「頬に伝い光」

光を浴びる
まるで生まれたての赤子みたいに
言葉にならない声をあげる

自転に回る子供達
アルコールに酔う大人達
僕達は何を見ているのだろう

こんなにもなまめかしい天空より
降り注ぐのはなんだ
僕達が浴びつづける光とはなんだ

カーテンをおろす
目を閉じると蘇る
街の明かりが
頬に伝い光


「貝の世に」

うずくまる
部屋の片隅
明かりはなく
声も聞えず
ため息も焦燥も
なんにもない
明日も夢見ない
なにも望まない
光り届かぬ海の底
眼球は退化
脳髄は酸化
悲しみの挽歌
滅びゆく貝か
生きながら腐敗
生きていて死体
切れた声帯
途切れた舞台
うずくまる
部屋の片隅
光り届かぬ海の底

「希望の泥舟」

外には何もない
葬送する大名行列が108の鐘を賛美している
海から溢れた飛魚の刃が目に刺さったまま
希望という泥舟に乗って大海に揺られるたぬき達よ
もはや君達の死に場所もない
どよめきもなく黄昏もない
砂利を飲みこんだ喉から発声するITの言葉
コマンドを手に入れるため
誰もが嘘という光で武装するんだろう


「白流に飲みこまれる米粒大の光り」

天から白い薄っぺらい流れが落ち
踏みにじられた愛をシュレッダーで裁断する
陳列され整列する死体よ
顔のない市場の魚雷よ
偽善の剣は光り輝き裁判を起こす
冤罪、無罪、勝訴、敗訴
全てみな札束の上で泳げ
甘さもえら呼吸もどろどろの血液の流れもシミュレーション!
吐く息度96%の他我教室で
修行するぞ修行するぞ修行するぞ
今日は君からポツダム
明日は誰もがラジカル
天の意思は人を産み育て殺すことなので
ナイアガラ瀑布に投身したい
切腹したい首吊りたい中毒したい燃えちゃいたい
そんな生を求める
絶対音感に土砂降りが降り注ぐ
鋭敏な神経の芽に叩き付けれるナイフの洪水だ
フラッシュフラッシュフラッシュ
ホワイトアウトする意識の片隅に
光るのは米粒大の……
君に捧ぐとともに太陽のように燃えて


「糸」

満足だ
もう満足だ
指先から滑り落ちる
金色のばね
波紋が津波にのって虹をかける
アーチをくぐると言葉は意味を失う
誰も知らない
緑色の世界
迷宮で叫ぶ蝶々
アリアドネーよ
糸を手放せ
深淵とかかわってはならない
全ては見終わった
もうなにもいらない

「未来に浮かぶ島」

感性は鈍化した
感覚もだ     (魅惑される
なんてことだ

堕天使の鮮血だ!

ちっぽけな宇宙に圧迫された「私」
は硬くはならず
宇宙へと揺るぎない直線でほとばしる
尖鋭じゃない
                 鈍色の貝殻が私世界を構築する(海空>
愚直なまでに積荷を捨て
なにもないと呟いたところで
孤独の大地
             (大口を開いて発狂する闇へ<迷走しろ
焦燥は金の大釜で煮えたぎろ(罪人
私が・・・太陽のように強大な圧力で消去サれていク)テ、しまった
腕に抱え込もうとしている愛と現状を捨てろ(追求セヨ
         胃と肝臓を宇宙規模に拡大するのだ)発火だ
主柱を食い尽くす底無しの泥沼の底の底の底に潜む生物(現在、真実の罪!
白い嬌声をあげるような(魅惑される
     天と地を裏返すような(ミハクサレル
腐敗した逆説的黄金・・(魅惑(追求セヨ(魅惑され
ル)・・・

私は人間ではない

暮れはじめた太陽)鏡の中へ
静寂に満たされていたのは)最初の時か)最後の時か)
火中に投じられた原初の宣言である
冷たいコーヒーカップに浮かぶ一筋の彗星
決断の時が近い
喧騒も束縛も)自由と記された紙切れも
黎明か)終末か

高音で差し込む落陽
驚く暇もなく静かに形象は消えていく
   確信や未来など持たないままに

コマ送りの海、鈍色の空、
力を抜く

結合がほどける



                         

空へ







「ダダ」


瞑想するどぶろくが純潔の隼のように滑空する
<あ〜あ>失われた大地は放物線を描いて再生しちまった
腐敗した堆肥のような肺腑を、肝臓を
ミルクと一緒にミキサーで砕いても、真っ赤に染まるのだ!

