赤間の日記
10/1 金曜日
今日も浅黄さんは冷たかった。
生きていくのに支障がなければいいという考えは楽だ。
浅黄さんに冷たくされてボクは悲しい。しかし、なにか現実味がない。
なんだろう……今ひとつ、心の奥までこない。
辺りを見回してもそうだった。
明るい空・いい風。全部が理想の姿で…現実味が無いような。
昔…たしか、小2の頃だったかな…………。
自分以外が幻のように感じて…いきなり消えてしまったらどうしよう?
そう思ったあのころの様。そんな風景。
秋が近づいているんですね。
10/2 土曜日
土曜日というのは特に現実味がない気がする。
明るい太陽の下、町中を歩くことなど平日はないからだろうか。
気が付けば昨日、一昨日から何か気分が楽だ。
なにかに包まれているかのように、暖かで穏やかで。
今は何も感じない。
穏やかだ………。
10/3 日曜日
人は見かけによらない。そうでしょうか?ボクはそうだと思います。
ボクにとってその良い例が阿部です。
あれだけ化けられるとは思いもしなかったのですから…………。
佐久間さんに対してもそうでした。最初は、as it were 遊んでいる女子高生だと思っていました。
…人を見る目がないのですかね。
それを含めても、人間というのは分からないものを分かる部分からの想像だけで
"こういうものだ"と決めつけてしまうものですね。
人間の思考に置いては、それこそ十人十色というのに。
…………と、誰かがいっていましたとさ。
こんなことを書くなんて、今日も平和です。
10/4 月曜日
今日は浅黄さんが学校を休んでいました。
どうしたんでしょう。浅黄さんを学校で見ないと…以前のことを思い出します。
無駄な心配だと思いますが…………少し気がかりです。
10/5 火曜日
浅黄さんは学校に来ていました。
元気そうでした。やっぱり考え過ぎだったようです。
それに………いまさらまた阿部が戻ってくることもないんじゃないでしょうか。
でもそれは推測でしかないんですね…。
浅黄さんがいなかった昨日……ボクは浅黄さんを心配していました。
でも…なにか、空想の中の捕らわれた姫に思いを寄せるよう……。
全てが幻のよう………。
今のボクは……これでいいのだろうか。
10/6 水曜日
昨日の夜……声が聞こえてきました。
(現実を見ろ………もっとよく見ろ)
……ボクも今の自分が現実から逃げているのではないかと……………………………。
ボクは…逃げているんです。怖い……怖い………。
浅黄さんが……僕を嫌いなのか………。もしかしたら、いきなり消えてしまうんじゃないか……。
それから……もし阿部が戻ってきたら……。
きょう……気づきました。浅黄さんはやっぱり元気がないんじゃないか……って。
阿部がまだ…生きていたら。死んでいるとはだれもいわないけど。
いなくなった阿部がまだ戻ってきたんじゃ…………。
今日は目が覚めた気分でした。世界がはっきり見えるような……。
10/7 木曜日
迫ってくるような恐怖感………。いないはずの阿部の気配を感じる。
ずっと誰も座っていない僕の後ろの席…。阿部の席だ。
……前と同じだった。やっぱり浅黄さんは顔色が悪くなっているような……。
普段の明るさから比べると、浅黄さんの調子はよく分かります。
阿部が……近くにいるのか。もしかしたらもっと別の何かが……また……。
ボクは…なにかをしなければいけません。
今までボクは何をしたんでしょうか………何もしていなかった。
あの時ボクが……阿部を殺していればよかったのかもしれません。
もう…………こんな思いはしたくない。
なんとか………なんとか………。
10/8 金曜日
武田が死んだらしい。武田………うちのクラスの男だ。
クラスは一日、落ち着かないようだった。いろんな事が言い交わされていた。
武田は昨夜、家には帰ってこなかった。そして朝早く、新聞を届けに来た人が家の前で死体を発見。
死体…遺体だか知らないが、とにかく人間の死体。首に切られた痕があり、腹も裂けていたという。
とりあえず、聞こえたのはそんなところだった。
