ケビン・コスナーのロビンフッドもあったが、あれは暗くて少しも爽快感がなかった。それに比べエロール・フリンのものは明るくノーテンキで屈託なくて良い。後になってエロール・フリン主演の時代劇は「ドン・ファンの冒険」もそうだが、ダグラス・フェアバンクスの演じたヒーローの焼き直しということを知った。機会があればフェアバンクスの活劇物を全部見てみたいと思っている。昔の映画はテンポがのろく退屈するものだがさすがにマイケル・カーティス監督だけのことはあり、非常に軽快なテンポで飽きさせない。フリンとカーティス監督のコンビの作品は何本かあり、いずれもおもしろい。特に「進め竜騎兵」は私の好きな作品であり、再見してみたいのだが、日本ではまだビデオが出ていないのは残念である。 「荒くれ男」 Stampede 1949年 レスリー・セランダー監督 ロッド・キャメロン ゲイル・ストーム ジョニィ・マック・ブラウン 白黒のB級西部劇。おそらく、この映画を見た日本人はあまりいないであろうし、見たとしてもまったく 忘れてしまっているだろう。良い牧場と悪い牧場の争い。ロッド・キャメロンはもちろん正義のカウボーイ で、正義が勝ってラストはロッド・キャメロンとゲイル・ストームのキスシーンにエンドマークが重なり終わるという典型的なB級西部劇のバターンを踏襲している。私がこの映画を印象的に覚えているのは、この映画とかの有名なジョン・フォードの「荒野の決闘」との二本立てで見たためである。ロッド・キャメロン はアメリカでは50本位の出演作があるが日本で公開されているのはごくわずかしかない。しかも主役を はっての公開作はおそらくこの映画だけであろう。原題がスタンピードなのでおそらくスタンピードの場面があったのだろうが、まったく記憶には残っていない。
「ピクニック」 Picnic 1955年 |
「駅馬車」 Stagecoach 1939年
ジョン・フォード監督 ジョン・ウェイン
クレア・トレバー
トーマス・ミッチェル ジョン・キャラダイン
あまりにも有名なジョン・フォード監督の西部劇。アメリカ映画を代表する一本に挙げられる作品。
脚本はフォード監督と「ハリケーン」「肉弾鬼中隊」「果てなき航路」等でコンビを組んだ名脚本家のダドリー・ニコルズが担当。流れ者のリンゴー・キッドが途中から駅馬車に乗り合わせインディアンの襲撃から乗客を守り、無事に乗客を目的地に送り届けたのち、宿敵の3人の無法者を倒し乗客の酒場女と結ばれる。乗客8人の人生模様にインディアン襲撃のアクションシーンを絡めて飽きさせずに展開される。
日本では、すでに戦前に封切されているが、私が見たのは、もちろん戦後になって何回かリバイバル上映された時である。ジョン・ウェインは「ビッグトレイル」で主役をはってデビューしたが、その後,泣かず
飛ばずで3流のウェスタンフィルムにばかり出演していたが、師匠のフォードがこの映画に主役として呼び寄せスターダムにのし上がった。その後、フォード監督の西部劇3部作「黄色いリボン」「リオグランデの砦」「アバッチ砦」に主演し名実ともに大スターの仲間入りしたのは、ご存知のとおりである。トーマス・
ミッチェルはアル中のドクター役でアカデミー助演男優賞をとり、その後アル中役ばかりに多く出演している。流れ者の紳士然としたギャンブラー役のジョン・キャラダインも適役。しかし、何と言ってもこの映画の魅力はアクションシーンの素晴らしさにある。演出は有名なスタントマンのヤキマ・カヌートで彼はこの映画のスタントシーンの演出により世界にその名を知られることとなった。アリゾナのモニュメントバレーを疾走する駅馬車とそれを襲撃するジェロニモ率いるインディアンの大軍。スピードとスリル溢れるシーンが映画のもつ独特のダイナミズムを駆使して描き出される。一部スクリーンブロセスの合成シーンがあるものの現代のCGばかりのアクションシーンと異なり実写の迫力があり、爽快である。フランスでは、このシーンが終わると拍手が鳴り止まなかったとの逸話が残っている。背景に流れるアメリカ民謡
「寂しい草原に埋めないでくれ」も効果的に使われている。この映画が後世に与えた影響は大きく乗客が話をしている最中に突然インディアンの放った矢が胸に突き刺さったり、インディアンの大軍が突然
