王道行くラブストーリーに好感 連続ドラマ「ラストクリスマス」
トレンディードラマ全盛期のヒット作「東京ラブストーリー」の主演俳優、脚本家、プロデューサーが再び顔を合わせた連続ドラマ「ラストクリスマス」(フジテレビ系)。視聴率が20%を超えるなど、「月9」としては久々に高い人気を見せている。複層的で心温まる恋物語、適材適所のキャスティング、1980年代の洋楽にこだわった音楽―。テレビドラマの楽しさが詰まった好作品で、実に魅力的である。
大手スポーツ用品会社に勤務する春木健次(織田)と、同じ会社の秘書課勤務の青井由季(矢田亜希子)。由季がドアでつながった隣室に引っ越してきて、交流が始まる。大病を患った由季の過去を知ってから、健次は由季のことが気になり始める。この2人のラブストーリーを軸に、健次の同級生かつ上司の新谷(伊原剛志)、高校時代の後輩の幸子(りょう)、会社の後輩の日垣(玉木宏)らが織りなす人間模様が絡み、幅広い年齢層の視聴者を視野に入れた構成となっている。
おしゃれなオフィスやマンション、スキー、病気、クリスマスに向けて盛り上がっていく恋―。設定はやや非現実的な気もするが、トレンディードラマの世界観がそのまま再現されていて、30〜40代には好感を持って受け入れられているはず。「恋」以外にも、「病気」「友情」「親孝行」など、多彩なキーワードが想起できるが、トレンディードラマの本質そのものである「きらびやかな“包装紙”に包まれた濃密な人間模様」という作風は、新味はなくても視聴意欲が大いにそそられる。
13年ぶりの「月9」出演となる織田。正義感が強く、人望が厚くて心優しい健次というキャラクターを自然体で演じつつ、視聴者と等身大のオーラも漂わせる辺りは、さすがに一線級の俳優だ。コンビを組む矢田は、年齢的には織田とのバランスがやや悪い配役ではあるものの、多面的なキャラクターを好演。りょう、桜井幸子ら、近頃は往時の輝きが消えていた面々が、生き生きと演じているのも印象的だ。
今年、「月9」を4作手掛けた大多亮プロデューサー。「視聴率狙い」「流行の後追い」と形容できる作品もあったが、今期は「王道を行くラブストーリー」という自身の“得意技”で勝負してきた。今作で、「作りたいドラマを作るんだ」という明確な意志を貫いている潔さに、敬意を表したい。
(2004年11月18日執筆)