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最近読んだ漫画 
 

1999/10
『ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事』 高野文子
 
マガジンハウス刊
 1998年2月
 950円
 ISBN4-8387-0964-1


●ストーリー
 舞台は、西洋のとある国。主人公のラッキー=ランタンタンは、大金持ちのお嬢さんのメイド。大好きなリッチデパートでご主人のマネをしたことから、仕事をクビになってしまった。そんなとき、昼間、リッチデパートの支配人から就職の誘いを受けたことを思い出し、早速デパートを訪ねるが、夜中なので当然閉店中。行くところのないラッキーは、デパートに潜り込んでしまうが……。

●感想
 再読。
 初めてこの本を読んだのは、プチフラワーで連載していた時。今から13年前の1986年に遡る。しかし、その面白さはまったく色あせていない。
 高野文子氏の絵にマッチした、50年代ぐらいのハリウッドのラブ・サスペンスムービーのような、ちょっとレトロな雰囲気。ストーリー自体はさほど複雑なものではない。しかし、ところどころにちりばめられた伏線の数々、丁寧に描き込まれた背景、コマ割におけるアングルの絶妙さなど、高野文子氏の漫画は、まるで良質の映画を見ているような感じがする。

1999/11/11

1999/10
『彼はカリスマ2』 海野つなみ
 
講談社刊
 1998年4月
 476円
 ISBN4-06-340017-4


●ストーリー
 高校2年生の一(にのまえ)晴生は、その存在感と予知能力で、入学以来、生徒のみならず教師にも一目置かれるカリスマ的存在。そんな一に、いきなり「お前は俺の“運命の相手”だ」と宣言された山本珠美は、それから彼に振り回される毎日を過ごすはめに……。学園ラブコメ。全2巻。

●感想
  実のところ、この本の第一巻を読むまで、この作家の存在を知らなかった。それは、単に私が講談社が出している少女漫画およびレディースコミックの月刊誌や週刊誌を、ここ何十年もの間、まったく読んでいないからに過ぎないのだが。
 そんなわけで、最初にこの漫画の1巻を手に取ったのには、特別な理由は何もない。カバーに載っている解説を読んで、「何となく面白そうかな」と買ってみただけだ。絵柄が気に入ったわけでもなければ、私が「学園ラブコメ好き」というのでももちろんない。
 それで、実際に読んでみた感想は、“そこそこ”といったところ。10年後にもまた読み返したいほどの感動もなかったけど、「金返せ」と言いたくなるような駄作でもないと思う。それなりに面白く読めた。
 この漫画の主人公・タマミにからむヒーロー役・一(にのまえ)は、「勉強もスポーツも万能で、しかもクールでモテモテ」という少女漫画の学園ラブコメにありがちなキャラクター。こうしたキャラクターが出てくるだけで、ストーリーが面白くてもちょっとゲンナリしてしまう。最近はそれでも少なくなったほうだが、昔から描いている大物漫画家の中には、今でもこうした設定を多用される方もいることも事実。もちろん、そうした「ありがち」なキャラクターが登場する必然性があれば問題ないし、話の中で生かされていれば文句もない。この漫画は、その「ありがち」な設定をうまく逆手にとった好例だろう。むしろ、最初に「ありがち」なキャラクター設定ありきなんだろう。この作者の他の作品を読んだことはないが、もしかしたら似たような主人公ばかり出てくる既存の少女漫画に対しての揶揄が、この作品の根底にはあるのかも知れない。と、それはあまりに深読みしすぎか。

1999/11/12