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Bonbeeホームシアター 10万ヒット記念特別企画として、nobu97さんから、【電磁波って何なんだ?】レポートが届きました。例としてAC電源ケーブルによる電磁波放射量の違いを測定してみる、という企画があります。 僕自身、今まで、あまり気にしていなかった話題ですが、nobu97さんのレポートをとっかかりにして、音質アップに結びつけることができたら良いな、と考えています。まずは、以下のレポートをご覧ください。 (2002.09/03) |
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[Bonbeeホームシアター 10万ヒット記念特別企画] 情報提供 nobu97 【電磁波って何なんだ?】 電磁波については私も殆どと言って良いほどわかっていません。それ位、範囲が広いと思っていただければと思います。私も実際仕事等でほんとに極僅かかじっているだけなんです。 最近、オーディオ雑誌なども盛んに取り上げられます。特にDVDをプロジェクターで見る際に、3管式プロジェクタを使用するコアなAVユーザなどは、DVD専用機を使わず、パソコンを用いてプログレッシブ映像を出力するHTPC(ホームシアターPC)などが、話題になります。その際もやはり電磁波(ノイズ)対策をするのが良い等と言うのを目にします。 ちょっと、難しいですが、概念だけちょこっと・・・。 [電磁波とは?] 「電磁波」とは直交する電界と磁界の相互作用によって伝播する電気の波の総称で、 この中には太陽や宇宙より飛来するもの、地球上の自然現象として発生するもの、 人工的に作り出されて放送や通信に利用されているもの、副次的に発生するものなどがあるんですね。ちなみに例えば波長によって長波、超短波、マイクロ波、紫外線などに分類されています。 ラジオやテレビ、携帯電話などの放送や通信に使われるもの、いわゆる電波と呼ばれている部分などもそう。 これら全てが「電磁波」の仲間です。 金属など導電体を流れる電気を電流、空間を流れる電気を電磁波と言います。電流が流れている周辺には磁界が生じ、その磁界が電界を発生させて、電磁波として空間を伝わります。 オーディオ機器をはじめ電気によって動くもの、また電気の流れている送電線や電気軌道からも電磁波が発生しています。 [信号とノイズ] 信号 とは、互いに離れた場所で、一定の、光、電気などの符号を用いて、情報をやり取りする方法、またはその符号のことを言います。信号は電気的な信号を意味します。一般に電気的な信号には、電圧を使用することが多く、電流も使用されています。 アナログ信号では、電圧の大きさが信号であり、大きさの情報を表わします。 ディジタル信号も、アナログ信号である電圧を利用しています。しかし、ある決められた値よりも、大きいか小さいかによって、0か1かの2値情報を表わします。ということは、情報をやり取りする為に欲しい情報は「信号」、逆にそれを邪魔する物を「ノイズ」って考えれば良いんじゃないでしょうか。 今回は、広い意味での「電磁波」って言葉で捕らえたいと思います。 [電磁波にはどんな物が?] じゃオーディオ機器においての電磁波どう捕らえましょうと考えたときに、大きく二つのパターンが考えられます。 ・AV機器が電磁波により影響を受けることで、本来の機器設計者が意図してないノイズにより音が歪んでしまったり、もっと大きなノイズを受けると機器が誤動作すること。(言うなれば被害者) 被害者としてのノイズ耐性を、専門用語では妨害耐性(イミュニティ:immunity)と呼んでいます。 ・AV機器自身が電磁波を発生する事で他の機器や電源ラインに対して影響を与えてしまい、他の機器の音を歪ませたり、誤動作させてしまうこと。(言うなれば加害者) これを加害者として、専門用語では電磁妨害(EMI :electromagenetic interferrence)といいます。 