丘の上に登場するシーンとかは、その後の西部劇に多いにマネされている。ブロデューサーのウォールター・ウェンジャーは、のちに金に困りこの映画の権利を売ったために3流ウェスタンに、この襲撃シーンが、たびたび使い廻されており、私自身も何回か他の西部劇で見ている。フォードは広い空の雲をバックに流すシーンが得意で黒澤
明が良く真似していたのは皆さんご存知のとおりである。時代を経ても
この映画を凌駕する西部劇はなかなか出て来ないことだろう。
「夏の夜は三たび微笑む」 1956年
スウェーデン映画
イングマール・ベルイマン監督
世界の名匠ベルイマン監督作品は何本か見ているが、面白いなと感じたのは、この作品だけである。
「野いちご」はなるほど人生のはかなさをうまく伝えているなとは思うが、さっばり面白くはない。「第七の
封印」に至っては「去年マリエンバートにて」と並び私のワーストワンにランクされるつまらなさである。
スウェーデン映画の特徴は画面の暗さとスウェーデン語のしゃべりのテンポの遅さであり、どうも馴染めない。しかし、この映画は,いわゆる艶笑(今時こんな言葉は流行らない)喜劇であり、とても楽しめた。
依って、私はこの映画だけでベルイマン監督を評価している次第である。主人公の貴族が自分のベットの横のボタンを押すと隣の部屋との境の壁が上に上がり、隣の部屋で寝ていた女性がベットごと自分のベットの横に自動的に運ばれて来てしまうという奇想天外な装置も登場する。これは多分、実際にあった装置であろうし、そんなものを考えるほど、当時の貴族は暇だったのであろう。また、「ディアハンター」であまりにも有名となったロシアンルーレットも私はこの映画で初めてスクリーン上で見た。貴族の男女とそれに対比する下男、下女の色模様がスェーデン映画らしくない洗練されたタッチとユーモアを交えて描き出され楽しい作品に仕上がっている。
「傷だらけの栄光」 Somebody up there
likes me 1956年
ロバート・ワイズ監督 ボール・ニューマン ビア・アンジェリ サル・ミネオ
ミドル級かウェルター級のボクシングチャンビオン、ロッキー・グラジアーノの伝記映画。とても軽快なテンポでニューヨークの不良上がりで世界チャンプとなったグラジアーノの青年時代が描かれている。
ロバート・ワイズ監督は「ウェストサイドストーリー」とか「サウンドオブミュージック」で巨匠の仲間入りをしたが、昔は良い題材を演出しているのにテンポがのろく今一の感のする監督だった。しかし、この映画は彼には珍しい歯切れの良い作品で私の好きな映画のひとつである。彼の昔の作品の中では、これと「砂漠の鼠」が私のお気に入りである。スタローンの「ロッキー」の大先輩にあたる映画で若い夫婦の夫婦愛も嫌味なく素直に描かれ好感が持てる。街のチンビラ役でのちの大スター、スティーブ・マックイーンがデビューを飾っているが、この映画を見ている限りでは、スターになれるとは、誰も想像できないだろう。若い頃のポール・ニューマンは軽くて嫌いだったが、この映画はその軽さがプラス方向に向かい好演している。肝心なボクシングシーンもかなり迫力あり。
「ベルリン陥落」 The fall of
Berlin 1949年 ソヴィエト映画
終戦後、しばらくして「石の花」「せむしの子馬」を皮切りとしてソヴィエト映画が結構公開された。
この映画は題名の如く、ソ連軍がスターリングラードでドイツ軍に勝利しベルリンを陥落させるまでを描いた大スペクタクル映画。小学生時代に見た。ソ連映画はカラーであっても、アメリカ映画の使用していたイーストマンカラーでなくドイツの技術を盗ったアグファーカラーなので色が薄くハデさがなく子供心にあまり見る気がしなかったが、これは戦争映画なので見に行った次第である。
主人公はソ連軍の男女の兵士であり、ソ連軍は女性でも機関銃を持ってドイツ軍と戦ったことをこの映画で始めて知り凄い国だと思った。ソ連軍の兵士は,いわゆるマンドリンと呼ばれた軽機関銃で武装しカチューシャ砲として有名なロケット弾発射装置を備え随分近代化されている軍隊であることも知った。ドキュメントタリータッチの丁寧な作りでベルリンの市街戦も記録映画を見ているかのようで参考になった。スターリン、ヒットラーもソックリさんが登場しこれがまた良く似ていた。終戦後、間も無い時代の映画であり、当然、プロパガンダの匂いに満ちているが、それは仕方の無いことだと思う。
