『 の ら 観察日記 その1 』

雨が降ったりやんだりぐずついたお天気、そんな夏の日に
一匹の猫がベランダにやって来た。
目がギョロッとして痩せた猫、ちょっとこわい顔だな〜!

「チッ!気持ち良く寝てたのに!
最近雨が多くて乾いた所がないのよ。」

「なんでこっち見てるのよ!
 間抜け面したへんな人間だね。」

「いまはやりの危ない人間じゃないの?
 用心しなくっちゃ!」

「そんなに睨まないで!ゴメンヨ昼寝の邪魔だた?」

「お腹すいてるの?」

「キャットフード食べる?」

なぜキャットフードが部屋にあるのかというとですね。
先日なにげなくペットショップに入り、ボーっとじゃれ遊ぶ子猫を
見ていたら時間を忘れてしまったらしい。
気がつくとお店の中は店員さんと二人だけ。お客さんが来たら
そっと外に出ようと思いさらにボーっと猫をみていた。
しかし、お客さんは来なかった。
うっ!ついに店員さんに話しかけられてしまた!
そこで、私は猫を飼っているふりをしてキャットフードを買って
店を出た。
そんなわけで私の部屋にはキャットフードがあったのです。

ガラッと窓を開けると猫がいた。
ベランダで寝ていたらしい。

よほど空腹だったのか警戒しながら近づいてきた。
いつでも逃げられる体制をとりキャットフードを食べる。

「人間を信じちゃダメ!
        痛い目に遭うワ!」


「う〜だけどお腹はペコペコよ!」

「我慢できない!」

「あの人間ボーっとしてる
 私の柔軟な筋肉と鋭い爪があれば
 だいじょうぶカモ!
 エ〜ィ!食べてしまえ!」

「あ〜久々の食事! うまい!」

「キャットフードをうまいと感じるなんて!
                  私ったら・・・」

「クゥ〜! たまらん」

食べ終わって正気に戻るのら猫さん。

「ねぇ、おいしかった?」

「もっと食べる?」

「うっ!しまった食べることに
 夢中になってしまった。」

「なに見てるのよ!
 パクパクなんか言ってるワ」

「一言いってやろうかしら、この白くて
 四角いヤツ!」

「とってもマズイ!」

我に返って立ち去るのら猫さん。

「サッ!お腹もふくれたし
           早いとこ帰ろう」

「あいつまだ見てる」

「非常食用としてこの場所は
 覚えておくワ」

のら猫さん、食べ終わったたらサッサと行っちゃた。 バイバイ のら猫さん。
                                                  つづく 

白くて四角いのはカニです。のら猫さんはカニが嫌いらしい。
その後も白くて四角いカニは食べることはなかった。

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