実際には、機器自身が電磁波を発生させ、その電磁波を機器自身が受けて音の歪みや、誤動作なんてこともありますが、それは殆どのメーカーが設計の段階で色々検証し最低限動作は問題ないように作り込んでいると思います・・・たぶん。<でも安価な機器ほど足りないんですよねぇそれが・・・。 ですから、加害者も被害者も総合的にバランスをとって対策する必要があります。だって一方だけを幾ら頑張ったところでとてもじゃないけど電磁波は収まるとは思えないでしょ? これを、専門用語では電磁環境両立性(EMC : electromagnetic compatibility)といいます。 じゃ電磁波ってどういう経路で伝わったりするものなんでしょう。AV機器で分かりやすく考えれば、 ・ラインケーブルや電源ケーブル等を直接伝わるノイズ。 ・電気の導体は、アンテナ作用を持つので、それら電気の導体から電磁波を放射。 (逆にアンテナ作用により、電磁波の取り込みやります) ですから何らかの電磁波対策を考える場合は、まず加害者と被害者の関係。それから、ラインケーブルや電源ケーブルを直接伝わるノイズとアンテナ作用による電磁波の放射の関係を考慮して対策をやる必要があります。あまり難しい事を書きすぎちゃっても多分難しすぎるので(僕も判ってないし)この点だけ覚えてくれると良いです。 [電磁波対策のポイント] こんな単純ではないけど電磁波対策におけるポイントはじゃなに? 機器本体内部からのIC等からの放射が、その機器自体が影響しない、基板上のCPUやメモリー、トランジスタ等のICや電源線や信号線からの放射ノイズを減らすための工夫をする⇒例えば電磁波吸収材を使う事で少しでも放射を減らす。(ボンさんに差上げたバスターレイドみたいなものや、GC16) 機器内部の信号線や電源のシールド(アルミホイル巻き巻きなんかやってますよね)なんてのもそうですね。或いは、機器内部のハーネスはアンテナ作用が発生しやすいのでツイストペアになるように、ハーネスを拠り線にします。特にアンテナになっていると思われるハーネスとそれ以外のハーネスを束ねたりしないのもポイントです。機器の外にある他の機器へ影響させないよう、又他の機器からの電磁波で影響を受けないようにするために、筐体シールドをガッチリするために、接合部の接点を確実にする為のネジの増締めやガスケットやフィンガー等という接触子を使用するなども効果あると思います。 機器に接続されるAC電源ケーブルやラインケーブルから直接他へ影響させないように、フェライトコアを使ったり、電源タップにフィルター付きの物を使用する等。 他にもAC電源ケーブルやスピーカーケーブル、ラインケーブル等のとり回し。 <私の所なんてラックの裏はグチャグチャなのでかなりNGです・・少しだけ気を使ってはいますが。 本当は、機器内部の基板自体がノイズ発生の出発点です。まず、回路のすべての大元となる基準電位シグナルグラウンドの安定化が一番大切なのです。ですからコンデンサ、チップ抵抗、フィルタ等を用いてグラウンドの安定化と基板内の電源ラインの安定化の為の改造してやるのが本当のEMC対策なんですけど、、、例えば、基板のバイパスコンデンサ(パスコン)の見直しや、VCCラインの取り回しを変更したりね。というか基板がバンバンノイズ出してたらどうにもならないのですが、ただこれはちょっと難しいので判らない人は手を出さないほうが良い、、、かな?やっぱ。<当方、改造しようとして壊しちゃっても責任はもちませーん(笑)自己責任でどうぞ・・・。 というか、現実的には、基板改造しなくてもそれ以外の上記をやるだけでも随分効果はあるはずです。 [例としてAC電源ケーブルによる電磁波放射量の違いを測定してみる] 実は、ボンさんにAC電源ケーブルを何種類かお借りして、AC電源ケーブルそれぞれで放射ノイズに差があるのか、なんて実験をやってみました。さて、ケーブルによって放射される電磁波ってそんなに違うのかな? 今回の実験はあくまで結果で一つの事実です。