
第1章ー1
JACK君とその仲間
〜WAXハカセ登場
「ネエ、ネエ、ハカセ〜、レゲエとスカってどう違うのですか?」
メイタルズを聴いたジャック君はとても不思議そうです。
ボブ・マーレーの大好きなジャック君、遂にレコード屋さんで
スカに手を出しちゃった。
<アラアラ大変>
ジャック君:うーん、ただのウェイラーズの頃のマーレーさんも
メイタルズも皆ドレッドヘアーじゃないぞ!そっか!パンチパーマ
の人がスカでドレッド・ヘアーの人がレゲエなんだ〜。
<ジャック君、ちょっと違うんじゃない?>
<困ったときはハカセに聞こう。ねーハカセー!!!>
<ハカセ>
髪型に着目したのはいい所をついておるゾ。
スカというのはそもそもジャマイカのミュージシャン達によって
作り出されたものじゃ。ジャズやリズム&ブルースといったアメリカの
音楽、それからカリプソやメントといった地元カリブの音楽、
こういった種々雑多な音楽をプレイするミュージシャン達が、彼ら
なりにジャズ/ブルースを演奏するうちに、あの「ンチャ、ンチャ」
という裏拍を強調するプレイスタイルが産まれたらしいのじゃな。
50年代のジャンプ・ブルースというのものも、「もともとは同じ」なの
じゃ。
では、年代的説明を。
ジャマイカの独立が62年。このお祭りムードと、スカの気分が一致。
バックビートはより強調され、曲は勢いを増し、スカの黄金期に
突入。現在言われる“オリジナル・スカ”とは62年〜66年のものじゃ。
この時期は猫も杓子もスカだったわけで、若き日のボブ・マーレー、
ジミー・クリフ、そしてメイタルズもみんなスカをやっていたじゃよ。
そして、その大概を演奏していたバック・バンドがスカタライツとなる。
次に流行したのがロック・ステディじゃ。
スカの速いビートに飽きたのか、ソウルの影響を受けたのか、
はたまた一説には66年の夏がとんでもない猛暑で、スカのような
速いビートではとても踊れないから・・・などなど諸説あるが、
ともかく、ビートが緩くなったのじゃ!
ここで音楽的包容力が生まれたのじゃな。
テンポが遅くなったことにより、ベースラインは8分音符、16分音符を
刻むことが可能になり、ギターは全ての拍の裏に「ンチャカ」を入れるの
ではなく、1拍目と3拍目だけにしてみよう、といった考える余裕ができた!
(ギターについては半分冗談の想像)
そして登場したのがレゲエ。
乱暴に区切れば62年からがスカで、66年からがロック・ステディ。
68年からはレゲエ(「DO THE REGGAY」じゃ)ということになるんじゃ。
じゃあロック・ステディとレゲエの違いって何?と問われると
話が長くなってしまうので、それはまた別の機会に。
一つの答えとして、スカとレゲエはまず年代が違うということ。
髪型がいいポイントだと言ったのも、まさにそこじゃ。
スカの時代に短かった髪が伸びてドレッドになったのじゃ。
ボブ・マーレーもスカ時代はオーティス・レディングのような
髪型だったのが、初期レゲエ時代にはアフロ状態になり、72年の
世界デビュー時にはドレッド(まだ短いけど)になっているのじゃ。
ちなみにメイタルズも上記年代に合わせて、音楽のスタイルを
変えている。ただロック・ステディ期にはリーダーのトゥーツが
刑務所にいたのでロック・ステディ作品はない。
その後、レゲエ期の作品がいわゆるレゲエっぽくないのは、メンフィス
ソウルの影響を強く受け過ぎたからじゃ。同時にスカっぽいテイストも
残した作品が多いのでジャック君もスカだと思ったのかも。
でもレゲエ期のメイタルズの作品は、ほぼスカではなくオリジナル・
レゲエの範疇に入ると言える。
さて、ではパッと聴きの判別法は?ということにも答えなければと
思うけど、どんどん長くなりそうなのでそれはまた今度。
アイリーの道も一歩からと云うではないか。
フォッフォッフォッフォッフォッ。