クリムトの作品の主役は、常に女性、あるいは女体でした。その中に、「生」と「死」を見て取ることができます。

JUDITHT(ユーディットT)
今から15年程前、私が初めてクリムトの名前を知ったのは、この作品を見たときでした。妖しげで陶酔したような表情をした女性、手には男の生首。そのときの衝撃は忘れられません。この絵をきっかけにクリムト、そしてウィーンにのめりこむようになりました。
ユディットは、敵の陣営にまぎれ、敵将ホロフェルネスをその美貌で油断させ
寝室で首を切り落とし、同胞を救った女性。この表情は、目的を達し国を救うことに満足するだけで得られるものでしょうか?


医学
ウィーン大学講堂の天井画のひとつ。それまでの伝統から逸脱した多数の女体がうごめくこの絵は、教授たちからの総反対をくう。後に焼失する。

ウィーン美術史美術館天井画
どちらも、ウィーン美術史美術館の階段ホールの内装。クリムトが若くして、装飾画の世界で認められた証です。
DANAE

うっとりとした表情で、眠る女性ダナエ。左がわに見える金色の帯は、黄金の雨に姿を変えたゼウスであり、男性性器を象徴していると言われています。神話を元にした作品ですが、恋人の一人、アルマがモデルだといわれています。発表当時は「洗濯物のように丸められた女性と、男性性器」という構図が、問題となったと聞いたことがあります。
Beethoven Frieze(部分
ベートーベンの交響曲第9番を題材に描かれ、分離派展に出品されました。分離派会館の地下の壁一面に絵が展示されており、圧巻です。人生のドラマ、生の喜びを描いた超大作です。
DER KUSS(接吻)
大好きな作品で、言わずと知れた名画。きらめく黄金の中で抱き合う男女。女性の恍惚とした表情。しかし、足元の花畑の先は、断崖絶壁のようです。絶頂期の愛の幸せとそのすぐ後ろにある死の恐怖を描きたかったのでしょうか?男女の指先の表情に、個人的に注目しています。