その2
夕刻、花子は気を取り直し、夕食を買いに出かけることにしました
一階のロビーの前を、少し気取って通り過ぎようとしたら、「ハーィ HANAKO」と声を掛けられました.
何だろうと、振り返ると事務所の女性が呼び止められた。花子は今日かかってきた電話が、事務所からとは気が付いていない.
「クーン ハナコ ムァワンニー ルーム クラパオ チャイマイ カー?」
「花子さん昨日、バッグを忘れませんでしたか?」 と女性(これから時々出るので名前をノイさんとしておきます)が言う.
花子は買い物に行くのに、最初から練習したタイ語を使おうと気持ちの準備が出来て、出て来ているので、
先ほどの電話のように日本語しか出ないということは無かった.ましてや、会話の本も持ってきたし………
それでも相手が言っていることは、相変わらず分からない。
花子は 「アライ カー?」 タイ語…タイ語…やっとタイ語が出ました。お見事! 「何ですか?」 と聞いた.
ノイは先ほどと同じように 「クーン ハナコ ムァワンニー ルーゥム クラアパオ チャイマイ カー?」 と言う.
花子もまた、「アライ カー?」 と言う.これでは何回繰り返しても同じである.
たまらずノイは手招きで事務所に来いというしぐさである.そしてバッグの所に行き
「アンニィ クラパオ クーン チャイマイ」 「これはあなたのバッグではないですか?」 と言う.
花子は言葉がわからないが状況を見、昨日、バッグを忘れたことに気がついたのである.
花子は思わず 「そうです。私のです!」 と日本語で…… それから慌てて本を取り出し 「コップン カー」
「ありがとう」 とノイにタイ語で言いました.
花子はバッグを一度、部屋に置いてくれば良いのに、そのバッグを片方の肩にかけ、意気揚揚と買い物に出かけました.
しかし、先程の出来事で、部屋の中で、買い物に使うだろうと覚えたタイ語をすっかり忘れてしまいました.
歩いて五分ほどすると、大通りにで、その道端にブッフェ スタイルのように沢山のおかずが並べられていた.
なにしろ、全てがタイ料理であるから(当たり前である)思わず、花子は感激した.大体が、辛いものが好きで、
見るからに辛そうな香辛料がかなり効いているような料理ばかりだ.当然料理の名前など分かるはずがない。
もっとも知らなくても現物があるのだから、全然、問題ない. 花子はバッグを肩に掛け、本を広げながら言う言葉を捜し、
料理の中でも辛そうなのを指差し 「コー アンニィー ノーイ カー」 とタイ語で話した.「ちょっと、これを下さい」
売り子のおばさんは 「アライ カー?」 と言う。解らない様子だ。
花子の使ったタイ語は間違ってないのだが、本を棒読みし、発音が悪いので相手には、意味がわからない.
特にタイ語の場合、言葉が上がったり、下がったり、発音しない文字があったり、のばしたり、つめたり、と複雑である.
例えば、日本語で書く言葉で「マー」この言葉でものばし方、上げ、下げで、全然違う意味になってしまう.
「来る」「犬」「馬」などの意味になる.
売り子のおばさんも、ここらで日本人が買いに来るということは、余りないので日本人ならこういう時、こういう事を言う、という慣れも無い.(特に地方に行くと我々でも通じずらい)後日触れるが、大体働いてる人はイサンの人(タイ東北部の人)が多くかなり、ラオス語が入っている。
花子は慌ててしまい、繰り返し 「コー アンニィー ノーイ カー」 と言う。おばさんは何か質問されているのか、何を言いたいのか分からない様子???
花子は周りで買い物をしている姿を見ると、他の人は指をさしているだけなのに、ちゃんと買えている.
花子も、何も言わずに、ほしい料理に指をさし、人差し指で1の合図をしたら、分かったようでおばさんは笑顔で備え付けのセルロイド風の袋に詰めてくれた.
花子は 「タオ ライ カー?」 「幾らですか?」 と聞いた。今度は何とか通じたようで、
おばさんは 「シップ バーツ」 「10バーツ」 と言い、花子も分かり10バーツ支払った。こんなに安くていいのだろうか?
おばさんは 「コップン カー」 いや………本当にお見事!!!
それ以外に、後、2品目、買い最後に,ご飯一袋買った.合わせて35バーツ(大体、日本円で約100円)である.花子は大感激である。
好きなタイ料理が3品目(一つがカレー用の皿に一皿)あり、それに、ご飯…………それだけで幸せになってしまった、 今日のトラブルも忘れ、タイ語も通じてきたし……<私 しあわせ……タイに来て本当に良かったなぁ!☆☆☆☆…>としみじみ思った。
ところが、先ほどから、風が吹き、ぽつぽつと雨が降ってきていたのです.日本のように、本格的に降るのには、時間がかかると思っていましたが、 タイの雨は違います.降ってきたと思ったら、あっという間に日本の夕立のようにワーと来ます.
