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- 君の幽霊 -

 
 昨日君の幽霊を見た

 真夜中の窓の外で
 風に吹かれ

 その風に吹かれるたびに君は

その半透明な身体を
風の形に合わせて変化させ
 疑問符みたいになったり
 アルファベッドの”A”みたいになったりした

 不気味と言えば不気味だが
 とても君らしくて

 きっとあの世でも
 ムチャクチャやってるんだろうなぁって思うと
僕はこの世に怖いものなんかないんだって
気持ちになる

 君はあの世でも規格をはみだして
 元気にやってるんだな

 今度、青い空の下で会おう
 幽霊に青い空は似合わないけど
 君は別だ

 今度、青い空の下で
 やわらかい女でも抱こうぜ




- YES -

僕等は青空を笑い
 雨を笑い 
風を笑う
 夜明けの静けさを笑い
 真夜中の暗さを笑う
 
僕等はSEXを笑い
サドを笑い
マゾを笑う

僕等は愛を笑い
ホモを笑い
レズを笑う

時間を笑い
感情を笑い
アスファルトを笑い
地平線を笑う
有機物を無機物を笑い
生まれたての赤ん坊を笑い
死にかけてる奴を笑う

 天国から
 地獄の果てまで
 笑いきって
 そして
 さよならだ




- 美しい世界 -

夕暮れはオイル
キリのない欲望に軋む
地球の回転を助ける


清らかさは空に昇った
夢の溢れる
神話を語りに


光のオーケストラ
希望を歌おうと
指揮棒を振る
黄金の太陽

風は
一日中
働き続けた
何の見返りも求めず
木々で奏で
種子を運び
電気を作り
洗濯物を乾かした

そうだ
ボクは生きているのだ
こんなに美しい世界の
お腹の中で




- 誕生日 -

 箱の中から光が漏れてる
 赤いリボンは引きちぎられそう
 暖かいよ 
この光は 
黄金だ
 
 今日、十二歳になったサディーは
 くしゃみでみんなの気を引くから
 ママが三時から作り始めていた
 夕食の鶏肉が台無しだ

 笑おうよ 
みんなで
 祈ろうよ
幸せを
 
 みんなが明るく笑えるように
 僕等は教育を受けてきたのではないのか

 ジリジリと熱い太陽に感謝する為に
 宗教があるのではないか

 強い者こそ優しくなれ
 自由の者こそ穏やかであれ

 麦の実る秋には
 世界が幸せでありますように

1年後の今日も
サディーが笑ってますように




- まだ見ぬ君へ -

 どんなに寂しい夜も
 黒い空の向こう
 朝日は昇る
 大切なのは
 もっとしっかり目をこらす事
 
 頼りない未来のボクの
 尻を叩く
 
 今夜静かに灯をともす
 暗い夜を薄める灯
 近い将来 
ボクは君に出会うだろう
 その時には愛を
 今夜の灯で照らそう




- 赤ちゃん -

 ゆりかごの中で
 手を叩く
 開いたつぼみに
 幸せあれ

 裸のままで
 チョモランマよりも高いトコロから
 キミはやって来た

 ポラロイドにキミを写すなんて
 それすらもう
神への冒涜になるのではないかなんて
 神様を 
たまにしか信じないボクが言うのも
 おかしな話しだけど
 キミを見ていると
 神様を信じずにはいられない
 輝きがあるから
 キミに触れるのも
 ボクには神聖な儀式なのだ




- 夜は静か -

夜は静か
星が奏でる
銀の音色

夜は静か
鳥達はもう
森へ帰った

夜は静か
薔薇の園は
匂いだけ残し
色を消した

夜は静か
キミの顔は
心の奥
あの熱い8月の中

キミの事を考えながら
デザートを月の光の下で食べる
銀のスプーンと薄い陶器が
ぶつかる音が星になる
誰にも見える
星になる

夜は静か
星は巡る
キミが暮らす
遠い国まで




- 夏 -

雷雨を越えて
夏がやって来た

自動販売機には
虫が集まり
アスファルトの照り返しが
ボクの歯を乾かす

国道沿いの熱風が
歩道を低く這いまわり
可愛い女の子の
スカートをめくる

今年の夏もきっと熱いぞ
予感ですでにはちきれそうだ

夕方になれば
魔法のように雨が降り
誰かの窓の隙間から
下手なピアノが聞こえてくる

雷雨を越えて
夏がやって来た
犬の口も半開きだ



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