みるくるみ 第1話
〜 女の子のヒミツ 〜

みるくちゃんの犬、ラテは賢くも凶暴な犬でした。
恐る恐るうまい棒(なっとう味)をチラつかせていましたが、
来海くんのお腹が突然「ぐぅー」と鳴ったのです。
上を見上げれば、お日様は頭のすぐ上。
もう少しで、12時のチャイムが鳴る頃でした。
手中にあるお菓子と、目の前でソレを狙っているラテを見比べます。
結果。

「やっぱあーげないっ!!」

ばくっ

来海くんの空腹が勝ちました。ラテの目の前で、ちらつかせていたうまい棒を、一口がぶりと勢いよくかじります。
しかし、珍味に出逢えると思っていたラテは驚きました。
あんなに誘っておきながら、まさかこんな形で裏切られるだなんて。
いたいけな子犬には予想も出来ない展開に、低い声で唸ります。

「お、怒るなよ!! ぼくだってお腹が減ってたんだい!!!」
「ワン(冗談じゃねーよ)!!
 ワンワンワン(騙しやがってこのクソガキシバくぞゴルァ)!!!」
「ギャーーーーーーーーーーーー!!!」

突然、ラテが来海くんに飛びついて来ました。
抵抗する暇もなく、鋭い牙が来海くんの喉元に刺さります。
「嗚呼、短かったなぼくの人生」と今までのことを思い出していると、

「コラーーーーーッ!! ラテーーーーーーーーッッッ!!!」

正義のヒーローの如く何処からともなく現れたお姉さんが、
来海くんに張り付いているラテを引っ剥がしました。

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