花子は、バッグを担ぎ今、買った、おかずを手に、慌てて、帰りはじめましたが、時すでに遅く、ビシィとくるような大きな雨粒が降ってきました.荷物を持っているため走れず、急ぎ足でマンションに向かうのだが、その雨のすごいこと、夕立ではなく、台風の雨と同じなのだ まるで雨が横から降ってくる感じだ.
体中、びしょ濡れで、前も、雨で良く見えない <チュアイ ノーイ!> <誰か助けてー!> と叫びたい気持ちである!
(タイ人は、すぐ止むのを知っているので皆、雨やどりしている)。歩いているのは、花子一人だ、それもバッグを担ぎ、
なんとも、いわれない光景でした. もし、花子さんを知っている人なら、花子「ガンバレー」などと、声援がくるかもしれない?
それでも、マンションにつくと警備のおじさんが、にっこりと笑って出迎えてくれました.
<何がうれしいのよ!>花子は顔では笑顔を浮かべながら <しっかり、居眠りしないで警備しろよ!>と心の中でつぶやいた。
部屋に入り、ぬれた洋服を着替え、ベランダに干そうと出ると、今までの雨が嘘のように、もう上がっていました.
花子は、思わず、ベランダにへなへなと座りこんでしまいました.
花子は気を取り直し、食事をすることにした.タイ料理はスプーンとフォークを使い食事する.いたって簡単だ.
おかずを皿に盛り、ひき肉と野菜を炒めた料理を、スプーンに入れ、口の中に入れた、その途端、口の中が火のついたような痛みというか辛さと言うか判断つかないくらいである。口の中はしびれ、涙は出てくるし、慌てて水を飲んでも一向に、治まらない。
しばらく、口をあけ、はあー、はあー、と息をつくと白い煙が出ているのじゃないか(オーバー)? これがあこがれていた、タイ料理なのか?人間の食べるものなのか?
日本で隣のどら猫に食わせてみたいなどと考える余裕も無く、ただ、ただ涙を押さえ水を飲むだけだ.
タイ料理の辛さに水を飲んでも余り効果は無く生野菜などを噛むと比較的早く辛さが取れる.
(料理によっては最初から野菜が一緒に付いてくる)
「以前食べたタイ料理はこんなに辛くなかったはずなのにどうして???」 と花子はもうろうとする中つぶやいた.
タイでは、観光用のタイ料理など外人向けに特に辛さ、香辛料など控えている.まして、日本で食べるタイ料理なんかは 日本人の口に合わせている.花子は一般のタイ人が食べるタイ料理の中でも、特に辛そうな料理を選んできた訳だから当然だ.
かれこれ30分くらいすると、幾らか痺れが取れてきたような気がしたが、もっと食べようという気にはならない.今日は諦めて日本から持ってきたインスタントラーメンを食べることにした.しかし、何を食べても辛さが残っている.
タイ人は冗談で日本料理はおいしくてもすぐ忘れる.タイ料理は長く覚えている。とはこのことである.タイ料理の基本味覚は甘い、酸っぱい、辛い、である。全てではないがほとんどの料理に唐辛子が入っている.唐辛子も小さく、緑色のが辛く,私は、料理の中から探し出し取り除いて食べます.
花子が食べたのは,この唐辛子です.大きいのは比較的辛くなく食べられます.
また、食べ方もタイ人の食べ方を見ていますと、女性でも大きく、口をあけスプーンを口の中まで入れるように食べています.良く分かりませんが舌の先のほうが辛さを感じ易いのでしょうか?
タイ料理と言えば {トム ヤム グン}と言う料理はかなり有名である.トムとは煮る事であり、ヤムは酸っぱい、辛いという意味で、グンは海老である。日本風に言えば{海老入りの酸っぱい、辛いスープ}と言うことです.{カーォ パット}{ご飯 炒める}{チャーハン} {バミー ナーム}{麺 水}{ラーメン}。 {タイスキ} {タイ風すき焼き}タイ語の{スキ}は日本語から来ている。
注文の仕方はもし、水が欲しいとき{コー ナーム ノィ カー} {ちょっと、お水を下さい}と言います、ナームの部分に食べたい料理名を入れれば通じます.
次回は花子が町に買い物に行く様子を書きます.
注意 タイ語は日本語で書くとちょっと違うところがありますがあしからず! |