「女狙撃兵マリュートカ」 The Forty First 1956年 ソヴィエト映画
ソ連映画を紹介したついでに、もう一本紹介したい。題名の如く赤軍の女狙撃兵マリュートカのお話。 ロシア革命前夜、ロシアは革命派の赤軍と皇帝派の白軍とに別れて争っていた。バイカル湖かどこかの大河での海戦の最中に嵐があり、両軍の艦隊は全滅する。運良くマリュートカは孤島に辿り着く。そこに、白軍の色男の兵士も流れ着く。マリュートカは自分の肌で兵士を暖め命を救う。こうして敵味方の男女の孤島での生活が始まり、当然、二人は愛し合うようになる。ある日、沖に船影が見えた。船は島に向けて近づいて来た。それは白軍の船だった。白軍の男は我を忘れて船に向かって走り出す。マリュートカは男に行かないように呼びかけるが、男は止まらず船に向かって走り続ける。狙撃兵であることを思い出したマリュートカは銃を取り、愛する男を射殺する。原題の41番目とは、マリュートカが狙撃した41人目の男という意味。ソ連映画なのでマリュートカのヌードもごく控えめの表現となっている。しかし、当時のソ連映画としては革命的な映画で、これ以降、ソ連でもいわゆる「雪解け」映画が続々と製作されるようになった。その先駈けとなった作品。題材が非常に映画的なので腕の良い監督が演出すれば映画史に残る作品となったであろうが、残念ながら、そこまでの域には達していない。それでも、なんとなく印象に残っている映画。
「アパッチ」 Apache 1954年
ロバート・アルドリッチ監督 バート・ランカスター
ジーン・ビータース
ジョン・マッキンタイア チャールズ・ブロンソン
題名の如く、アバッチインディアンの勇者を扱った映画。彼はたった一人で騎兵隊に戦いを挑む。これは
実話だそうである。これと似ているシチュエーションの映画にジェフェリー・ハンターがインディアンに扮し
やはり騎兵隊に戦いを挑み死んでしまう「白い羽根」という映画もあり、そちらも実話とのことだった。
アバッチ族のバート・ランカスターは無実の罪で捕らえられ列車で護送される途中で手錠を列車の車輪に轢かせて断ち切り逃走し、たった一人で合衆国騎兵隊に対し戦いを挑む。妻役がジーン・ピータース
ラストは騎兵隊に隠れ家を発見され前のトウモロコシ畑に追い込まれるが、折りしも妻のピータースが
出産し赤ん坊の産声が聞こえて来る。我を忘れて畑の中で立ち上がるランカスター。追手も新しい命の
誕生に感動し襲撃を止める。という甘い結末となる。アルドリッチ監督は私の好きな監督で骨太の活劇
を撮らせると上手な監督だった。しかし、彼の本領は超大作よりも、この映画とかジャック・パランスが好演した「攻撃」のような小作品に本領を発揮するように思える。ランカスターは、例の如く白い歯をむき出して豪快な演技で好演。のちにハワード・ヒューズの最後の奥さんとなったピータースも野生的な魅力を発揮し、これまた好演している。
「サイコ」 Psycho 1960年
アルフレッド・ヒッチコック監督 ジャネット・リー アンソニー・パーキンス
ジョン・ギャビン ヴェラ・マイルズ
世界の名匠ヒッチコックの映画を紹介しなければ申し訳ないということで、これにした。若い時にはヒッチ
コックの映画は幼稚で嫌いだったが、トリュフォーとヒッチコックの対談をまとめた分厚い本を読んでから
ヒッチコックを見直した。ヒッチコックははじめからストーリーはそれほど重要視せず、自分の描きたいシーンは、どう表現したら大衆にアピールするかを一番に考えて映画づくりをしたということだった。依って
ストーリーが陳腐になってもあまり気にしていないので幼稚な点が多かったということが理解出来た。彼は希に見る映画づくりのテクニシャンだったのだ。それが、わかってから彼の映画を見直すとなるほど
凄いイメーシのシーンだなと改めて彼のテクニックに感動できるようになった。一例をあげると「白い恐怖
」では、ミルクをより白く見せるために豆電球を入れた。(このエピソードはあまりにも有名なので誰でも
知っていることと思う。)「めまい」では、螺旋階段から下を見たときの高さを表現するのに精巧な模型を
