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『500日のサマー』マーク=ウェブ監督、ジョセフ=ゴードン=レヴィット、ズーイー=デシャネル
お題 運命を信じるようになったわけは
恋愛映画の傑作だ。まだこんな余地があったとは。
冒頭のナレーションで「これは恋愛映画ではなく、恋愛についての映画だ」とは言っているが、まぎれもなくこのジャンルの傑作だろう。
キャストが良い。後に『インセプション』(クリストファー=ノーラン監督)でも重要な役を演じたジョセフ=ゴードン=レヴィットが主役のトムだ。社会人になっているのにカーディガンが似合い、青臭さが漂う雰囲気で、この作品にぴったりだ。
ヒロインは「運命の出会いなんて信じない」と言い切るサマーという女の子。
スタイル抜群でもなく、凄い美人でもなにのだが、可憐で不思議な魅力が周囲を惹きつけるタイプだ。
トムはエレベーターで一緒になってからサマーに夢中になる。
初めてサマーと一夜を共にしたあとの、トムの脳内イメージが抜群で、道行く人がみな祝福してくれているかのようなイメージ。ミュージカルふうなシーンが有頂天なトムの気持ちを表している。
その後も、現実と理想のイメージを同じ画面で見せるという演出など、監督はミュージックビデオ出身だというが、本当に巧い。
音楽の使い方も含めて、映像の見せ方や編集のしかたもきわめて巧い。
トムはサマーと親密になるが突然のサマーの結婚で(本当にあっさりと描かれている)、自暴自棄になる。サマーの重さ、大切さが身に染みていくトムの姿は見ていても辛い。
だが、この映画はこのままでは終わらない。サマーはトムとの出会いや共に過ごした500日という時間により、運命の出会いを信じるようになったのだ。が、その相手が彼でなかったということなのだ。
ラストはポジティブで終わる。イメージでなく現実を知ったのはトムでもあり、そのトムが現実的な恋愛に進んでいく予感。
悲しみも描きながら、さわやかに終わるのはそのせいだろう。
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