別に人が1人減ったからと言ってどうということはないでしょう。
でも……浅黄さんの様子がおかしかった………。怯えていた……気がする。
武田について……何か知っている?……まさか、阿部がやっぱり…………。
10/9 土曜日
無言電話が相次いだ日だった。朝早くからあまりに連続するのでジャックを外しておいた。
昼頃元に戻したときにはもう電話は鳴らなかった。
阿部がどこかにいるような気がする。浅黄さんに危険が迫っている気がする。
阿部は消えてもらわなければならない。
ボクが生きるのに邪魔だ。それ以上の理由はいらない。
10/10 日曜日
今朝も無言電話から始まった。ジャックを外したままにしておいた。
繋ぐ必要もないし、うざったいのでそのままにしている。
必要なら、PHSにかかってくるだろうし。問題ない。
阿部のことが気になって、いろいろ探ってみたが…だめだった。
佐久間さんや他の人にも聞いてみた……すぐに電話を切る奴もいたが。
阿部のアパートには人がいる気配はなかった。
気のせいだろうか………武田が死んだのは関係あるのだろうか………。
10/11 月曜日
そういえば…武田。どんな奴だったかな…………。
たしかいつも笑っているような………。本気で怒るようなことがない奴でした。
クラスでも…結構人当たりが良かったかな……。
ん………武田は関係があるのだろうか…………。
10/12 火曜日
無言電話の意図が分かりました………。
誰かがボクが阿部を殺したと言ったようです…。それで話は広がり………。
電話をしたの誰かはわかりませんが…………視線が刺さるようでした。
そして電話のいやがらせはPHSにまで及びました。電源切っておきました。
………阿部についてもよくわかりません。こんな状況だから……話すらできません。
浅黄さんも……………。
一体どうしたらいいんでしょう。
10/13 水曜日
ほとほと………………疲れました
電話類を切っていたので…まだ多少マシなのかもしれませんが………
いやがらせがずいぶん続いて………
………………どうしたら………いいんだ………。
10/14 木曜日
佐久間さんが……ボクの家に来てくれた。
乱雑な家の中……だった。
佐久間さんも不気味に思ったらしい……ボクは全部はなした。
ボクは嘲笑するように話した……。そんな気分だった。
佐久間さんはしっかりボクの話を聞いてくれた。励ましてくれた
どんなに「生きることが目的」と言われても……そんなに強くなれるわけがない……。
ボクにこの人がいなかったら………。
10/16 土曜日
………ボクは何を信じていいんだろう……………………。
10/17 日曜日
10/15 金曜日
この日ボクは、佐久間さんに誘われて……佐久間さんの家に行きました。
一緒に浅黄さんも行きました。浅黄さんはボクには目も向けてくれませんでした。
佐久間さんの家につくと、リビングに通されました。
佐久間さんは一度自分の部屋に行きました。お茶を出したあとで。
お茶を飲んでいました。浅黄さんは窓際で庭を見ていました。
ボクは椅子に座っていました。いつみても良い部屋だ……と思っていました。
そして佐久間さんが部屋に入ってきました。着替えていました。
その姿に…驚きました。きれいでした………とても。
ボクは見とれていましたが佐久間さんは近寄ってきました。
「このドレス、似合う?」笑いながら佐久間さんは言いました。
白いドレスでした。とても……この辺はいいか。先に進みましょうか……。
そうしている間に、いつのまにか浅黄さんがいませんでした。
見せたいものがある…………そういって、佐久間さんは僕を連れていきました。
それから階段のわきにある部屋に行きました。
中は真っ暗で何も見えなかった。
「入って」言われるままにボクは中に入った。
そして……目がやっと慣れてきた頃、部屋の様子がわかった。
いろいろなものが置いてあった。物置のようだった。
部屋の壁には棚だったり、タンスのようなものだったり……。
部屋の真ん中から奥が空いていた。そして、向こう際の壁に何かが見えた…。
