ピーナツを1I
田原は松村に
従うほかなかった。
田原は今、トヨタの
エスティマの真中の
座席に座っていた。
アホな不良が車高を
低くし、下品な
エアロパーツを
装着しているのを
よく見るが、
このエスティマは
ノーマルだ。
そのエスティマを
挟むような形で
前にベンツE320、
後ろにセルシオが
走っていた。
3台とも松村の
組織の人間が
乗っている。
田原はレイバン社の
シューティンググラスを
付けている。至近距離
から発射された
散弾の衝撃にも
耐えられるものだ。
レンズは素通しだ。
そしてスポーツシャツ
の下には防弾防刃下着
をつけていた。
手には薄いラテックス
ゴムでできた手術用
手袋をはめている。
そして肩から
テレスコピック式の
消音装置を
つけたシグ・
ザウエルP226という
自動装填式拳銃を
身につけていた。
9mmパラが実包だ。
全て松村の組織から
支給されたものだ。
しかしそれ以外にも、
田原はズボンの
ポケットに
飛び出しナイフ、
ジャケットの襟の
部分にカミソリを
備えていた。
また靴の踵の
部分には、
分解式の超
小型拳銃が隠されて
いる。
田原たちの車は
歌舞伎町に近い
百人町の、ある中級
マンションの前を
通った。
マンションの
玄関ロビーには
やくざとわかる
男たちが5人ほど
見張りとして
たっていた。
たえず右手を
背広の中に
突っ込んでいる。
いつでも抜き打ち
できる構えなのだ。
田原たちの車は
そのマンションを
20メートルほど
過ぎたところで
とまった。
「俺がまず表の
ヤクザを
始末してくる。」
田原は自身たっぷり
に言った。
「おねげえしやす。」
松村の組織の
幹部である
宝田が答えた。
田原達の行動
部隊の隊長だ。
田原は車から
降りた。そして、
ホルスターから
シグを取り出した。
親指で撃鉄を
起こしておく。
こうしておくと、
シングルアクションで
引金は軽くなる。
田原がマンションの
前につくと、いきなり
ヤクザ達が発砲
してきた。彼らの
銃にも消音装置が
ついていた。
田原の背後の
ガラスが粉々に
砕け散った。
田原も応射する。
1秒の間に5発
放つ。5発の
銃声が一発分の
銃声に聞き間違える
ほど素早い。
田原の体に
一発も当てる
ことができずに
5人全員が眉間に
9mmパラの直撃を
食らって即死した。
見事な死に様だ。
田原はシグに
補弾しながら、
車のところへ
行く。
「やっつけて
くれたのか?」
「ああ。玄関で
たむろってた
馬鹿達はな。至急、
転がってる死体を
処理してほしい。」
セルシオとエスティマと
ベンツから男たちが
8人飛び出した。
田原と宝田が
その後を歩く。
男たちは死体を玄関
奥のカウンターの
蔭に隠した。