目立つ映画のリメーク、テレビマンの企画力低下? 夏の民放連続ドラマ


 民放各局の夏の連続ドラマが始まった。今季は、過去に映画化された題材をドラマ化した企画が目立つ。漫画の次は映画か…。近年のテレビマンの企画力低下に、一段と拍車がかかったような印象を受ける。とはいえ、論評するに値するのは、映画のリメーク物ばかり…。「冬のソナタ」のような記憶に残るヒット作と巡り合えるのは、いつになるのだろうか?

 映画リメーク物で最も味わい深いのは「人間の証明」(フジテレビ系)か。森村誠一原作の小説の力が大きいのは事実だが、悲しい人間模様を複合的に描こうとするスタッフの制作意欲は旺盛のようだ。主演の竹野内豊がふんするのは、黒人青年殺人事件の捜査に当たる棟居刑事で、心にトラウマを抱える難役だが、悲哀を漂わせる表情は秀逸。やがて直面するであろう犯人の“闇”にどう向き合うのか、注目したい。

 昨年夏に引き続き制作された「ウォーターボーイズ2」(同)。高校生がシンクロナイズドスイミングに情熱を燃やす姿は、相変わらずすがすがしい。出演の市原隼人、中尾明慶らシンクロ部員や、ヒロイン役の石原さとみは、ごく普通の高校生らしい風ぼう、雰囲気の持ち主で、視聴者は前作以上に感情移入しやすいはず。連続ドラマに出演する俳優がローテーション化される中、それから外れた独自のキャスティングが成功した好例だ。

 “セカチュー・ブーム”の波に乗って制作された「世界の中心で、愛をさけぶ」(TBS系)。随所にみずみずしい映像は見られるが、作品に漂う切ない雰囲気は映画版の方が色濃いかも。そして、「逃亡者」(同)は、緊迫感を意識しすぎたあざとい描写、出演者の演技がデフォルメされ過ぎていることが気になる。

 映画原作物以外では、「東京湾景」(フジテレビ系)が注目だったが、中身は昔ながらのトレンディードラマ。テレビドラマや映画などの影響で韓国が身近になった今日、「在日韓国人」という設定を恋の“かせ”として利用するのは、時代を反映していると言えるのだろうか? 

(2004年7月22日執筆)