<ああ>ダダは私から生まれた
滅入ろう
意識をドライアーの中から吹き出すんだ
僕の肉体は蒸発した風になるんだ
線路を横断するカマキリの覚悟で、目の色で、沸き立つ毛細血管で
滅入ろう
火酒を連続して絶頂に達する
創造遊戯の代償は積み上げられた廃棄物に等しい
ここで叫ぶのは私ではないのだ

きれいな絶望が口を開いて道を指し示す
マグマのような血潮が火口から上昇する
滅入ろう
とうに言葉は失われた
反抗と自虐の果てに
首輪や紙幣をごった煮にした鍋の中で痙攣する

迷妄



 「疾走する肌色の電車」


狂気へ

        と

                 崩壊へ

     性器

                              を

軋らせる


驀進する             (世界爺

私はスケールのでかいリストカットを望んだ(∞)

        >閃光(

宇宙を引き裂いていく

しっそうする      疾走する       疾走スル

引き裂いて疾走する

)

                                    たばしる



「亡」

走った
後ろから右足を相手の臀部に突き刺した
驚かせる時間をあたえず、そのまま首をしめた
雑巾のように皮膚がねじれていた
男は充血して真っ赤に染まった顔で後悔していた
抵抗する力が弱くなった
吹き抜けの階段から落すと転がって血だまりを作った
それを見ていたネクタイの男が悲鳴をあげながら走り出した
私は動かなくなった男の横に降りて行ってしばらく見つめていた
目をそらして誰かが横をとおりぬけた
私はいつものように歩き出した


「長い夜」

絶唱に違いあるまい
どれほどの時をすり抜けてここへ辿り着いたのか。
おまえは千回死んだ
涼しい夜に
ブラウン管から断片的にこぼれおちる光
静まらない




「空虚の波」

さざなみや
月は
今夜も
円くとも

とてつもないエネルギーで
巨大な穴がある
氾濫する自我をまとめ
ひとつに圧縮しようとする
巨大な穴が

水路にたち
見上げると
ダムは決壊した
狂奔する水流に
体ごと飛ばされる
瀑布のような快音が
宇宙までたばしる

私達は矢継ぎ早に
送りこまれる
竜のように押し寄せる激流に
噛みつかれる
砕かれる
救われない現実を知り尽くした絶叫が
音もなく途切れる




「淋病」

眼球を焼き
脳に焼きつく
フレーズ
声帯は震えない
ぴくりとも動かない
存在は薄れていったとしても

処理しきれない
情報の波に
襲われて
オーバーフローを起こす


力のような
量の前に
縮こまり
抵抗すら
できないほどの
冷たいからっぽに



「あなた」

私のナイチンゲール
俺の女神様
僕の愛しい人よ
微笑を絶やさないで
ついでに殴るのやめて
槍で刺さないで

あなたは白い両手で
首を締める


「悲しい夢」

どうして悲しい夢を見るの
自衛のために僕は引き金をひかなくてはならない
手加減する余裕もなく
彼の額に糸をとおし魂を天に放す
きっと彼は操られていただけ
ジャキンという音もなく切断され
彼はフィギュアのように転がる
血は広がらない
ディテールの薄さ

僕は彼らを恐れただけなのに
彼らは僕を恐れた
バタバタと引っこ抜かれて転がる真っ赤な死体
銃声も聞かずに人を殺す
                       (快感?)
恐怖に駆られて狂奔する
              (演技?)
僕は罪ではない殺人を犯し
正義と罪のレッテルで満たされて行く
高騰する賞金で一人の人格が消えて行く
アリのように卑小な機動隊が群がる
磨き上げられた盾に写る、幻?)
僕には翼が生まれた
すりきれて高温で上昇する景色
その先端にすらぶらさがる影
先回り。いつでも後手後手にまわる
もがれ落下して川に落ちるエンジェル
生き延びるまで終わらないゲーム
どうして死にたいの
乾いた涙を流しつづけて
存在を失い

