持ち味は“安っぽさ” ゴールデンタイムに進出した「トリビアの泉」


 この夏、深夜帯からゴールデンタイムへの進出を果たしたバラエティー番組が、人気を呼んでいる。フジテレビ系の「トリビアの泉」だ。次々と紹介される「人生に必要のない無駄な知識(トリビア)」は、笑いと驚きの連続。感銘の度合いを表現する「へぇ」という言葉がこだまする、奇妙な番組世界は、安っぽいが、とても斬新だ。

 この番組は、視聴者から寄せられた雑学情報を、5人のパネラーが品評する企画。昨年10月から3月まで深夜帯で放送された際は、7%近い視聴率を弾き出すほど人気が高く、7月からは午後9時台で放送中。コンスタントに20%前後の高視聴率を記録している。

 ゴールデンタイム進出に当たり、「トリビアの種」という新コーナーを始めたりはしているが、番組のテーストは深夜時代のまま。司会の高橋克実と八嶋智人、パネラーのビビる大木ら、地味な顔触れが目立つレギュラー陣、「金の脳」「銀の脳」というプレゼント品、驚きを表現する「へぇ」…。「安っぽさ」と「くだらなさ」をとことん追求するスタンスが、番組の面白さの源泉なのだろう。

 7月からは、「品評会会長」としてタモリを起用しているが、ほとんどの「トリビア」に厳しく接する姿勢は、少し鼻に付く。現状では、その存在が番組のチープなテーストを壊しているのではないか。企画そのものが良質なのだから、午後9時台だからといって、あえてタモリを起用する必要はなかった。

 振り返れば、1990年前後は、「やっぱり猫が好き」「カノッサの屈辱」をはじめ、フジテレビ系の深夜番組は実験精神にあふれていた。方や近年は、「チョナンカン」などの話題の番組はあるが、一時の勢いは失っていた感がある。4月にゴールデンタイムに昇格した「クイズ!ヘキサゴン」、続く「トリビアの泉」の人気が、深夜番組復調の端緒になればいいのだが。

(2003年7月27日執筆)