それによる音の良し悪しなんて実際にはわかりませんし、測定しておいて言うのもなんですが、はっきり良いって視聴してそのケーブルが例えば音がよければそれでいいんだと思います。 ※写真とるの忘れていました。ボンさん写真添付しておいて!!(了解、ただ今調整中/ボン) [AC電源ケーブル比較対象の音の印象] ・普通の電源ACケーブル(これを基準にしてます) ・オヤイデ Li50OFC改AC(GC16をケーブル内に装着) ・プロジック スーパーアニール銅単線AC ・S/A LAB ハイエンドホース3.5AC ・AET ガイアAC <普通のACケーブル> すみません、これ音聞いてません。私のお勤めしている会社のとある製品に添付されている普通のケーブルです。 <オヤイデ Li50OFC改AC(GC16をケーブル内に装着)> うーん、実はこのケーブルかなり音が寂しかったんです。私自身もこのケーブル持ってますがレンジはそんなに広くは無いんですが、全体バランスも良く、高域もそれなりに伸びて艶やかだし、解像度も中高域ではまずますの筈だったのに・・・。とにかく音が寂しくて、しかもかなり情報が間引かれてる感じでした。解像度もあれ?こんなだっけ?と思わせるケーブルでした。特にボーカルがずいぶん引っ込んじゃってる印象です。 <プロジックスーパーアニール銅単線AC> 特段このケーブルも特徴が見られずでした。これは単純にPMCとの相性がいまいち?なのかもしれませんが、ただオヤイデほどバランスは崩れてないし、情報量も悪くないと思います。ちなみにF1印に接続すると非常にすっきりしすぎた印象です。ちなみにJIMMYのところでも同じです。なんだかねーーって感じでした。でも聴きやすいので、どんなソースでも そつなくは鳴らしそうです。 <S/A LAB ハイエンドホース3.5AC> これは、情報量や高域の伸びは凄いですね。輪郭もとにかく明瞭で解像度もすごいです。というか実際には以前、ボンさん自作のRCAラインケーブルでハイエンドホース3.5を聴いたことあるんですが、それと同じ傾向でした。とにかく情報ギンギンに詰め込んで、高域を延ばしてる感じはとてもいいんですが。ちょっと低域は締めすぎ硬すぎと感じます。PMCだと高域の粒立ちが全体の音を支配してるような感じです。まぁ、5分聞くには良いですが、PMCとの組み合わせではそれ以上は逆にキツイです。(何度もいいますが、これPMCと合わないだけですよ) <AET ガイアAC> このケーブル、、、。音を出した瞬間「ハッ」としました。横で一緒に聞いていたJIMMYも「オオッ〜」と私の方を向きます。とにかく出てきた瞬間から音が激変したのがわかります。音場の立体感や、奥行きが他のケーブルとぜんぜん違います。ボーカルの余韻も生々ししく、とても良い感じ。全体域のバランスも抜群で、低域もハイエンドホースほど締まりすぎず。機器を買えたぐらいの激変レベルです。これを聴いたあと、JIMMYがとても欲しがってました。。。というか、私も欲しいけどね、これ。 [実際に測定をやってみよう] 今回の測定には、電波暗室というものを使用しています。これは言うなれば電磁波が部屋の外に出なければ、もちろん中にも入ってこない特殊なシールドが成された試験専用の部屋です。ちなみにこの部屋に入って扉を閉じた瞬間、携帯電話のアンテナ受信レベルは即座に0になります。この室内には、機器から放射される電磁波を受け取るための専用のアンテナがたっていて、機器は部屋の中ほどにあるターンテーブルに設置します。測定が始まるとそのターンテーブルがグルグルとまわっちゃったりします。これを屋外に設置されるスペクトラルアナライザーでどれぐらいの放射電解強度か測定します。 [ACケーブル放射電界強度] <普通の電源ACケーブル>
![]() <オヤイデ Li50OFC改AC(GC16をケーブル内に装填)>
![]() <プロジック スーパーアニール銅単線AC>
![]() <S/A LAB ハイエンドホース3.5AC>
![]() <AET GAIA AC>