つくり撮影した。この方が実際に螺旋階段の上から撮影するより遥かに高さが表現出来たとのこと。「サイコ」の有名なシャワー室でジャネット・リーが刺殺されるシーンでは老婆がナイフを振りかざしリーを襲うのだが、その際、老婆役の役者の顔が鮮明に映ってしまうため、顔に黒いドーランを塗らせて、はっきりと映らないようにしたとか様々な工夫を凝らして画面づくりをしている。さて、ストーリーだが、これは
誰でもご存知なので省かせてもらう。ヒッチコックの映画の中では、私が好きなのは、「サイコ」「フレンジー」「疑惑の影」「見知らぬ乗客」「泥棒成金」「ダイヤルMをまわせ」等ストーリーがしっかりしている作品になる。ヒッチコックはブロンドの冷たい感じの女優が大好きでグレース・ケリー、テッピィ・ヘドレンを
多用した。特に、テッピィ・ヘドレンには、ご執心で本気で結婚を考えたが結局振られた。まったくいい年をして何を考えているのかと思うが彼の才能に免じて許してやろう。ヒッチコックの映画でもう一つ感心するのは顔に似合わずラブシーンの演出がうまいところである。「汚名」「北北西に進路をとれ」など軽口を叩きながら延々とラブシーンを続けるシーンが展開されるが本当に洗練されたタッチで上手いものである。「サイコ」では、ジャネット・リーとジョン・ギャビンのモーテルでの軽いベットシーンが冒頭にあるが、ヒッチコックはそのシーンは裸の女性の乳房が男の胸に埋められる官能的なシーンを撮りたいと思ったが当時のアメリカの映倫の規定が厳しくダメだったということだった。現在、ヒッチコックが健在なら、大向こうをうならせるベットシーンを演出したことだろうに残念である。
主役のアンソニー・バーンスは「友情ある説得」でデビューし将来を嘱望されていたが、あまりパッとせず結局「サイコ」の変態役だけが彼の名を永久に残すこととなった。なお、私生活ではホモとして有名だった。
最後にヒッチコックがお気に入りのグレース・ケリーについて彼自身が語った言葉があるのでご紹介させていただく。私自身、冷たい感じの女性が好みなのでこの言葉には多いに共鳴するものがある。
「世界中で一番セクシーなのはイギリス女性だ。セックスは見せびらかすものではない。イギリス女性は
一見、学校の教師のようだが、タクシーの中で突然男のズボンを脱がすことを平気でやってのける情熱
を持っている。グレース・ケリーの氷山のような冷たい美貌を意識的に際立たせるようにした。近寄りがたいほどの格調高い美人が、部屋のドアまでエスコートしてくれた男の唇をさっと盗む。アイリッシュの血
をひくグレース・ケリーの魅力がここにあるのだ。」
「灰とダイヤモンド」 Papiol i Diament 1957年 ポーランド映画
アンジェイ・ワイダ監督
ズビグニエフ・チブルスキー エヴァ・クジジェフスカ
地下組織に属している若者が誤った殺人を犯し、良心の呵責を覚え、バーの女の子にも恋心を抱いたりするが
、結局、戦後の混乱の波に翻弄され兵隊の銃弾を浴びてゴミ捨て場のゴミにまみれながら一命を落とす。ポーランドの戦後の混乱期における青春物語。この時代までのポーランド映画は全て戦争
の影を引き摺っており、「影」もそうだが、ポーランドの国の複雑さを理解していない日本人には、しっかりとは背景がわからないので、とっつきにくい作品が多かった。その中で、このワイダ監督は西欧的な思想の持ち主なので理解しやすい作品が多かった。主演のチブルスキーは、この映画一本で世界的俳優になったが、若くして事故死してしまったのは残念である。ジェームス・ディーンの亜流のような風貌と
臭い演技をし、少々鼻につくが全然演技力が無いよりはマシだと思う。この映画の魅力はワイダ監督の
ハッタリをきかせた画面づくりとチブルスキーの天衣無縫な演技力によって支えられている。ラストでチブルスキーが兵隊に追われて洗濯物が一杯干されている場所に逃げ込みシーツの中に隠れる。彼は傷をおっているので白いシーツに赤い血がサァーと滲み出てくる鮮やかさ。思わず「お主、やるな!}と微笑ましくなってくる。題名の「灰とダイヤモンド」は誰かの詩の一節だったと思う。名画ではないが、この映画づくりに携わった人々の熱気が画面から伝わっきて好感がもてる作品。
「野女ヤスカラ」 Sombre Verde 1955年 メキシコ映画
