
zebrahead●JURASSIC・5●Cypress Hill
SIX BY SEVEN●THIRD EYE BLIND●SOULFLY
SKUNK ANANSIE●Scritti Politti●Jungle brothers
Sunny Day Real Estate
Sunny Day Real Estate / The
Rising Tide
”エモコア”というジャンルほどあいまいな分け方はないでしょう。ボーカルのスタイルに特徴
があり、コアなサウンドでありながら繊細でエモ−ショナルなものを指すようですが、これではまるで
エモコアに分類されなかったらボーカルが感情的に感じられないみたいですよね。ハードコアは
どうなるの?みたいな。まあ、理屈は抜きにしてこのアルバムは生粋のエモコアです。(どないや。)
昔は今のスタイルとは違い、グランジの新星として期待されかの有名な”サブ・ポップ”と契約を
交わしている。しかし、その後花をさかすことなく2枚のアルバムを残し、バンドはいったん解散している。
解散してからはメンバーのウィリアムとネイトがあの大物バンドFoo
Fightersのオリジナルメンバーとして
活躍し、ウィリアムが戻ってきた時点でバンドを再び活動させている。新たなBMG傘下のレーベルのもとで
出されたのがこのアルバムという過程となる。ジワジワと評価を得て、最終的に日本盤発売にまで至ると。
イントロのドドドド・・・と徐々に姿を現すドラム音が聞え始めた途端、荒波のようなうねりをみせるギター。
脳をダイレクトに刺激するようなファルセットボイス。そこには美しき繊細さと強靭な破壊力が見事に調和された
世界が奇跡的に存在する。圧倒的なサウンドの強度と柔軟性のあるきようさでもって押し進むヘヴィロック
バンドとは全くもって正反対に位置付けされるようなバンドであろう。聖なる力すら漂わす美しきジェレミーの
歌声は冷たく響き渡り、魂すら呼び起こす勢いである。静と動のメリハリがはっきりしていて上手く流れを
作ることによって果てしなく世界観が広がりを見せる。更にストリングスなどのアレンジが入るともう神の領域
に突入寸前。まるでギリシャ神話の世界にでも迷い込んだようです。ボーカルのジェレミー曰く、だれもが
泣けるような美しいアルバムを作りたいと願っていたようですが、そんなコンセプトが実際に”エモコアの名盤”
と賞されることに起因したのでしょうね。とにかく美しい。断然美しい。できれば”エモコア”というジャンルに
など押し込めたくないね。聴けば聴くほど味が染み込む、私は聴いてるうちになんだかロックというより
このアルバムはクラシックなのではと思せるほど、美しさとスケール感においては一級品。捨て曲など一切なし。
これから更なる評価を勝ち取ることができるか。アルバムが出てからは大分経過してますが、まだまだ期待大です。
zebrahead / PLAYMATE OF THE YEAR
前作”WASTE OF MINE”が日本で無名かつデビューアルバムでありながら異例の
5万枚の売上を叩き出したゼブラヘッドのメジャー2作目。私がこのバンドを知ったのは約2年前
の”WASTE OF MINE”が発売されていた時で、CDと一緒に揃えられていたPOPSに
”ビースティー+グリーン・デイ+レッチリ+311+レイジのような音”と魅力的な文章が書かれてあった
ので聴いてみることにし、それ以来私のデッキから流れっぱなしであります。
当時の無名な時から知っている私は今作のこの大プッシュ振りと5万枚もの好セールスを叩き出した
という事実ははなはだ驚くばかりです。まあ、ちょっと先取った気分で嬉しかったりしますが。
今作は前作以上にキャッチ−でポップな仕上がりになっており、オフスプリングの”Americana",
ノー・ダウトなどの音に近いような感じです。HIPHOP色が少し薄まりパンク・ロック色が濃くなって、
その分サビのメロディアスさは強烈にツボにはまるし、時々現れるキーボードが全体をポップ色に
染めていきます。だからと言って軽すぎることなくハードさヘヴィさもきっちりおさえてあり、
スマートでスピーディーなラップもまだまだ健在中。これら総体的なバランスの良さがミクスチャーバンド
ゼブラヘッドの特徴でしょうね。キャッチ−さヘヴィさスピーディーさハードさがきっちり曲の中で
整理整頓されていると言いますか。”最近流行のヘヴィ・ロックはテンションは好きやけどちょっと
重すぎるかな・・・”と思ってしまう方は是非このアルバムを聴いて気分爽快になって欲しい。
夏のドライブに聴くのは浜崎あゆみでも倉木麻衣でもありません。このゼブラヘッドです!!