![]() [結果の考察] この結果で特に注目していただきたいのは、30MHz〜60MHz(電源に影響のある帯域で低い帯域ほど電源に影響があります。)ぐらいまでの低い帯域です。ほんとは30MHz以下もかなり大事なのですが、測定器の都合でそれ以下はスペクトラルアナライザーで確認した程度なんですが、、随分放射電界強度に変化があることがわかるかと思います。 これを測定する際に接続した機器は一般的なPC周辺機器なので、単純に普通のACケーブルの測定結果との比較で見ていただきたいのですが、実際随分異なっています。特に普通のACケーブルは30MHz近辺の一番電源に影響がある帯域で、ずいぶん大きな山が出来ています。これは、ちょっと悪いです。 次にオヤイデ Li50OFCのGC16装填バージョンなんですが、40MHz近辺に非常な大きな山を作ってます。私の勝手な推測なのですが、GC16を装填した事で、電源ケーブルが逆に40MHz帯域においてアンテナを作ってしまったことが推測されます。言うなれば逆効果になってしまったのでは、、と思われるわけです。音についても、非常にスカスカな音になってます。GC16装填によって音も電磁波においても悪い結果になった可能性があります。というか結果が一番悪いですね。うーむ プロジックの銅単線は比較的見た目波形がよくなっていますが、これにはわけがあります。銅単線でかなり、ケーブルが硬くてトグロを巻いてる状態だったので測定時に実は測定器がうまく放射電界強度を拾えなかったのでは?と推測します。何故なら、今回の測定には水平検波しかしておらず、水平に出ている放射電界強度の測定をやったのですが、このケーブルトグロを巻いていたため、垂直方向で測定したら随分高いレベルになったのではないかと思います。(ごめんなさい、時間的な余裕があまり無い為垂直検波取れませんでした)。もしかしたら垂直でもあんまり出てない可能性もあるんだけどね・・・。 次にハイエンドホース3.5ですが、これまでのケーブルに比べるとかなり落ち着いている印象です。標準ケーブルやオヤイデのLi50と比べたら一目瞭然ですが、30MHzにも殆ど山がないし、40MHzもずいぶん落ち着いてます。ただ、60MHz近辺で少し大目ですが、それでも比較的良好な結果と言えるでしょう。 最後はAETのGAIAですが、30〜60MHzすべての帯域において放射電界強度が落ち着いてます。無理にノイズを押さえ込んでいる感じも特に無いようで、一番今回の測定で良好な結果を示しました。これはどうしてなんでしょうかね、、私もわかりませんが、話によるとケーブルの外皮膜(NBシールド)に電磁波対策したものを使用しているというのも影響していると思います。値段も高いだけあってこの辺の対策も良く練られているのでしょうか。 このあと、全てのケーブルをスペアナとマグネットプローブ(ケーブルに直接触れる測定器)にて30KHz〜100MHz以下の帯域でも直接どれぐらいノイズが出てるかもちょっと確認してみました。 ※すみません測定データの保存が出来なかったので私の感想だけ・・・。 で、やはりというか30MHz以下の帯域だと、標準ケーブルがグーーーンとノイズ出しまくってます(笑)、放射測定のときに30MHz近辺に盛り上がりがあったので想像はしていましたが、その下の30MHz以下も随分だしてます。ちなみに、放射電界測定ではあまりノイズが出てないように見られたプロジックの単線も、マグネットプローブで直接確認すると、やはり全帯域で随分ノイズを出していました。ハイエンドホースはまずまず落ち着いた感じでした。しかしその中でやはり優秀だったのが、AET GAIAです。明らかに他のケーブルとは異なっており全帯域において非常に落ち着いた波形でした。 これら結果から、明らかに、ハイエンドホースとGAIAだけが放射電界が少なく、特にGAIAにおいては測定した、私やJIMMYも驚いた結果でした。この辺は音質にも影響しているとするならば、正しいノイズ対策は有効であると考える事が出来ます。(オヤイデケーブルはある意味失敗のような気がします) 以上、今までにない実験でしたが、皆さんはどう受け取りましたか?これはあくまで一つの事実です。 |