壁に背を付けてすわる人影だった。真っ赤い服を着ていた。変わった服だった。
変な……まるで、某ヴィジュアルバンドが着ているような。
それは…阿部だった。ボクは驚きで何もできなかった。
口は空回りし、手は震え、足がすくんだ。
背中に佐久間…さんが、首に手を回して抱きついてきた。
後ろからさす廊下の光が少し足もとに射し込んでいた。
阿部をよく見ると……寝ているようだった。でも……それは………。
「なんで……阿部が」
やっとボクが言った言葉に佐久間さんは答えた。
「それは…あとでね………」ボクの横に佐久間さんの顔があった。
阿部を見ながら微笑んでいった。
足下に射し込んでいた光が遮られた。後ろから浅黄さんが入ってきて……。
浅黄さんの服も………………。ボクはいったい何なのかわからなかった。
部屋に入ってきた浅黄さんは部屋の左側にあった椅子に座った。
背が小さいため浅黄さんは足を宙に浮かせた状態で座っていた。
今がどういう状況なのかが全然分からなかったが、佐久間さんが話し始めた……。
「わたしは赤間が大好き………」
………寒気がした。目が……怖かった。
「浅黄も大好き……でも阿部は嫌い………二人を壊したから………」
そういって阿部のところに歩いていった。
よく見ると阿部の腕には手枷がついて、壁に繋がれていた。
「……………なにしてるの」
ボクは思い切って言った。佐久間さんは振り返ってボクに近寄り……ボクを抱きしめた。
佐久間さんは……ボクより背が高く、ボクの顔は佐久間さんの方のところにあった。
「大好き………一緒に来て………わたしのお人形……………」
ボクは佐久間さんを突き飛ばした。佐久間さんは後ろに三歩ほど押された。
「浅黄は……一月くらい前からずっと来てくれるよ。
本当に可愛くて…………赤間も一緒に………」
ボクは浅黄さんの方に目がいった。………下を向いていた。
佐久間さん………この人はおかしい。壊れている………。
ボクは思った……多少ボクより背が高くてもボクより力があるわけじゃない………。
だから……ボクは浅黄さんのところにいって……
「浅黄さん………帰ろう…こんなところにいない方がいい」
浅黄さんの手をつかんで…………でも、立たない。浅黄さんが立ってくれない。
ボクが手を強く引っ張ると、やっと立ってくれた。ボクが振り返ると
佐久間さんが入り口の前に立っていて………
「もし浅黄を連れてここからでるのなら、阿部はどうなってもしらないわよ……ねぇ浅黄」
手を引いて進もうとしていたけれど…浅黄さんは動こうとしなかった。
「阿部なんか………いいじゃないか」
ボクは焦って強い口調で言いました。けれど……動いてくれませんでした。
自然に浅黄さんから手が放れました。
「明日………またね」
佐久間さんはボクだけを外に出して……。
外にでたボクは疲れ切っていました。
目の前で見たことが信じられませんでした。
家に帰って………泣きました。
こうして、この日は終わりました。
10/16 土曜日
目覚めの悪い朝でした。学校に……いかなきゃらないのが……つらい。
行かなきゃいけないんです……行かないと、阿部はどうでもいいけど浅黄さんが……。
教室はいつもと変わらない風景でした。
………佐久間さんは授業にはでていませんでした。そして浅黄さんも。
授業が終わったとボクは言われたとおり佐久間さんの家に行った。
……気が重かった。実際、ボクが…浅黄さんが……どうなるのか分からなかった。
阿部のあの姿が………目に焼き付いて………。
………この先は…書くのも怖い………。思い出したくない………………。
今日は……書くのをやめます。
ただ…あれからはボクも…再び捕らわれた身になった。
……佐久間さんの人形に。
そして今日も………………。
何よりボクは……信じている人に…………。
10/18 月曜日
続きを書きます。
佐久間の家につき、ボクはベルを鳴らした。でてきたのは佐久間だった。
前から不思議に思っていたけれど、佐久間さんの家には佐久間以外誰もいない。
「いらっしゃい」佐久間の不敵な微笑みが怖かった。