監督 わからない。 リカルド・モンタルバン
皆さん、メキシコ映画は見たことありますか?昔は結構輸入されていました。これもその一本。でも、この映画を見た日本人は数少ないことと思います。私が見に行ったのは、なかなかエッチなシーンの多そうな映画だったから。題名どおりジャングルの中に生活する野生の美女ヤスカラと探検家か学者か何か忘れたが、そういう類の男との際物的なラブロマンス。ヤスカラに扮する女優さんの名前はとっくに忘れてしまったが、とても可愛く魅力的な女優さんだったことは覚えている。確か、彼女はリンダ・クリスタル(と言ってもみなさんは、ご存知ないことと思いますが、一時タイロン・パワーの奥さんであったし、ハリウッド映画にも何本か出演している。)の妹ということだけは覚えている。もともと育ちの良い女優さん
なので野生的な魅力には欠けるものの洗練された魅力がある上にグラマラスな姿態で良かった。従がってエッチなシーンを演じても少しもいやらしくなく印象に残っている。男優のリカルド・モンタルバンについては、映画好きな方なら名前位は知っているものと思いますが、メキシコ出身でハリウッドに招かれ相当の本数の映画に準主役級で出演している。この中では肉体美を披露するがいい体をしているのに
驚いた。メキシコ映画ではプロレス物の「偉大なる野獣」とゲテ物の「獣人ゴリラ男」を見逃しているので
機会があれば見たいと思っているが、無理だろう。
「ゲリラ隊未だ降伏せず」 Nenita
Unit 1953年 フィリピン映画
監督 わからない。 出演者 わからない。
皆さん、フィリピン映画は見たことがありますか?最近では時たまNHKの教育テレビのアジア映画の
紹介番組であったかも知れませんが、この映画が日本で封切された1950年代にはフィリピン映画は
一本も上映されていなかった。なぜ、私がこれを見たかというと、子供だったので題名の「ゲリラ隊未だ
降伏せず」というのにひかれ、きっと戦争活劇物じゃないかと思って見に行ったのである。
画面をみたら日本人とまったく変わらない顔をした俳優さんが出ていてガッカリした覚えがある。
ビックリしたのはフィリピン映画には西欧と同じでやたらとキスシーンが出てくることであった。当時、日本映画でも、キスシーンはめったになく、子供の私はアジア民族はキスはしないものと思っていたからである。そしてその時、思ったのです。アジア・東洋人にはキスは似合わないということを。なぜかと言うと総じて平らな顔をしているので、側面から映すと立体感に乏しいので画的にも決らないないのです。
ストーリーは戦後のフィリピンには政府に敵対する有名なゲリラ「フク団」という集団が存在しこれを政府側の主人公が掃蕩するというものです。因みに、「フク団」はいまでも生き残っている。まあ、白黒のつまらない映画だったが、珍品として紹介させてもらった。
「陽の当たる場所」 A Place In The
Sun 1951年{
監督 ジョージ・スティーブンス モンゴメリー・クリフト エリザベス・テイラー
シェリー・ウィンタース レイモンド・バー
ドライザーの「アメリカの悲劇」をジョージ・スティーブンスが監督した作品。ドライザーの原作というより
1931年にジョゼフ・フォン・スタンバークが監督した「アメリカの悲劇」をリメイクした作品。原作は読んだことはないが、もっと社会的問題を主題にしているらしいが、スティーブンスはモンゴメリー・クリフト、エリザベス・テイラー、シェリー・ウィンタースの三大俳優を使って、もっぱら三角関係の恋愛を描くことに
重点を置いている。そこがこの映画での甘さであるが、興行成績を考えるとそうせざるを得なかったのだろう。この映画は1951年度のアカデミー賞を監督賞をはじめ6つ受賞している。貧乏だが、野心家の
クリフトが都会に仕事を捜しに行く途中で金持ちの娘テイラーと知り合う。都会に出たクリフトは大きな縫製工場に就職する。しばらくして、工場オーナーの姪が偶然、テイラーだったことを知る。二人は互いに愛し合うようになる。しかし、モテモテのクリフトは女工のウィンタースとも良くなりウィンタースは妊娠
