シンプルな作品構成が奏功 人気の連続ドラマ「ごくせん」
冬の民放連続ドラマの中で最も人気が高いのが、仲間由紀恵が熱血教師を演じるシリーズの2作目「ごくせん」(日本テレビ系)。「教育」がテーマにならない異色の学校物だが、絶対的な主人公を中心とする設定やストーリー、デフォルメされた役柄を得意とする仲間の魅力を引き出すことだけに特化した演出など、シンプルな作品構成が多層の視聴者の視聴意欲をかき立てたようだ。
任侠集団の跡取り娘の“ヤンクミ”こと山口久美子(仲間由紀恵)は、一度は教職を失っていたが、優秀な生徒が集まるとされる男子校に勤務することに。担任を務める3年D組は問題児ばかりが集められているが、生徒と真っ正面から向き合い、信頼関係を築いていく。
「嵐」の松本潤、伊東美咲らがレギュラー出演していた第1シリーズと比べると、今作は脇を固めるキャストが地味で、作品の“華”は薄い。だが、その反動からか、前シリーズよりも仲間のヒロインとしての求心力が高まった印象を受ける。「情に厚いヤンクミの奮闘を仲間で見せる」という単純明快なコンセプトと、持ち味であるコミカルな作品の魅力が相まったため、前作以上の反響を招いたのではないか。
授業風景が厚く描かれるわけでなく、教師が教育論を振りかざすこともない。しかし、画面からストレートに伝わってくるのが、教師と生徒、人と人との確固たるつながりや、人のぬくもり。「あたしはね、この子たちの、学校の先生なんだよ!」―。ヤンクミのせりふは、実に爽快だ。
はまり役のひとつで“旬”の女優としての存在感を存分に示した仲間。“貧乳”で貧乏なマジシャンにふんする「トリック」(テレビ朝日系)と同様、特異なキャラクターでこそ映える女優であることも証明された形である。しかし、美ぼうを際立たせた役、というか「ごくせん」と「トリック」以外で印象、記憶に残らないのは、仲間に「色」(=個性?)がないからか。「ごくせん」の高人気が、仲間の女優としての力量を明らかにした気がしなくもない。
(2005年2月15日執筆)