ジャクジキョウ0003
アイアムノットアフェミニスト
「男に負けたくない」とか言ってしまう女がとても嫌いだ。
ほんとに、友達にもなれない、と初対面で確信してしまうほど嫌いだ。
今時そんなこと言うヤツはいねえだろ、と思われるかもしれないけど、ほんとにこういうヤツはいる。
別に人それぞれだからいいだろ、なんて思うけど、あたしはそんなヤツとは友達になれない。
例えば、
あたしは入れ墨を入れた友人が非常に多くて、つきあった男も割とそういうヤツが多くてなんの抵抗もない。
(過去に自分自身もいれたことがあるけど、彫り師見習いに入れてもらったので消えちゃった)
むしろ、そういう環境でずっときてるから、初対面の人で「あー、何話せばいいんだろう、困ったなあ」なんて時も、その人の袖からチラリと色ののった肌が見えたりしたら、割と簡単にうち解けることができる。
最近知り合った男の子がとても礼儀正しい人で初対面では何話せばいいんだろ困ったな状態で、でも2回目会った時袖からのぞいた腕にとてもきれいな入れ墨が施されていたので「なんだ、そういう人なら最初に言ってよー!それ何柄?」なんて盛り上がってしまった。
むこうも最初は「俺かなり必死でかくしてたよ、なんだ、こういうの大丈夫なんだー」と笑っていたけど、「そういう友達多いし、今までつきあった男もそんなの多いからねえ。」と言うと、彼はちょっと間を置いて「うーん、そっかあ、でもさあ、女の子はそういうヤツとばっかりつるんでちゃ、ダメだよ」と少し真面目になった。
「消えちゃったけど、昔自分も入れてたし。」と笑いながら言うと、「もったいないじゃん、せっかく女は男よりきれいな肌持ってんのにそんな事したら・・・。うん、やっぱしあんましよくないよ、女は。」と今度はかなり真面目な顔で言う。
あたしはこういうとき(自分がこれから入れ墨を入れようと入れまいと)、例え相手が恋愛対象じゃなくても、すごく自分がキレイなものとして扱われているような気がして、じんわりと嬉しくなる。
だけど、自称フェミニストの友人に話すと、「なんで女は、とか言うのソイツ」と憤慨してるし。
あーあ、いいじゃん、女はウツクシクカワイケレバ。
そして男が「女より男の方が優れてる!」なんて言っちゃってる時は「そうね」なんてにっこり美しく笑ってあげればいいんじゃないの?
それができるのが女の強さなんだからさあ。
・・・・・・・以上、個人的に嫌いなあの女への私信でした。多分読んでないけど。
あたしは
常識を逸したモラリスト。
センチメント
こんなふうに歩いた事があるなあ、と思う。
こんな天気の日にこんなぬるい風の中をゆっくりこんなふうに歩いた事があるなあ、と思い出す。
手をつないでいた彼のことをそのときはとっても愛していたはずなのに、今はもう、彼の手の温度とかそんな事は覚えていない。
そして今彼がどこで何をしていて何を見ていて何を愛しているのか、そんなことももうわからないくらいあたし達は離れている。
そのことは哀しいとか痛いとかそんな感じじゃなくて、ココロの中にあったあのときのしあわせな気持ちがほんの少しよみがえって、そしてしあわせだった思い出は往々にしてすこし胸が締めつけられるもので、あたしはほんのすこし泣きそうな気持ちになる。
手をつないでいた彼の不在を思って、ではなく、あの頃のしあわせなふたりの不在を思って。
ただ一緒に歩いていただけで微笑みがこぼれるほどしあわせなふたり。
もういないのだ。
生ぬるい春の散歩道。