してしまう。クリフトとウィンタースは湖のボートの上で今後について話合う。ウィンタースが突然、立ち上がった為、湖におちて溺死してしまう。裁判になり、不可抗力にも関らずクリフトは死刑判決を宣告される。最後の別れを言いに来たテイラーは変わらぬ愛を誓うのであった。要するに、貧乏人はいくらあがいても貧乏人から抜け出せないという一昔前に全盛だったテーマを扱っている。最近の若い方々には
ビンと来ないテーマであろうが、果たしてそれだけ日本も豊かになったと言えるのだろうか。エリザベス・
テイラーは当時18才なのに随分年上に見える。美人女優として有名でお人形さんのような役ばかりやらされていが、この映画の彼女もそうだが私は彼女はなかなか演技力があると思っている。きっと会社の彼女に対する評価が間違っていたのだろう。
久しぶりのセリフ紹介コーナー
「いつも一人でいるのね。憂鬱なの? それとも、お高いの?」
「僕は君を愛している! 初めて会った時からだ。いや、会う前からなのだ!」
※ 要するに、前世からの因縁で結ばれる運命にあったということ。
「めぐり逢い」 An Affair to
Remember 1957年 監督 レオ・マッケリー ケイリー・グランド デボラ・カー
マッケリー監督自身が1930年代にシャルル・ボワイェとたしかアイリーン・ダンで製作してヒットした作品のリメイク。豪華客船の船上で知りあった男女が航海終了後にエンバィアステートビルの展望台での
再会を約して別れる。約束の日、男が待てど暮らせど女は来なかった。女は途中で交通事故にあい行く
事が出来なかったのだ。しかも、足を負傷し車椅子での生活を余儀なくされていた。何年か後、男は女の所在がわかり、訪問し女が来なかった理由を知り、抱き合うのであった。という大昔に流行ったお話。
前作では、エンバイアステートビルを効果的に使っていたようだが、私は見ていないのでわからない。
現在の殺伐たる時代には、とても理解しがたい映画だが、御伽噺として見ればノンビリ楽しめる。
テーマソングをビック・ダーモンが歌いヒットした。
セリフ紹介のコーナー
これは船上でケイリー・グランドがデボラ・カーと知り合った時のセリフ。
「君は命の恩人だ・・・退屈で死にそうだったんだ」
「獅子王リチャード」 King Richard and Crusadars 1954年
監督 デゥ゛ィット・バトラー
レックス・ハリスン、ローレンス・ハーベー、バァージニア・メイヨ
ジョージ・サンダース
過去何本もつくられた獅子王リチャードをメインとした十字軍物の映画。ストーリーは子供だましだが、
中世の雰囲気は良く出ている。レックス・ハリスンが獅子王リチャードに扮し、ローレンス・ハーベーがリチャードを助ける正義の騎士、ジョージ・サンダースがいつもながら悪い騎士。この映画は全然評判とはならなかったが、結構、面白く印象にある。ローレンス・ハーベーとサンダースのチャンバラシーンも
迫力あった。配役は豪華だが、なぜ評判とならなかったのだろう。もう少し評価されても良い映画だと思う。ストーリーに目新しさがないのが原因だろうが、私は好きな映画の一本に挙げたい。
「家 路」 Lassie Come Home 1943年
監督 フレッド・M・ウィルコックス ロディー・マクドォール、エリザベス・テイラー、
ドナルド・クリスプ、 エルサ・ランチェスター、
名犬ラッシーが、初めてスクリーンに登場した映画。このあと、何年かして、テレビがアメリカ全土に普及
し、ラッシーもテレビ版が出て日本にも輸入され、誰にも名前が知れ渡った。ストーリーは貧しい家族が
可愛がっていたラッシーを売らざるを得なくなり、ラッシーは遠くの金持ちの家に売られることになる。
ラッシーは途中で逃げ出し苦しい旅を続け、懐かしい家族のもとへと帰る。戻って来たラッシーを家族は
暖かく迎え、もう離さないことを誓うのであった。総天然色映画で色彩もキレイだし、真面目なお話なので大衆に幅広く支持され、ラッシーは、たちまち大衆のアイドル犬となり、その名前は今も一般に知れわたっている。エリザベス・テイラーが、まだ可愛い子役で出演している。ロディー・マクドォールは当時、子役としては大人気で、たくさんの名作に出ている。大人になってからは、悪役が多かった。配役を見ると
なかなかの芸達者な俳優が出ており、メトロ映画がこの作品に力を入れていたことが伺われる。