JURASSIC・5 /
QUALITY CONTROL
LAアンダーグラウンド・シーンの最重要グループで、彼等ほどデビューアルバムが待たれる
つまり、期待されているグループは他に無いであろう。間違いなく。デビューアルバムにして
クラシック入り確定!チャーリー・ツナ、ザキール、アキール、マーク7の4人のMCにニューマーク、
カット・ケミストの2人のDJで構成される超ファンキーな野郎ども。その名はジュラシック・5。
すっかり商業的になってしまったHIPHOPシーンをもう一度リセットし、新しいスタイルを
オールドスクールとミックスさせて熟成させ、堂々とした足取りでメジャーシーンに真っ向勝負をかける
強者。それだけの卓越したスキルと根強いファンはもう所有しているからね。まず他の世に溢れる
HIPHOPと何処が違うのか?まず1つは非常に肩の力の抜けたスムーズな4MCのラップ。
そして時に織り成すハーモニーなコーラスラップが生のパーティー感覚を喚起させる。2つ目は
2人のDJによる超ファンキーなトラック。きっとラップがのってなくてもサウンドだけで楽しめそうな、
または聴いてる本人が思わずラップを入れたくなるような(これは言い過ぎかな)生の楽しさがダイレクト
に伝わってくる。すぐそこで観客の歓喜の声が聞こえてきそうなほど温かく、我々リスナーと距離の無い
アルバムだろう。外に出ればすぐ味わう事の出来る享楽性というか、安上がりで得られる心地良い楽しさ
を大量に摂取できる。そこには金や暴力といったもののイメージは無い。
のっけから超ファンキーなトラックにコンスタントに放たれる4MCが最高のA、温かく深みのあるブルース
系サックスのループに速めのラップがはまってるB、生のパーティー感覚をもろに出しているトラックに
ハーモニーなラップが心地良いD、1分15秒が異常に短く感じてしまうほど我々をエンターテインする
スクラッチプレイのE、多彩な音が盛り込まれているトラックでジャングルに迷い込んだ感覚に陥るH、
唯一ダークさが光るドープなナンバーJ、”ザ・ゲーム”というタイトルどおり遊び心溢れるスポーティーなL、
ココまで自然体で作られた音楽はHIPHOPとかいうのを抜きにして、単純に素晴らしい事だと胸を打つね。
Cypress Hill / Skull & Bones
前作から1年半が経ち、また例の骸骨のジャケットが店頭に並ぶ事になった。サイプレス・ヒルの
5作目となる新作が完成された。今回はセン・ドッグのロックサウンドとの融合が形となり、前半は従来
通りのHIPHOPの曲である”SKULL”の部分と、後半はロックサウンドとの融合を示す曲(いわゆるミクスチャー)
である”BONES”の二部構成になっている。昔からロックグループとの共演はたびたび行われており、
今回初めてオリジナルのアルバムの中にクレジットされている。セン・ドッグも別プロジェクトとしてソロで
SX−10というミクスチャーのバンドを形成してるので今後益々ハードコアな道へ傾倒して行くことでしょう。
しかし元来のHIPHOPの方も確実にレベルアップしておりスリリングなサウンド展開から稲妻のごとく飛び交う
ライムは相変わらず凄まじい。サイプレス・ヒル独特のダークさはより強大に膨れ上がり曲全体を大きく包み込んでいる。
これからも積極的に様々なロックグループとコラボレイトし想像もつかないような斬新な曲を作って我々を楽しましておくれ。
SIX BY SEVEN /
THE CLOSER YOU GET
最近のUKロックシーンは廃れていると言われている。私はそうは思わないのだがどうも
同系のロックバンドが排出され過ぎているような気がするのは否めない。どのバンドもかなり
抽象的な言葉になるがUK臭さと言う物を感じてしまう。そんな中異彩を放つ新星がコイツラ、
シックスバイセブンである。フレイミング・リップスなどと通じるサイケデリックなバンドであるのだが
他のサイケバンドと違うところは圧倒的な底の方から感じ取れるふつふつと煮えたぎる熱きパワー
である。密かにパンクも好んで聴くというバンドの趣味性も要因となっているのだろうが、そんな事では
かたずけたくないほどの自然発生したエネルギーが放出されている。これぞロック、いや、ロックンロールなんだろうな。
THIRD EYE BLIND /
BLUE
前作のファーストアルバムが世界中で400万枚も売れ、日本でもFMでシングル曲の
”セミ・チャームド・ライフ”がバンバン流れていたあのサード・アイ・ブラインドのセカンドアルバム
が2年ぶりにドロップされた。ロックのダイナミズムを醸し出しながらもポップな感覚を漂わす事が出来る
彼らだが今回はスケールアップし幅広い作りとなっている。前作に比べてヘヴィな楽曲が増えより
ロックの方向に進んだ感じがある。このバンドの特徴とも言えるメロウなサウンドとコーラスは今回でも
失われておらずその辺の真摯さは楽曲が変化しても自然と染み付いているようだ。2作目にして
このスケール感のあるロックをならせるバンドはU.Kではマンサン、U.Sではこいつらというとこかな。
zebrahead / waste of mind
「ハードコアの聖地」オレンジ・カウンティで結成されたミクスチャーの期待の星ゼブラ
ヘッドのデビュー作。メロコア・ハードコア・ファンク・ヒップホップを全て匂わしつつ
どれにも属していないこいつら。でもめちゃめちゃキャッチーで聴きやすいアルバムである
ミクスチャーと聞くとちょっと癖のあるサウンドを想像するが、そういった概念をこの
アルバムは根底から覆している。言ってみればポップでもありヘヴィーでもある不思議な
サウンドである。大衆性のあるミクスチャーとでも言いましょうか。マジでこのアルバム
は飽きが来ない!是非お勧め!
