第2章ー5
ラスタとレゲエの違い

さて、「ラスタ=レゲエ」ではない、ということじゃが、レゲエは
ラスタの公式音楽である、というような勘違いがされがちだからじゃ。
実はラスタには「ラスタ民謡」とでも言える音楽があるのじゃ。
それは、ナイヤビンギとも呼ばれるもの(ビンギとも呼ばれる)。
レゲエ・ファンの人は何度か耳にしたことがある言葉じゃな。
この「ナイヤビンギ」という言葉、そもそもラスタの集会のことを
指していた。その集会ではラスタの人が輪になって集まり、ガンジャを
吸いながら、一晩中ドラムの演奏をしながら、歌い、踊るんじゃ。
ドラムといってももちろんドラム・セットがあるのではなく、ベース、
フンデ、リピーターと呼ばれる大中小の太鼓のことを指すのじゃ。
この太鼓群が「ドンドンパン、ドンドンパパ、・・・」というように
繰り返されるスタイル、それがナイヤビンギなんじゃ。
このナイヤビンギ・ドラム、70年代にはレゲエのアレンジに積極的に
取り入れられた(90年代にもリヴァイヴァル)。ボブ・マーレーの
「TIME WILL TELL」などは、もろナイヤビンギ・スタイルじゃな。
また、ナイヤビンギの演奏者であるラス・マイケルが、レゲエの
ミュージシャン達とコラボレイトしたのも有名。
ラスタ思想が多くのレゲエ・ミュージシャンに支持されたこと、そして
ナイヤビンギとレゲエの音楽的相性が良かったこと、この2つの理由に
よりこれらの音楽はクロスオーバーしてきたのじゃな。
ところがハードコアなラスタからしてみれば、レゲエは所詮世俗の流行歌。
いくらナイヤビンギ・スタイルを採り入れようとも、ラスタ賛歌を歌おう
と、レゲエはラスタの「宗教音楽」ではないのじゃ。ラスタの宗教音楽は
あくまでもナイヤビンギである。こういったスタンスを取る者もいるんじゃ。
とは言うものの、大部分のラスタはボブ・マーレーを支持しているはずだし、
ルーツ・レゲエが好きなことは間違いないのじゃよ。
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