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例えば、「反抗期に反抗する」という行為について。 「今日さぁ、何かぁ、だりぃし、先公、ちょーむかつくしぃ、トンズラすっか。 あー、自由ってどこにあんだべ」・・・って、 あれは、小学生の時だった。俺の学校では給食の時間、昼の放送が流れていた。各クラス から選ばれた放送委員の連中が、当時のヒット曲をかけたり、なぞなぞをやったり、朗読したり と、子供ながらに毎回趣向をこらして、食事をしている俺達に心地よいBGM・・・校内放送を流 してくれていた。 そんなある日の校内放送は「ノド自慢大会」で、放送室に数人が集まって、思い思いにアカペ ラで唄っていたのだ。「次は、Drスランプあられちゃんを歌います」とかね。微笑ましい昼のひと ときであった。「くだらないな放送だな」と飽きかけたころ、 突然、荒い鼻息がマイクを通して、アンプを通して、スピーカーを通じて、 学校中に響き渡った。 「え、えっーと、○年○組、△※■☆でーす!」と男3人(たぶん)が自己紹介を始めた。 「あぁ、こいつらが次を歌うのか。うるさそうだな・・・」と、クールな俺は牛乳のキャップをはず し、パンを一切れ口に含んでから牛乳を飲み、放送を聴いていた。 「それじゃ、一週間の歌、唄いまーす!」 と、ロシア民謡の『月曜日は市場へ出かけ〜』のメロディーで、破壊的なアカペラ三重奏が始 まった! 月曜日はゲンコツもらい〜 火曜日は母ちゃんなぐり〜 水曜日はスカートめくり〜 木曜日は盲腸切られ〜 金曜日はキンタマ蹴られ〜 土曜日はドロドロうんこ〜 日曜日はニンニク食って〜 腹を壊して死んじゃった〜 彼らが唄い終わる直前に「何やってんだ〜!(怒)」という怒涛の 叫び声がスピーカーの後ろのほうから聴こえてきた。職員室から放送室まで走って1分というと ころだろう。 俺は、感動に打ち震えていた。当時はロック夜明け前。ロックを知らない子供であった。だ が、うまく言葉に出来ないけれども、居ても立ってもいられないような衝動に駆られたのだ。 あれから25年が経つ。 未だに「一週間の歌(替え歌バージョン)」を俺の頭から消し去ることは出来ない。
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