ボクは中に入って、すぐに昨日の部屋に通される……かと思ったが、
佐久間は二階の自分の部屋にボクを連れていった。
そして、服を出してきた。青い服だった。
ボクは着替える前にいろいろ聞いた。「なんで…こんなことするの?」
「わたしの大好きなものと一緒に時間を過ごしたいの」
ベットに腰をかけて、こっちをみながら言った。
佐久間は落ち着いていた。動揺しているのはボクの方だった。
ボクはやめるように…………言った。無駄であっても。
「あなたは逆らえる立場じゃない」その一言で全て終わった。
最後にボクが聞いたのは家族のことだった。
この時だけは佐久間は答えずただ早く着替えるように言うだけだった。
佐久間はボクが着替えるのをずっとみていた。
逆らう気力も失せかけていた。全て流れに従った。
それからあの部屋に行った。中には昨日と同じ光景があった。
部屋に入って立ったままでいると佐久間はボクの背中を押した。
押されるままに前に進み…椅子に座っている浅黄さんの反対側の壁のところまでいった。
壁には鉄の棒が数本あった。床から天井まで貫いていた。
…阿部をみれば、ボクがこの後どうなるのかは大体分かった。
思った通り、後ろ手に鉄の棒に繋がれた。この後はどうなるかわからなかったが……。
ボクは床に座らされた。佐久間はボクの横に来て……ボクを撫でて………。
何かをするわけでもなく、そのまま数時間をそこで過ごした。
そして…いくら時間が経ったのか分からないが佐久間が1人部屋を出た。
今までずっとうつむいていた浅黄さんが顔を上げた。
「阿部くん………あんな風にさせたくなかったのに」
言ってすすり泣いて………………。
阿部の方を見た……阿部には腕がない。壁には血の飛んだあとが大きく………。
やっぱり……死んでいた。ボクらもこうなるんじゃないかと………。
私が…阿部くんを見せられたときはまだ生きていた。まだ普通に生きていた。
まだ私もこんなんじゃなくて…。それから阿部くんは…何も話せなくなって
…片目が布で覆われて…………。
言われていても…さっぱり…………。
佐久間が戻ってきて…食事を出して………。一晩そのままで
なんなの………。
10/19 火曜日
10/20 水曜日
学校には行っています。時々……。
佐久間は交互に学校に行かせて、夜はボクをあの部屋にずっと………。
浅黄さんには家族もいるので夜は家には帰っています………。
毎日……毎日。毎日……
ボクらの恐怖は続く………
阿部は…消えた。もうこれ以上…置いておけなかったんだろう……
あいつは……自分で考えろって………そんな………
…………何をしろって……
10/21 木曜日
この状況を抜けるためには…………。
まず二人同時に…ボクと浅黄さんが一緒に…佐久間の所から逃げること
1人ずつしか学校には来れない日々では逃げようがない
所詮相手は女………力では勝てないわけがない
阿部の場合はきっと……睡眠薬なんかのため…きっと
殺す訳じゃないし、逃げれば大丈夫………
でももし…失敗したら……………わからない
10/24 日曜日
ボクはおかしくなったのかもしれない。
金曜日に佐久間さんの所にいって、ボクが着替えるときに後ろを向いた佐久間さんを襲った。
最初は押さえつけて一時的にでも身動きをできなくすればいいとおもいっていました。
後ろから突き飛ばし、倒れたところでなんとかして縛り上げ………るはずだった。
倒したまでは良かったが、近づく前に佐久間さんはすばやく起きあがり
怒りと笑いが混じった顔でボクを睨んできました。
まさかそんなことが…と思って一瞬たじろいだとき、平手が飛んでた。
強烈な一発で顔が背いて、目を戻すと今度は左手が顔面を覆って壁に押さえつけられた。
膝蹴りが入って床にボクは倒れ伏して、上から足で押さえつけられて。
「わたしに手をあげるなんて………」
声は笑っていた。
それからすぐにガムテープで後ろ手に縛られて………さっきまでずっと拘束されていた。
浅黄さんはその間全然中には入らなかった。佐久間さんが返していた。
ボクがおかしくなったというのは………。
