TOPページ
おとなの絵本
作者プロフィール
光という光を


君のその夢か髪か
その端に私を結び ここまで 
どこまで
行くことも 来ることも
体温ほどの涙に濡れて
ひとつになる

君の細く長い
よくしなる首に
挨拶のようにそっと
噛みついたり あるいは
低い声で君の顎を
かすめてゆく時
君の視線が浮いてきて
私を捕まえようとする両腕が
部屋中をゆっくり
回りだす

朝の寝台では必ず私が先に
目を覚まし
夢の後の
君の散らかった
記憶や 遠い指先や くるぶしを
集めてきて
君の目覚めを準備する

私の眠りの底へ
君の笑顔が降りてきて
私の夢に触れてゆくから
私も笑顔で送ってしまう

夢の始まりはどこだろう
わからなくなるから
目印を置いてきて
時々振り返る
引き潮に洗われた丸い石を
夢の始まりに半分埋めておこうか
それとも
君がそこに立って
時々しかってくれるかな

夜明けとは
世界が光となり
君を満たすこと
体温を脱いだ君の素肌に
耳を当て
もう一度 君の声が
聞きたかった
光という光を 君に