みるくるみ 第1話
〜 女の子のヒミツ 〜

「みるくがおかしく見えるとき?」

身に覚えのない来海くんは、戸惑いを隠せませんでした。
「いろんな意味でいつもおかしいよ」と笑い飛ばそうとしましたが、あまりにも真剣に尋ねるので、来海くんも必死で考えます。
しかし、何も浮かばない来海くんは、困った様に首を傾げるだけ。

「本当に、心当たり無い?
 私が、泣いたときとか、怒ったときとか、覚えてない?」

それ以前に、来海くんは女の子を泣かせたことなんか(多分)ありません。
怒らせた事ならあるか、と思い一生懸命思い出そうとしました。

すると、ある事件が記憶の底からポンっと飛び出してきました。
それは来海くんが小学生だったころの時。
来海くんは、みるくちゃんの家の犬にちょっかいを出して殺されそうになったことがあったのです。
鋭い犬歯で喉元を食いちぎられそうになった所を、
激怒したみるくちゃんに助けられたのでした。

その時のことを思い出すと、今でもいつでも自嘲してしまいます。

「ほーら、犬、犬。コレが欲しいか?」
「ワン!!!」
「よーし、そうかそうか! じゃあ3回まわってワンと鳴け!!
 そして僕の前にひざまずけ!!!」

みるくちゃんの犬はとってもおりこうです。
みるくちゃんが何か言うと、必ず芸をするのがたまらなく悔しくも羨ましい来海くんでした。
そこで、何か来海くんも芸を仕込ませようと、なけなしの小遣いで買ったうまい棒(なっとう味)を犬にちらつかせていた時のことです。

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