も心にしてたアP
海の野獣号の
司令室に奴の
命令が届いた。
誤ってボタンが押される
ことを防ぐために
つけられている透明で
プラスティックのような
カバーがはずされた。
そして中にある
赤いボタンのスイッチは
押された。
原子力潜水艦の一部が
ボコボコッっと音を立て
開かれる。そして
そこから、圧縮空気を
伴いミサイルが
発射された。
目視できるほど
スピードは遅いが、
確実に水面に
向かって伸びていく。
水面に現れた
中距離ミサイルは空気
に触れた途端、
噴射エンジンに火がつき
ミサイルに内蔵された
慣性誘導装置によって
目的地まで運ばれる。
凄まじいスピードで
ミサイルは東京までの
道のりを歩む。白っぽい
飛行機雲のような
線ができた。
目標地点までの距離と
飛翔角度と飛翔スピード
の関係で発射後の爆発
時間がコンピューター・
セットされていたミニ
核弾頭は3分後には
東京の上空まで
来ていた。
素晴らしい弧を
描き、松村の私邸に
注ぎ込まれる。
耳朶を引き裂くような
轟音が響いた。
瓦礫が庭一面に
降り注いでくる。
しかし、そのミサイルは
本来の性能を
発揮しなかった。
松村の私邸を
半焼させた程度だ。
「か、会長。松村の
高輪の豪邸に
ミサイルが着弾
しました。」
「うひょっ。
まじでえ?で、
どないなった?」
奴は上機嫌だ。
「はい、ミサイルは目標地点に
正確に届きました。
しかしですね、
正確に届きはしたの
ですが
核爆弾の本来の
性能をフルに
発揮しないまま
爆発したのです。」
「ど、どういう
こっちゃ?
ミサイルは爆発
したんだろ?」
「はい、したのですが、
松村の家を
半分焼失させた
ぐらいです。」
海の野獣号は
中国から奴に売られる
前に、核弾頭は全て、
起爆薬だけを
残し、肝心の
ウランを抜き取られて
いたのだ。
「く、くそったれが。
なんと、悪運の
強い爺じゃ。
ええい、こない
なったら、ミサイル
全弾をあの
忌まわしいクソッタレ
の家にぶちこんだる。
妾宅も奴の実家も
親戚も、全部や。
あいつと関わり
もっとる奴全てに
格攻撃や。
許さん!!!」
奴は少女の
乳房をキツク
握り締めながら、
叫んだ。
「おんどれ、
はよ、命令
ださんかい!!」
「は、はい。
ただいま。」
秘書は海の野獣に
命令を伝えた。