あの部屋にずっと…入れられている間に……。ボクの心が変わっていった。
佐久間さんはボクのしたこととは逆に…今までは椅子から見てなにかを話しかけているだけでしたが
ボクをずっと抱きしめて。
安らぎを感じていた。ボクはもう…逃げられないのかもしれない。
10/25 月曜日
今日はボクも浅黄さんも解放された。
けれども、ボクは結局佐久間さんの所に行ってしまった。
浅黄さんは来なかった。いや、よばれなかった。………それでいい。
人は……温かい。抱かれて初めて分かった。
あの温かさが安らぎ……。
10/26 火曜日
ボクはこれでいい。
今までずっと………ずっといろんなことがあって
ボクは落ち着かなく、取り乱し、まともじゃなかったんだ。
でも今は安らぎをおぼえ、落ち着いた。
…ただ1つ、ボクがボクを許せないのは………浅黄さんのことだ。
浅黄さんはもう、佐久間さんの所へは来ていない。
結果として浅黄さんを助けた………かもしれない。
引き替えにボクの心は佐久間さんへ………。
これだけが……どうなのかわからない。ボクは………いいのか。
10/27 水曜日
浅黄さんに言われた。
「なんで佐久間のところに戻るの?」
ボクは答えられなかったが…話を少し変えて返事をした。
浅黄さんが助かったのならそれでいい……って。
でも浅黄さんはボクを睨んだ。バカ…とつぶやいて去っていった。
はぁ……。ボクはバカか………。
10/28 木曜日
佐久間さんの所へ行っても、ボクは何の拘束も受けなくなりました。
今日は佐久間さんはボクを抱いてお話ししてくれた。
部屋の真ん中の蝋燭が部屋をほのかに明るくするのがきれいだった。
赤間が手に入ってうれしい………。
阿部があなたを酷い目にあわせて私は悲しかった。
ずっとあなたを見ていたの……。やっと手に入れたの……。
それからの発言にボクは驚かされた。
浅黄さんをここに連れてきたこと…ボクに近づくため。
無言電話も佐久間さんがしたことだったと。ボクを強く抱きしめながら言った。
……そこまでしてボクが欲しかったなんて……………何か嬉しかった。
10/29 金曜日
今日はおかしな事になった。
今日の夕方……六時近く、ボクはいつも通りのところでいつも通りだった。
でも佐久間さんは少し腑に落ちない顔をしていた。
いつも通りに振る舞っていたが膝の上からはそう見えた。
それから、玄関のベルが鳴った。佐久間さんはハッとした。なぜか着替えてすぐに玄関へ向かった。
ボクはしばらくそこで待っていた。だが全然佐久間さんは戻ってこない。
そしてずいぶん経ってからだった。佐久間さんが慌てた顔で戻ってきて急いで帰るように言ったのは。
よくわからないまま自分の服を着て帰ろうとした。
帰り際にボクはここでいつもきている青い服を持って帰るように言われた。
何が起こったのかはわからないけど…誰か人が来たことは間違いなかった。
ボクはあの時間を味わえなかったのが残念で仕方ないです。
10/30 土曜日
今日は佐久間さんの家にはいけませんでした。ちょっと寂しいです。
学校では何事もないような一日でした。佐久間さんもいつもの調子を変えることはなかったようです。
ボクは佐久間さんに昨日誰が来たのか聞きました。けれど、少し困った顔をしてしまいそれっきりでした。
思うにはきっと佐久間さんの家族だと……。
もう佐久間さんの所にいけないんでしょうか…。
10/31 日曜日
今日、佐久間さんがボクの家に来てくれました。
ほんのちょっとだったけど、ボクと一緒にいてくれました。
もう一晩も一緒に入られない…佐久間さんは少し寂しそうに言いました。
「でも…もう少ししたら、みんな一緒に………」
ボクはもう一度誰が来たのか聞きました。家族じゃないか…と。
佐久間さんはやっと、それがお父さんだと言いました。
どうして今までいなかったのか……気になることはありましたがボクは安らぎの中で忘れてしまいました。
もう少ししたら…どうなるんしょうね。一緒になれる…この前までみたいに……
それとももっと?
……楽しみです。