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『映画クレヨンしんちゃん伝説を呼ぶ踊れ!アミーゴ!』ムトウユージ監督 声:藤原啓治
お題 本格ホラーだがオチはオバカで安堵
 今回は怖い。早めに帰ろうとしたり、まだ終わっていないかを親に聞く子どもが何人もいたほどだ。
 だが、前からずっと続いてきたこのシリーズの一貫したテーマは脈々と引き継がれている。
 「アイデンティティ」
 コンニャクローンというクローンにカスカベが乗っ取られるという恐怖。これは『ボディスナッチャー』やヴァンパイアものの翻案であろう。『遊星からの物体X』(ジョン=カーペンター監督)も入っている。
 身近なところから疑わなければならない恐怖。お母さんは本物なのか、幼稚園の先生はどうなのか……安堵の場所であるはずの家庭や幼稚園がクローン=ニセ者に支配されていたらという設定は子どもには怖すぎてあたりまえだろう。
 そして、マサオ君の疑問、僕は僕なのだろうか。これだ。アイデンティティである。
 しんちゃんのお父さんもスケベでセコいあたりが自己の存在証明になっていたし、しんちゃんらしさを検証するための下品さにも快哉を叫びそうになった。まさに、しんちゃん映画のアイデンティティである。
 そして、くだらない戦い。サンバ対決。サンバに必然性は無い。
 正義の秘密結社のお姉さんがビキニで出たとき、なぜビキニとの問いかけに「それは問答無用」というのも、潔くて良かった。さすがシンエイ動画。『ドラえもん』を作っているのと同じ会社とは思えないが、この辺のバランスが光と影のようで好きだ。
 方々でご指摘のように、お姉さんのTシャツに、「ツンデレ」と書いてあるのも良い。
 良いなあ。

関連作品
『映画 クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!大人帝国の逆襲』
『映画 クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶ夕日のカスカベボーイズ』
『クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ金矛の勇者』

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