また夜が始まる
引出しのなかに押し込まれて
残り少ない酸素を消費しながら
僕は生きている




「酩酊」

頭蓋にからまるギターリズム
あなたの顔を見ると、骸骨をイメージする
臼歯を突き出してほっぺたをこする
耳の後ろから顔を洗う猫みたいに
摩擦が大きいほど、酩酊するよ
どれほど涙を流せば
ブルーズを言葉にできるかな
くせのある、真っ白な
テキーラ
酩酊するよ
泥の中で戯れる、空っぽの頭蓋骨
音を開け。音を開け。<HIRAKE>
三角錐を展開
頂点も底辺もごっちゃになって
立ち止まり睨める三毛猫が、(目は透明なブルー)
地球の大地に撃ちこむ
肉球を撃ちこむ
にゃー!
ひび割れる、泥酔リズム
亀裂は光速で世界を右と左に分けた
頂点で横臥するテキーラ
青い雲、白い空、赤い目蓋
形骸チックなミルクを舐めよう。
とどまることを知らない奔流
それは。
ラッパを吹く与太者
透視すれば、頚骨、肝臓、血液、ヘモグロビン
泥濘する
ギターリズム
卵巣するワンフレーズ、からめらるディストーション
生と死を優しく包み、内側の宇宙へ
かなたへ
真っ暗な通学バス
顔などは失われた空間で
他の誰かが僕の酸素を消費する
そろそろ死のうか
落葉で感極まる酩酊
静かに失われて行く命
葉脈に絶叫をたくして、私は
記憶のかたすみで。



「聖域と脱出 楽園ではないところ」

視姦されるとかげ
紫斑から生まれるベニテングダケ
胞子で満たされた体内から発せられる息吹で
凍りついたドアー
敵意の空間

水槽から脱走
都会へ
毒液をまとい自切しては
視姦される
剥き出しの断面図
力ずくで露出された神経が震え・・・

痙攣しながら聖域を切望する
胞子で満たされた毒素の空間を
突如溢れ出した自由に嘔吐する
既に適応してしまったと
きれいな空気では生きられない
毒液をまとい
こんなに広い空間では毒液をまとい
けれども行かなくちゃ
行かなくちゃ
遠い光の輝く空へ




「G線の翼 マリ」

銀河のカーテンをめくる
ダイアを散りばめたハープが寒さに震えて
硬度の高い白玉がG線をかすめる
飛翔する深海魚
白い指先にとまるマリ
天まで伸びる誓文
空と海がひとつになる
G線の翼


「鎖遊戯」

もしも鎖がほどけたら
あたしはばらばらになってしまうから。
身動き一つできないように。
ギュッと強く抱きしめて欲しいわ。

泣き叫んで抵抗しても
あたしは少しも動けないから。
あなたはあたしだけを見つめてくれる。


「テラ」

私は失われたアトランティスの空想だ
メガバイトの読点、テラはエクステンション!
私は奪われるために存在する
薄桃色のメカニズム、ビロードの一角獣
感性で断定していく
燃え尽きる線香の上で唯一の価値なる自我!
創造だ!




「火の鳥」

金色の光に燃ゆる鳥ありて
薄昏の銀河に架かる橋作らん
背に燃え上がる都市ありて
虹よりまぶし理想郷
尾をかすめるは長き彗星

「ペルソナライダー」

せまるチョッパー
正義のトナカイ
おっさんの病気を治すため
万病に効く毒キノコ大発見(ぽっくり)
GO!GO!レッツゴーーー!!
誰でも安楽死

チョッパーーーキック(ひづめ)

チョッパーチョップ!(ひづめ)

せまるチョッパー(警察)
せまるチョッパー(ロボ)
チョッパー包囲
チョッパーッ(リストカット)



「」

臆病な私の涙を優しく舌ですくいとって欲しい
遊びで噛み砕いてもいいんだよ
最後まで

冷たい氷の中で燃えているりんごが好き
両手で包んでとかすわ
驚いても逃がさないから
うさぎは追い詰めて
鳴かせる

誰かの視線に全身がとけてしまって
とけてしまった皮膚をひきずって歩く
この町に私を救える医者はいるのかしら
泣きながら笑ってドアを叩く

閉じられてしまった
閉じられてしまった

閉じてしまった?
閉じられてしまった



「黄色いダンス」

秋の日のヴィオロンで私の咽喉を引き裂いて
エディタに張りついたショウジョウバエ
真摯なジャミロクワイが小刻みに
         (新造硬貨みたいに着実なギター)
私の黄色いカミソリを揺らす
とめどないのは太陽だけ?
太陽さえ暑かったら殺すことも許される虫けら
喉が乾いた扇風機はふるえる刃を閃かせて
こないだは気まぐれで小さな虫の背中がねじれるほどへこんだ
かきむしると汗疹になってしまうこの体
せめて陽気に踊ろうか
カミソリも手首も白いタオルも洗面台も
一瞬で消える流れ星
せめて陽気に踊ろうか
私の肺の最深部まで
冷たく届く空気が欲しいな



「死体ラビリンス」



轟音で肉片が飛び散る
飽き足らず傷口に二本指をかきいれてCPUを引きずり出す
100億の冷蔵庫が肉声で唸る
 オーオーオーオー
  オーオーオーオーオー
 オーオーオーオー
オーオーオーオー

