東京都杉並区の高円寺会館にて試写会2004年1月17日(土)
2004年1月17日(土)最高気温が4℃、杉並区でも小雪のちらつく厳しい寒さの中、たくさんの方に足を運んでいただき、高円寺会館で映画「もも子、かえるの歌がきこえるよ」の試写会を開催しました。
杉並区教育長、
校長先生がた、
さまざまな学校の先生方、
福祉に携わっていらっしゃる方々、
子供発達センターの方々、
社会福祉協議会の方々、
日ごろから障がいと向き合っていらっしゃる方々、
母親クラブの方々、
中学校PTAの方々、
小学校PTAの方々、
中学校の生徒会の方々、
いろいろな方がお忙しい中,来てくださいました。
上映前に、桂プロデューサーのご子息 桂 成史さんから
桂プロデューサーのメッセージをご紹介いただきました。
「もも子を杉並に呼ぶ会」実行委員会 様
新年おめでとうございます。この度、杉並で「もも子、かえるの歌がきこえるよ。」を皆様の温かい御好意で映画会が開かれますこと、心より感謝申し上げます。
本日は、九州の熊本県・人吉市で「もも子」の試写会での挨拶があり、直接、皆様にお礼申し上げられませんが、文書にてご挨拶をさせて頂きます。
昨年5月完成以来、もも子は北海道から沖縄まで、全国の多くの方々の熱意で、上映会が成功を修めています。
鹿児島市や、この映画の舞台となった加古川市では、1日なんと5000人の親子が鑑賞し、もも子の一途な命の賛歌と、可愛らしさに、満足と感動が会場内に溢れていました。
製作者冥利につきる瞬間でした。
その中の感想文を2つ程ご紹介いたします。
45歳の主婦の方、「この映画を見て、勇気や希望が湧いてきました。一人一人が、かけがえのない人間であり、特別に扱われたりするのではなく、お互いを認め合う事が大事なんだということを、沢山の人が、心に思って生きていったら、みんなが、明るく生きていけると思います・・」。
又、9歳小学生・男の子は、「病気をかかえていても、最後まで生きてきたことが、すごいと思う。もも子ちゃんが最後に「Vぶい・・・」といった言葉は、たぶん「もも子、一生懸命生きたよ。お兄ちゃん勝って良かったね」と伝えたかったと思います。僕は、このセリフを思い出します・・「ももの花が咲いたら、もも子の病気もなおるんだよと。」
どの感想文も、それぞれの人生の途中で出会った、この映画への共感と感動で溢れているように思います。
今日、豊かさの中の日本では、簡単な動機から、命を粗末に扱う、取り返しのつかない犯罪が多く発生しています。そんな自分達を肯定出来ない不安な社会現象から、この映画は、困難な中でも生きる力と家族愛、そして人と人との絆を、喜びや悲しみの中で描いた、希望のある作品に製作しました。映画は子供たちの情操と感性を豊かにします。是非、親子で一緒に見ていだだき、話し合ってくださればと思います。又、多くの方に観ていただける様に、働きかけていただければ幸いです。
最後に、皆様の「もも子を杉並に呼ぶ会」の温かい心の輪が、地域に広がって、2月の上映会が成功するようにお願い申し上げます。
映画「もも子、かえるの歌がきこえるよ」プロデユーサ桂 壮三郎
試写会のあとは、この映画の監督 四分一節子監督の講演会をいたしました。
《監督のお話の内容》
原作のモデルになったご家庭や養護学校への取材のときに感じたこと、
ほかの地域での上映後に寄せられた感想文などにつて話していただきました。
【映画「もも子、かえるの歌がきこえるよ」を作って】
このお話の主人公『もも子』には、モデルになった女の子がいます。
映画を作る前に私達は、舞台になる兵庫県の加古川に取材に行き、彼女の御両親に会って、たくさんのアルバムを見せていただきました。
友達と楽しそうに大笑いしている姿、カメラに向かってニッと笑いながらVサインをつき出している何枚もの写真の中に、幼稚園の運動会で体を折り曲げるようにして、玉入れをしている彼女が写っていました。お父様はこの時、届かないゴールに向かって、必死でボールを投げ続ける我が子を見ていられなくなって、「誰か止めてくれ!!」と、心の中で叫んだそうです。(お父さん以外の人達は、最後まで投げ続けた彼女に胸を打たれたと思います)
私は、このアルバムを繰り返して見ているうちに、Vサインを出している彼女の笑顔の中に、いろんな表情があるのが読み取れてきました。彼女は自分の運命について予感しながらも、小さな体でそれと戦いながら、明るく懸命に生きたのです。
この後、彼女が通った養護学校での授業も、私達は深く感銘を受けました。先生方は、子供達一人一人に顔をくっつけて歌いかけ、抱きかかえ、揺らしながら、「今、君達は生きれるんだよ。生きてるって素晴らしいだろう」と、体の全部を使って呼びかけているように、私には思えました。反応の無かった子供達が声をあげて笑い、その子供達の顔を見て、先生方も本当に嬉しそうになさるのです。
こういう体験の中で、もも子というキャラクターは、膨らみ、動き出しました。与えられた命を精一杯生きたもも子を描こうと思いました。
この映画で子供達の声は、もも子役の間宮くるみさん以外は、実年齢10〜13才の子供達ですが、もも子の事を身近な問題として受け取ってくれたようで、映画が完成した時、「障害のある人達に何かをしなくちゃ、というのではなく、逆に勇気づけられた」という感想を言ってくれて嬉しかったです。
この映画は年齢を問わず、いろんな人に観ていただいて、生きていく意味や命の大切さについて考えるきっかけになれれば、とても嬉しいです。
講演後は、監督への質問や意見交換の場を設けました。
そこでは、高井戸の産科医:大野明子先生や
絵本作家の星川ひろ子さん、
そして、試写会にきてくださったさまざまな方から、
経験に基づく貴重なお話をしていただきました。
よいものを見せていただき、大変ありがとうございました。
世の中のきれいなものをすくうような仕事がしたいと、今日の映画を見せて
いただいて、あらためて思いました。たくさんのかたが見てくださると
いいなと願います。
私の仕事は産科医です。年が明けて、まだ2週間ほどですが、明日香
医院ではいろいろなことがありました。ひとつだけお話します。
お母さんのおなかの中で亡くなってしまった赤ちゃんがありました。
白いお花を探してお花屋さんを何件も歩きました。休日だったので二
駅先まで歩くことになりました。
たくさんのお花を抱えて戻り、赤ちゃんに手向ける花束を作っていると、
赤ちゃんのお父さんが短い外出から戻られました。
「赤ちゃんのひつぎをお花でいっぱいにしたくて、求めてきました」と
話すと、お父さんはその場に泣き崩れてしまわれました。私も助産師長
の膝で声を上げて泣きました。助産師たちもみんな一緒に泣きました。
そして院内中を白いお花で飾りました。それが私たちのせめてもの弔
いの形だからです。
生きて生まれる赤ちゃんもいれば、今回のように生きられないいのち
もあります。赤ちゃんが亡くなったことは悲しいことですが、ご夫婦の
間の愛情の絆、私たち医療スタッフとこころの絆は、そんなときも大き
な救いになります。そのことを本当にありがたいことだと思いました。
―――――大野明子先生からのメッセージでした―――――
この映画を、より多くの方に見ていただき、
障がいについて、また、今生きていることについて、生きている時間の使い方について、
考えるきっかけになればと願っております。
どうぞ、お誘いくださいまして、2/15のセシオン上映会に
おこしいただきます様、お願いいたします。