SOULFLY / SOULFLY
元セパルトゥラのボーカルであるマックス・カヴァレラが結成したヘヴィーロックバンド。
絶叫に継ぐ絶叫!メタル・スラッシュ系のどすの利いた音のベースにブラジルの民族的な
音楽で色づけしたようなサウンド。悲しみ、怒り、苦しみなどの感情がしゅんぱつ的に飛び
出しマグマのように煮えたぎっている。聴きこむうちに魂が浄化されていきそう。とのかく
激しいのが聞きたけりゃこれを聞けって事です。本当に。お勧めは3曲目。ブチ切れ過ぎて
歌っている間に血管切れるんちゃうかと心配しそうなナンバーです。(ん?これは勧めてん
のか?)ただこのアルバム全部聞くにはちーとしんどいかも。頭に血が上りそう。
Cypress
hill / W
アンダーグラウンドな感じのジャケットが良い感じのサイプレス・ヒルの4枚目のアルバム。
常に悪役を演じている彼らの一貫したブラックなテイストがすごく好きである。ダークに
鳴り響くメロディーにヘヴィーでブラックなライムが絶妙のタイミングで乗っかっている。
スピード感のあるA、Hやメキシカンなテイストをメロディーに加えた斬新なナンバーIは
もうたまりません。やっぱりヒップホップはR&Bよりな曲よりこいつらみたいに攻撃的で
ヘヴィーなものがかっこいい。これぞヒップホップだな。
SKUNK ANANSIE /
POST ORGASMIC CHILL
U.Kのへヴィロックバンド・スカンクアナンシーの3枚目となるアルバム。大地を揺るがす
躍動感たっぷりのボーカルが特徴的。もう気合の入り方が違う。なんてったてボーカルが
スキンヘッドやもんなー(ちなみにボーカルは女性です。)こうなりゃもう女性か男性
なのか関係ない。性別を超えたボーカルの存在感があり、その迫力は激情の轟音とでも
言おうか、激しさを超越して美しき聖なる領域まで達してしまった感じだ。また、
忘れてはならないのはその彼女のボーカルをより引き立たせているバックのバンド達である。
その力がバンドとしての組織的な結合を生み、彼らをU.Kのベストライブアクトと仕立て
上げたんだろう。女性をボーカルとしながらココまでロックバンドとして機能しているバンド
は本当に少ないと思う。こりゃ貴重なバンドですよ。このアルバムは正直お勧め度高し。
Scritti Politti / Anomie
& Bonhomie
前作から11年の月日が経ちようやく出されたスクリッティ・ポリッティの新作。私はこのアルバムから
この人を初めて知ったのだが、前作を聴いてファンになった人は一体どんな思いでこのアルバム
を待っていたのだろうか?おそらくファンの半分ぐらいは引退したものと思いこみ忘れていただろう。
しかし、堂々と音楽業界へ帰ってきた。女性ラッパーであるモス・デフが参加しヒップホップ色の曲
が多数入っている。何が良いかって声が良い!彼の透き通った声を生かしたスイートなバラードは
洗い立てのシーツが脳によぎるほど真っさらで清潔感がある。正に歌うために生まれてきた男と
いえるだろう。それにしても11年間も仕事せずに生活できるなんて・・・・幸せ者めっ!
Jungle brothers / V.I.P
前作でHIPHOPの限界を彼ら独自の手法により引き伸ばしてくれたジャングル・ブラザーズ
の5作目。今回は共にHIPHOPだと豪語するプロペラ・ヘッズのアレックス・ギフォードを
プロデューサーに迎えさらにHIPHOPに対する情熱が深まった模様。彼ら曰く今回のアルバム
はパーティーミュージックらしくファンク色を強めたみたい。そう言われてみると盛り上がるところ
とクールダウンするところの強弱のつけ方が意図的な感じがする。本当に自由気ままにジャンル
の垣根なく作っていて盛り上がるものは何でも取り入れるところが素敵。