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わたしが感動した映画の台詞−@ 「そうね、PR関係のお仕事よ。」 〜 ローマの休日 〜 |
= Public Relationsとは、かくも高貴な、王室のお仕事でもあった =
ローマ訪問中の某国の王女は退屈な公式行事に嫌気がさし、屋敷を抜け出す。無邪気な王女に偶然出くわしたアメリカの新聞記者は、一世一代のスクープチャンスに胸を踊らせる。王女と知っていながら「君のお父様はどんな仕事をしているの?」とわざと意地悪く聞く記者に、少し考えた後、王女はこう答える。「そうね、PR関係のお仕事よ。」「ふーん、難しそうなお仕事だね」と、もったいぶった深刻そうな表情で記者は頷く。現代の王様の仕事はPublic Relationsなのかと、そしてまたPRとは、そんな高貴な仕事でもあるのか、と再認識した台詞。
ローマの休日
1953年 アメリカ制作・監督/ウィリアム・ワイラー
出演/オードリー・ヘップバーン、グレゴリー・ペッグ
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わたしが感動した映画の台詞−A 「お友達に逢っちゃったのよ!」 〜 スター・ウォーズ 〜 |
= こんな状況でもジョークを言い放ち、聞き流すアメリカ文化の凄さ =
敵の要塞の中を銃撃戦を繰り広げながら逃げるハン・ソロとチューバッカ。しかし、二手に分かれた一方のルークとレイア姫が約束した場所になかなか来ない。ようやく追手をまきながら現れた二人をハン・ソロは怒鳴りつける。「何やってんだ!遅いじゃねえか!」レイア姫は表情一つ変えずにこう言い返した。「お友達に逢っちゃったのよ!」ハン・ソロはノーリアクション。一行は追手に銃撃を浴びせながら宇宙船に向かうのだった。
スター・ウォーズ
1977年 アメリカ監督/ジョージルーカス
出演/マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、アレック・ギネス
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わたしが感動した映画の台詞−B 「あなた、でしたのね?」 〜 街の灯 〜 |
= 手を握り、見つめあう二人の間で時は止まり、我々は「永遠」を見る =
盲目だった花売り娘は、自分の目を治してくれた紳士の姿は知らない。しかし、その手の感触は一生忘れず覚えている。目が見えるようになり、いつ現れるかと心待ちにしていた紳士は、実は目の前で子供たちに突っつかれていた哀れな浮浪者だった。哀れみからお金を恵んであげようと手渡した彼女の手はそのことを彼女自身に告げた。「あなた、でしたのね?」と娘、「見えるようになったんだね」と、心から嬉しそうに彼女の瞳を覗き込む男。この先、どうなるんだろう? いや、どうにもなりはしない。ここで時は止まるのだ。永遠は、ここにある。
街の灯
1931年 アメリカ 86分 モノクロ・無声映画監督・主演/チャールズ・チャップリン 出演/ヴァージニア・チェリル
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わたしが感動した映画の台詞−C 「あら、まあきれいな椿!」 〜 椿三十郎 〜 |
= 命懸けの救出劇の合図はあでやかな椿の花、日本の「風流」ここにあり =
お家騒動で囚われの身となった家老を救うべく立ち上がったオッチョコチョイの若侍達。「見ちゃおれねえ」と助っ人になる素浪人を見て、家老の奥方は「あなたは抜き身の刀みたいね。でも本当に良い刀は、ちゃんと鞘に入っているものですよ」と諭す。「少し足りねえんだろ」と悪口を叩きながらも大家の奥方の風格に敬意を表す三十郎。クライマックスは、敵のアジトの隣屋敷で待機する若侍達に出撃の合図として庭を横切る小川に一気に落とす椿の花。花で染まった真紅のせせらぎを指差し、家老の娘が歓声を上げる。「お母様見て!きれいだこと」「あら、まあきれいな椿」。殺気立つシーンにあでやかな椿、おおらかで穏やかな女性の声、これぞ日本文化だ風流だ。STAR WARSに負けねえぞ!
椿三十郎
1962年 日本製作/東宝、黒澤プロダクション 98分 白黒
出演/三船敏郎、仲代達矢、加山雄三、団令子、志村喬、入江たか子
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わたしが感動した映画の台詞−D 「イタリア万歳!」 〜 フェリーニのアマルコルド 〜 |
= 人心であり国土であり文化である自分の国を「万歳!」と叫べる幸せ =
フェリーニの映画をたくさん見たわけではないが、この映画と「女の都」で、「VIVA! ITALIA!(イタリア万歳!)」と叫ぶシーンを見た。この映画では、港に人々が集まりボートに分乗して夜を迎える。何をしているのだろう?と思っていると、闇の中にイタリアが誇る豪華客船が出現する。まばゆいばかりの電飾に人々は涙を流し、ちぎれんばかりに手を振りながら口々にこう叫ぶ。「イタリア万歳!」嗚呼、我々がフツーの映画の中で「日本万歳!」などと純粋に、そして自然に叫べる日は来るのだろうか.そしてそれはいつの事なのだろうか。
フェリーニのアマルコルド
1974年 イタリア監督/フェデリコ・フェリーニ
出演/プペラ・マッジョ、マガリ・ノエル
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わたしが感動した映画の台詞−E 「.......」 〜 ベン・ハー 〜 |
= 見えない顔、言葉を発しない沈黙が示す、畏怖と威厳 =
奴隷として鎖につながれた主人公のベン・ハー。炎天下を強行軍の上、ようやくある町に辿り着く。喉が渇いて死にそうな奴隷達を哀れんで次々に井戸の水を柄杓で差し出す町人達。しかし残忍なローマ兵士は「そいつにはやるな!」と鞭をふるう。絶望に命の希望も投げだそうとしたベン・ハーに、一人の若い男が静かに柄杓を差し出す。その男に兵士は大声を上げる。「そいつにはやるなと言っただろう!」しかし、男は微動だにしない。「こら、聞こえんのか」ともの凄い形相で鞭を振るおうとしていた兵士に、振り向きながら静かに立ち上がるその男は一言も発しない。しかし、兵士は男の顔を見た途端、怒りの感情を失う。自分でも訳が分からず戸惑いながら何度も怒りを奮い起こそうとするものの、ついには諦め背を向けて出発を告げる。かくして主人公は命の水を得る。イエス役の人物は顔も見せず、言葉も発しない。そのうしろ姿と沈黙の重み。
ベン・ハー
1959年 アメリカ監督/ウイリアム・ワイラー
出演/チャールトン・ヘストン、スティーヴン・ボイド、ジャック・ホーキンス