明るい作風に好感、でも単調? NHK連続テレビ小説「てるてる家族」


 放送開始から3カ月が過ぎ、折り返し地点に差し掛かったNHK連続テレビ小説「てるてる家族」。暗い世相に生きる視聴者を励まそうとするような明るい作風、「昭和」を彩る流行歌をミュージカル仕立てで劇中に盛り込む創意工夫の精神は、好感が持てる。一方で気になるのは、物語の盛り上がりが瞬間的で、ストーリー展開が単調な点。長所と短所が、明確に浮かび上がっている作品と言えそうだ。

 原作は、なかにし礼の「てるてる坊主の照子さん」。大阪府池田市でパン店を営む一家の夢や日常を描く物語で、女優のいしだあゆみら4姉妹と、その両親がモデル。ヒロインは、なかにし夫人に当たる4女冬子で、演じるのは映画「私のグランパ」でデビューした石原さとみ。

 コミカルかつハートウオーミングな物語をリードするのは、4姉妹の両親である岩田春男、照子役の岸谷五朗と浅野ゆう子。家族、パン店の従業員らの悲喜こもごもを受け止めるキャラクターであるだけに、幅広い感情表現が求められるはずだが、2人の演技は誇張はされているものの、不自然さは感じさせない。“さじ加減”が絶妙なのだ。

 しかし、この3カ月間、終始気なっているのが「単調さ」だ。振り返れば、春男の浮気、スターを目指す二女夏子(上原多香子)の上京、パン店の従業員と生き別れた子供との再会など、盛り上がりを見せたエピソードはあった。なのに、いずれも散発的。視聴率が伸び悩んでるのは、「明日は(そして来週は)どうなるのだろう」という視聴意欲がそそられない作りだからではないか?

 11月半ばから登場した石原は、美しさと素朴さが同居する個性を生かし、冬子を好演している。特に、笑いを誘う場面での間の取り方が巧みで、将来性の高さを感じさせる。残念なのは、ドラマの作りが、彼女を唯一無二のヒロインとしていないこと。制作サイドは、もっと出演シーンを増やすなど、もう少し彼女を主役らしく、大切に扱ってあげてもいい気がする。

 昭和の流行歌を出演者が歌う趣向は、「面白い」と受け止めるのか、「騒々しい」と感じるのか、視聴者の好みは別れる所かも。ただ、新しい表現法を追求するチャレンジ精神は、好意的に受け止めたい。

(2003年12月28日執筆)