より過激に、徹底的に個性を追求 連続ドラマ「特命係長 只野仁」
テレビ朝日系の金曜ナイトドラマ「特命係長 只野仁」が、深夜帯では異例の高視聴率を記録している。2003年夏に放送された第1シリーズと比べ、基本的なテーストは全く変わりないのだが、主人公の二面性の落差はより大きく、ベッドシーンはますます過激になっている。キャラクターや作品の個性を徹底的に追及しようとする作り手の姿勢が、前作以上に際立って見える。
主人公の只野仁(高橋克典)は、表向きは大手広告会社「電王堂」のさえないサラリーマンだが、会長の黒川(梅宮辰夫)の命を受けて社内外のトラブルを手際よく解決する「特命係長」という顔も持つ。このギャップの大きさや、「人間、自由に自分の力で生きていくのが一番」といった言葉が自然に出てくるリベラルな素顔が、このキャラクターの魅力だ。
高橋の肉体は更に鍛え上げられ、アクションシーンも磨きが掛かっている。只野と新水アナ(三浦理恵子)らとのベッドシーンも、前作以上に過激に。前作の人気で自信をつかんだ作り手らが、高人気を支えるエッセンスを手厚く描いた格好だ。ゲストに起用される顔ぶれも、元「WINK」の鈴木早智子、アダルトビデオの小林ひとみら。大人を意識したテーストは、一段と顕著になっている。
それにしても、ヌードやベッドシーンは、このドラマにそこまで必要なのか? 確かに作品はエロスのかおりは薄く、過激なベッドシーンもデフォルメされていて、「明るいお色気」ではある。だが、生きにくい時代を必死に生きるサラリーマンの応援歌、または女性を含めた人間賛歌という原作漫画の主題が薄まっていないか? 呼び水の部分にエネルギーを注ぎ込むあまり、作品自体が大味になっては本末転倒である。
高橋の演技は、前作より突き抜けた印象。只野の表裏、ベッドシーン、アクションシーンを全力で演じ、徹底的に役になり切ろうとしている。その心意気に拍手を送りたい。
(2005年2月21日執筆)