ディレイの聞いた銃声は天井を引き裂いて神を引きずり下ろした
地に落ちた神は無様にはいずり卑小な狂人に許しを請うのだ
殺虫剤を吹きつけられたアリのように神はひしゃげていく
眼窩に広がるのは本能の狂奏曲!
死体の口にストロベリーのかき氷を押し込むように
ハリツケラレタ心臓は波打つ
オーオーオーオー
  オーオーオーオーオー
 オーオーオーオー
オーオーオーオー

鼓膜がちぎれるほど激しい詩を朗読して!
僕は俺、俺は君、君は誰、私は誰!
壊れたレディオから異国の暗号通信が流れる
私はシャネルで武装しては踏みにじられ舞踏する
               死に際のダンスを彼は一番喜ぶ
オーオーオーオー
  オーオーオーオーオー
 オーオーオーオー
オーオーオーオー

河豚毒でラリッていっちゃいたい
まだ僕の脳細胞は犬のエサになれた 
頭蓋ではエンドレスで再生されたジャズが孤独を募らせる
マルが朗々とうたうよ、とつとつとうたうよ
悲しいのに感情を押さえちまったらこっちまで泣けちゃうだろう
風鈴みたいに透明な絶頂が欲しい
なにもかもを忘れる一瞬に
僕は存在する




「森の晩餐」


肉を食らうのは肉食獣だけではなく
日々、幾多の本能の畜生達は共食いを繰り返す
貪るむさぼるムサボル
瀑布のように止めど無い怒号であふれかえる
森林は光りを帯びてなお鬱々
幼菌類は生命の証を守るためにひっそりと呼吸を続け
世界の中心に聳え立つ大樹は放射状に稲妻のような衝撃波を放ちつづける
それをバリバリとムサボル童顔の血吸い蝙蝠がいれば
全裸で夜空を滑空する古ぼけた豹が助走する音も聞こえる
どうかクリオネの悲鳴を逃さないで
ただひとつ共通する森の掟を破らないで
ここでは食事の時間など決められていないのだから




「跳躍から飛翔へ」


急勾配を登りきったポルシェ602で意識はかすむ
ロケットのように空中へ跳躍した鉄の塊の中で
私の心臓は肋骨を突き破り血しぶきをあげ
フロントガラスをも割り雲の上まで飛翔した
下界はちっぽけなジオラマみたいに
全ては君の手の中にある
と呟く蒼穹に飲み込まれた僕の心臓は
かつて自らを包み込んでいた躯を欲している
私は二つで一つなのだ
あのちっぽけな鉄の塊の中に
魂は脅迫状を突きつけられた

俺はファックスで送信された革命に思わず目を見張る
「本日午前四時を持って国会議事堂は占拠した。
私はあらたな躯と合一して躍動をはじめるだろう。
農薬を散布するヘリコプターに乗って
虫を駆除するのがとりあえずの私の脈動だ。」
読み終えた俺は戦慄して覚悟を決めた
死ぬときは一緒だ

ビッグベンが時報を鳴らす
世界中の時計がいっせいに悲鳴をあげはじめた
農薬散布が始まり
続々と虫が駆除されていく
俺はかつての心臓を知っていた
かつての戦友であり二つで一つの鉄の塊だった
これは俺の義務なのだ
散布された農薬は俺への革命でありひとつの快楽だ
俺は全てを受け止めねばならない
苦痛も悲鳴も愛も希望も
俺は全てを受け止めねばならない




「憑かれた顔色」



「引き裂かれた頬からは意味は見出されない
ただ邪悪な根源が糸ミミズのように周辺で泳いでいる
顔色はすこぶる悪し。疲れているかのごとく
時折不気味な笑みを浮かべては痙攣する
しばらく前から同じ行動を繰り返すのみになった。
これ以上の観察の余地はなし」

ビロードの光線で僕の頬は引き裂かれる
甘美な光景に思わず鏡に見とれてしまう
実験に使われた頬の肉は本当はバーベキューにして欲しかった
おいしいおいしい
と僕は彼らの王になれるから

牢獄には貶められたのではなく
僕ははじめから牢獄の徒だった
自由の意味も知らず
薬品くさいエサを食べていると艶やかな微笑をプレゼントされる
ガラスを切断する音で布団に追いやられて
夢想するただ夢想する夢想する

じきにピエロの言葉が理解できるようになった
ピエロはスペイン語のような美しいリズムで話しかけてきた
耳を済ましているうちに音楽はかすんで目もかすんで
気がついたときはピエロは僕を詳細に解説していた



