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第六話「田方の時間」
「なんてことだ!!私が見えているのはともかく、こいつ!
私の仕事を無駄にしやがった!!」
このセリフを言ったのは具体名は不明。
だが呼び名を付けないと何かと不便なので、今のところは、山田太郎と呼んでおく。
「私の名前は田方和時。年齢34歳のしがない公務員さ。
人前で独り言のように語るのは恥ずかしくはないが
時間を無駄にすることは別だ。生物としてやっちゃぁいけない基本的マナーだ。
人間は特におかしい。余暇という『余った時間』という言葉を作り出している。
今、私がやっていることはまったく時間の無駄だ。
一秒でもはやく、有意義な時間に戻りたいところだ。
ここで、私が母体がいないデットマンから逃げることは簡単だが、
君は私の顔を見ている。しかも、顔や言葉からすると、私に恨みを持ちそうだ。
もしかしたら仲間もいるのかもしれない。
ここはひとつ、君を『殺して』から去ることにしよう。
フフ・・幽霊を殺すというのもおかしいがな」
このセリフを言ったのは、・・・セリフにもあるとおり田方。
ついでに、山田太郎という仮名になっていた男の説明もあったようだ。
デットマンというらしい。なので、これからはデットマンと呼んでいく。
デットマンは田方を睨んだ。第五話から軽く流し読んでいればわかるがそれなりの睨む理由がある。
「・・・私が見えるということは、貴様にはデットマンが憑いてるということ!
姿、見せてもらおうか・・・」
・・・辺りの空気が張りつめる。
なるほど、デットマンとは・・英語のDeadmanから来ているらしい。
死んだ人間と言った意味か。それが『憑いてる』ということは・・いわば背後霊と言ったところだろう。
「ふふ、いいのかい?そんなこと言って。聞くところ、君たちデットマンは
私たちのような生身の人間の力を借りないと力が激減するそうじゃないか」
「・・・つべこべ言わず、かかって来いよ・・・」
デットマンは懐から『パチンコ玉』を取り出し、田方めがけて発射させた。
「こういうときのため・・以前訪問した幽霊屋敷で『幽霊のパチンコ玉』をくすねておいて
本当に良かったと思うよ・・なにせ、普通のパチンコ玉じゃ幽霊の私が持っていれば
いくら懐に隠していたって透けて見えてしまうからな」
田方は飛び道具の使用は考えていなかったらしく、手で、頭など急所をかばう程度の防御しかできないようだ。
デットマンのセリフから憶測するに、デットマンが取り出したこの『パチンコ玉』は普通のパチンコ玉ではく、
幽霊のパチンコ玉(?)らしい。
しかし、もちろん田方は、たかがパチンコ玉で攻撃されて即死するようなヤワな肉体では無い・・はず。
「接触爆弾だ。この至近距離じゃ力が弱くても関係ないだろ」
爆弾?パチンコ玉では無かったのだろうか。幽霊のパチンコ玉という新種の爆弾なのか?
「むぅ!?」
田方が雄叫びを上げた瞬間、『パチンコ玉』が田方に当たり急所をかばっていた腕が吹っ飛ぶ。
「おぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉおぉぉぉおぉ!!!!!」
「貴様、ただの能書き垂れるガキだな・・。デットマンも見せずに俺を勝とうなどど・・・」
・・・・っと、その時だった。
デットマンは田方から目をそらしてはいなかった。一瞬たりとも。
だが。だが!!
デットマンが放った『パチンコ玉』が吹っ飛ばしたはずの田方の腕は・・・元通りになっていた・・・
まるで、爆発などしていなかったように。
「ば・・ば、かな・・・」
田方は悠然とデットマンに近づきつつ言い放つ。
「ふふ、これが私の能力だ・・・」
・・・デットマンは殺された。
第七話「ダウジング その1」
さて、まぁ話の区切りだったから大袈裟に恐怖を演じてみたんだが・・・
だいたい、偶然落ちていたカードであそこまで感情が出るってのもおかしいもんだ。
いかに作者が物語構成能力に欠けているかがわかる話だった。
まぁ、そんな愚痴はこれぐらいにして、重要なことがあった。
とりあえず僕は文房具を買った。
問題はその後の帰り道の出来事だ。とても重要なんだ、ここが。
帰り道、やっぱチャリで来れば良かったと一人思いながら歩いていると
変な奴がいたんだ。すごく変な奴だった・・・。
街中で『ダウジング』してる奴がいたんだ。
知ってるかい?『ダウジング』を。
なんていうかな、ほら、針金をL字型に曲げて奴を利用して地下に埋まってる金属を当てるって奴だ。
以前、ドラえもんの単行本で読んだから知っている。
その『ダウジング』を街中で一人している人間がいたんだ。
思わず吹き出しそうになった。
しかもその人間、男なんだが「今まさに戦争して来ました」って感じの服を着ていたんだ。
迷彩服で泥やら何やらで汚れていて。
おぃおぃ、こんな所で戦争か。ご苦労様、・・ププッ。
口に出すのを我慢しながら俺はその場を過ぎ去ろうとした。
だが、その時、迷彩服の男が言ったんだ。
「動くな!地雷が埋まっている!」
・・・駄目だ、こいつは面白すぎる(笑)
どうしようか、病院にでも連れて行ってやった方がいいのだがろうが、
あいにくそんなに暇でも無いので、無視をして歩いたんだ。
「そこの少年、危ないんだ。ここは。聞いてないのか?
君の5メートル先に地雷をさっき見つけたんだ」
つっかかる男だ。そんな嘘バレバレなことを・・・。
きっと、一人孤独だから誰かに構ってもらいたいんだろう、泣けてくる。
しょうがない、少し付き合おうかな。
・・・そう思ったんだ。
今、思えば・・ここで付き合っておいて良かったと思ってる。
・・なぜかって?
埋まってたからさ。・・・地雷が。
この街中に。