「おばさんパーマ建築」・・・・施主は典型的な、かかあ天下の家族であった・・・。そして、そのたくましい婦人は、あまり世間では聞きなれない「おばさんパーマフェチ」であった。もちろん婦人もおばさんパーマをあてていたのだが、その婦人はなんと、自分だけにおさまらず「住宅をおばさんパーマにしてやっておくれ!」という依頼をしてきた。
 そして、なかば強引な状況の中、設計ははじまった・・・。
設計の中での最大の問題点は、「おばさんパーマ」の髪の素材を何にするかであった。「あのおばさんパーマの跳ねぐあい、チリチリぐあいをどう表現したらよいのか・・・。」
 そして熟考のすえ思いついた素材が、理科の実験でおなじみのスチールウールである。スチールウールのざっくばらんな跳ね、とび、チリチリ具合はおばさんパーマに打って付けであった。
 そしてこの「おばさんパーマ建築」の竣工直後は、スチールウールの黒色の中に、シルバーが所々に見え隠れするため、ちょっぴり街の人々に老けた印象を与えてしまうが、時がたって、雨、風が「おばさんパーマ」に降り注いでくると、スチールウールの特性であるサビによって色が茶色に変色し、若返った印象をあたえてくれる。そして、この「おばさんパーマ」は、その形態から小鳥達が巣を作り、ひとつの生態系を生む可能性をも秘めているのである。


パーマをかぶった住宅は、「不気味」の一言につきる・・・。




月日が経った「おばさんパーマ建築」・・・どことなく若返った印象を受けてしまう・・・。