レトロだが王道行くメロドラマ 韓国ドラマ「冬のソナタ」評
2003年春からNHK衛星第2で放送され、女性を中心に熱烈な人気を集めた韓国ドラマ「冬のソナタ」。4月からはNHK総合で土曜深夜帯に再放送されているが、この枠では異例の高視聴率らしい。実は個人的には、「なんと古くさいメロドラマなんだ」との先入観を持ってしまい、昨年はウオッチしなかったのだが、4月からは一度見たら“やみつき”の状態に…。ドラマチックな展開な中で、登場人物の感情の揺れを丹念につづろうとする、すなわちメロドラマの王道を行こうとする作り手の信念が、ドラマに息づいていた。
ヒロインのチョン・ユジン(チェ・ジウ)は高校時代、転校生のカン・ジュンサン(ぺ・ヨンジュン)と恋に落ちるが、突然の悲劇に見舞われ、初恋は終わる。10年後、建築デザイナーになったユジンは、ジュンサン(チュンサン)と瓜二つのイ・ミニョンが現れ、心を乱し…。
清楚な容姿が魅力的なジウ。先ごろ来日し、日本での熱狂的な人気ぶりを証明したヨンジュン。美男美女2人が織りなす上記のラブストーリーは心は引かれるが、特に目新しさがある訳ではない。雪だるまにキスをさせたりするユジンとジュンサンの高校時代のデートシーン、ユジンとミニョンが誤解や嫉妬を乗り越え心を通わせるプロセスなどは、時に陳腐で、レトロな雰囲気が漂っている。
しかし、画一化され、現実感が伴わない日本のドラマに慣れた日本の視聴者が求めているのは、自分自身を投影できるオーソドックスな恋物語ではないか。斬新でなくても良いのだ。
「恋愛」で押し通す直球勝負のストーリー展開に加え、もの悲しさが漂う流麗な音楽、メロドラマにふさわしい美しい景観のロケ地など、“味付け”も絶妙。一連の「冬ソナブーム」は、生真面目なまでに計算し尽くされた「ラブストーリー制作手法」の裏付けがあり、かつ視聴者の精神的なニーズを的確にとらえたからこそ起きた現象と言えるようだ。
☆もう一言=田中美里と萩原聖人の吹き替えは下手だ…。逆にドラマの雰囲気に合っているとも言えるが。
(2004年5月16日執筆)