「緑の海」

緑の海はヘドロの海
僕は繊毛を動かし
ウシガエルの群れをかきわけて進む進む
コポコポと音がして僕の足跡は埋まって行く
エメラルドに空洞は許されていない

冷たいアスファルトで大の字になりたい
足音が懐かしい
コポコポコポコポ

銀河の星雲からひときれの雲を拝借して
三途の川に笹舟を浮かべる
高く聳え立つあの山まで、逆流しろ!
僕の意思は隕石を呼び寄せる傍ら緑の金魚を愛撫する
いつのまに破けたのか僕の肺は空っぽだった

真っ赤な空が粒子の雨を降らせる
僕はかつての東京タワーに腰をかけて
海と空の境界線でオカリナを吹く
空が落ちて海は昇り
僕らは融けあった




「風のコンチェルト」

落葉が香ばしい
原始の肋骨が接点を求めて剣の先で舞い踊る
私は人格を放棄した
怒った太陽風が言葉の銃弾を降らせるようになったらお終いだ
砥石で削り極限まで耳を澄ます
ピックもマニキュアも必要ない
魂はいつだって震えているよ

北風がヤドカリの匂いを連れてきた
マグロ主催のマグロ市が開かれている
片隅の水溜りでプランクトンがつと息を吹き返した
微小な呼吸音が宇宙の奏でるメロディを手に入れた
大工に踏まれた脚立に踏まれた大地が野太い声をあげる
地震は瑪瑙色のソバージュヘアー
シャギーも好きだよ
静止した空間がきれいに響く




「ロバートセレナーデ」

ぐっちゃぐちゃのぐっちゃぐちゃ
私は名づける。
この宇宙の全ての名付け親だ
私は一人もくもくと独白する
アルコールの駅を歩きながら
狭き改札口、青い切符、コンクリート電車、握手のピリオド、つり革と老婆、嘲笑ける女子高生。
たったひとつだけ、私は見えた。

いなり寿司もGPX400もみんな好き
ギブソンの食欲でピラフを食べる
角膜でバスケットする遊戯を砂利の上で繰り広げながら
鼻歌で反響する地面を探しながら露出する
プラスティックと会話できる時代だよ
私は真っ黒なCDケースに運動方程式を書きこみ
必死で暗記する。ソフトクリームで絵を書くような革命
堕ちていく魚群の質量
物理の教師と生物の教師をミキサーでひとつにする
派手なネクタイが書類をぶったぎル
ぐつぐつと逝きはじめた緑のアルタイル
ストーブにかざされたメガネはゆがむ

勲章もバッヂも廃棄ガスの中で製造されてる
子供に薬を与えるのも時代が許可したのだ
先天性の神経質に悩まされたラッコのリズムを聞いてごらん
あれ、今日は水晶の湖も休んでるのか
降れ降れ月光!
夜の間に二階級を制覇しちゃおぜ
歯科医の愛犬が業務上横領をマスターする間隙
多少ネガティブだが歯ブラシのトンネルをくぐり抜ける時よりは千倍ましなんだよ
初物がほたての説明書とともに売れて行く
夜明けが近い
私のはソバットで台風を起こしてバーコードをくっつけた
転覆するベートーヴェン




「カルボナーラ」

ノイズを降りかけて食べるカルボナーラ
チーズが止まった瞬間の静寂が夜を飽和させる
溢れるワインレッドを口に含み
聖書をひもといて香る月光

上手にまきとられて喜ぶカルボナーラ
温かいパスタが胃液と融合してゆく
痛みさえ感じずにほどかれていく分子結合
なにも知らないまま

フォークが銀光り、脳内に投影される記憶の虚像
現実と交差する青い刺激の流星群
カル!ボナーラ、路地裏に転がったホイールの銀

ちぎれた静寂をからめて、不器用な言葉でとりつくろってみて
今目の前にいるのはあなたではないのだ
忘れられたようにとけていく、冷たいカルボナーラ

「漠々」

おもちゃはいつか錆びついて
ガソリンは満タンでも
もうあなたは笑わない
バニラアイスを日光で溶かして
スプーンにからめて味わうことも

幻想は積み上げられた
動物に優しい夢を食べさせたら
残った距離だけが全ての答え
2人の時間すら吸いこまれてゆく
幻想の人間も失われて

失われた言葉を探しに旅に出て
彷徨い続けるアンリアルの仮面
それすらも流砂の輪廻に飲みこまれて
動物から逃れる旅路
終わらない夢はのびて行く
空へ