BOOK

 痴人の愛 / 谷崎潤一郎 - 東京 : 新潮社, 1947. - 317p ; 15cm - 440¥

変態小説家・谷崎潤一郎の代表作の一つ。小娘との変態プレイにハマッたどうしようもない 男の姿を描いた作。谷崎の前期作品の集大成である。
元々変態おぼっちゃまであるだけの男・谷崎潤一郎が純文学小説家として「たんびは」 などと言われるに至ったのはひとえに彼の文章能力が傑出していたゆえんである。
文章の美しさという点では、まさに当代随一といえるであろう(--)(__)
だが元々そんだけの男である。「なんとなくカッコいいから」という理由で何となく 小説家になった彼はいざ原稿用紙に向かい、はたと気づいた。そう「・・書くことがない・・」。
人生に厚みのない彼はマトモな純文なんか書けんかったんである。 そこで彼は少ない脳味噌をフル回転させ考へた。 単純な彼の頭脳には 「他人より自分がスグレている部分=女性経験=これを小説化」 という構図が浮かんできたのであろう。ほとんど中学生の同人誌、又はT大学のNマニアさんと 同じレベルである。ただ、彼にとってラッキーだったのが先に述べたように彼の文章能力が 只者ではなかった点である。そのおかげで彼の小説は「もしかしてすごく奥深いのかもしれない」 と勘違いされまくり、そのまま現在に至る。迷惑な話である。

お薦めランク
関連項目:


明暗 / 夏目漱石 - 東京 : 新潮社, 1947. - 317p ; 15cm - 440¥

 日本でこの人を越える作家は出ないであろう夏目漱石の未完作。
痔に苦しむ主人公が温泉に静養にいく。静養に行く前の家族・友人間の確執が前半 静養にいった先で過去の恋人と巡り会い語らう部分が後半となっている。そしてこの 後半部分の前哨戦で未完となっている。我が儘な人たちがたくさん出てくるお話。
 漱石って実は「心」以外マトモに読んだことないんだよね・・。「三四郎」は主 人公がうじうじしてるのがイヤで100ページぐらいでやめちゃったし、「草枕」 なんて冒頭部分しか知らない・・。「明暗」は読んだけど良くわからんかった。
いつの日か、読み返して真意をくみ取ってみたいね。

お薦めランク
関連項目:


虚空遍歴 / 山本周五郎 - 東京 : 新潮社, 19. - p ; 15cm - ¥

 浄瑠璃作家・中藤中也は浄瑠璃師としての地位、美しく優しい妻、財産に恵まれ 何不自由ない生活を送っていた。が、その様な恵まれた環境の中にいては本物の 浄瑠璃の節を編み出すことは出来ないと感じ、厳しい生活や体験を求め旅に出る。 様々な貧しい暮らしや体験を繰り返し、彼の浄瑠璃は確実に高まってゆくが、彼の 求める理想の節は編み出されないまま、旅の途中で倒れる事になる。
 この作は天才・山本周五郎氏の後期長編時代小説であり、周五郎の芸術観を表した 作品であろうと思われる。

お薦めランク
関連項目:


よじょう / 山本周五郎 - 東京 : 新潮社, 19. - p ; 15cm - ¥

 天才・山本周五郎の中期短編。短編ながら周五郎の後期作品に与えた影響は大きく この作以後、文章表現・構成・内容いずれにも大きな進歩が見られる。
 遊び人の下級武士・岩太の父親は、宮本武蔵に手打ちにされる。父親の死に対し、 岩太は特別な感慨を持たないが町の人々は岩太が武蔵に仇討ちをするものと思いこみ、 岩太に同情し、多額の寄付を寄せる。それをそのまま持ち逃げしようとする岩太だが その矢先、武蔵が病気で死んでしまう。武蔵は鎧を切り裂いて恨みを晴らしたという 中国の故事「よじょう」にならえと自分の鎧を岩太に残すが・・・
 英雄・武蔵を笑いのタネにするという思い切った作品。周五郎の「英雄嫌い」が 顕著に表れた作。おもしろいよ。

お薦めランク
関連項目:


おかしな事を聞くね / ローレンス・ブロック(田口俊樹訳) - 東京 : 早川書房, 1992. - 442p ; 15cm - 640¥

推理物(?)短編集。
悪徳弁護士の主人公が殺人を犯した依頼人を無罪にするために使った手段は・・・。
など、結末で大どんでん返しというショート・ショートのお約束を守った作品である。
 

お薦めランク
関連項目:


グリーン・レクイエム 新井素子 忘れた。

 読んでいて時間がもったいないと思ったのはこの本が初めて。
 髪が緑色で植物と人間の合いの子のヒロイン(実は宇宙人)と人間の男の子の恋愛話。 話の構成自体は面白いけど何故か読み物としては全く面白くない・・。まあ背表紙が ピンクとかの出版社から出すならこれでもいいけどね。しかも驚いたことに続編まで 出てるのよね、おおっとこりゃあ驚いたと思ってたら中の文章を読んで更にびっくり、 前作から二年位経っているにも関わらずあまり進歩がない・・。まあ小説ってのは人 好きずきだからこういう文体が良いって云う人も多いのかも。

お薦めランク
関連項目:


白痴 / ドストエフスキー(木村浩訳) - 東京 : 新潮社, 19. - 1152p(上・下) ; 15cm - 1160¥

 作者の考える「最も美しい人間の姿」を描いた物語。
 ドストエフスキーの作品の中で最も日本人に理解されやすい作品だろう。
 ロシアの社交界の面々は欲望・嫉妬・羨望などの感情に満ちており、人々は一様に 他人を卑下し、強い自己顕示欲を持っている。だがスイスからやってきたムイシュキン 公爵は全く高潔で無邪気な心を持っていた。社交界に躍り出た彼は皆から愛され、同時 に人々の奢った心に波紋を投げかけてゆく。
山本周五郎の「さぶ」に通じる部分がある。(←これが書きたかっただけかも)

お薦めランク
関連項目:






このページに対する意見・苦情があった場合は下記のアドレスまで。
管理人の判断により「周五郎ネタ」以外の論は簡単に取り下げる場合があります。