どうしても君を愛してる
その誰も入る隙間もない
漆喰などで密封された
綺麗な部屋が出来上がった
外のつくりは見たことがない
二人はその部屋の中で愛し合うから
外のつくりは見たことがない
その完結したガラス玉のような時間を
くりかえし、くりかえし
二人は外のつくりを見たことがないから
あなた見てきてと背中を押す
気になって、気になって
僕が外に出てその外のつくりを見てみようと
ふりかえると
いつもながらに部屋がない
くりかえし、くりかえし
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二人は空っぽになるまで愛を吸い続ける
あなたに空っぽにされても私はあなたの愛を吸い尽くしたので大丈夫です
二人の愛が混ざった訳ではありません
愛はそれぞれに居場所を変えて満たされるのです
あなたがどこかに一滴でも愛を隠している妄想にかられ
また間違えて愛を吸ってしまうと
それはあなたの愛でなくあなたが吸い尽くした私の愛であったので
変わりに私が吸ったあなたの愛がポロリと零れてしまった
怒ってそれを吸い上げるあなたの顔は
とても女神のようでありました
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吐き出る愛と愁い
痛い音、痴れ者の弾け出る匂いと音
君のまが玉に似せた首飾り
ぶらさがる君の想いにボロボロの布きれをかぶせて
吐き出さずに歌う愛と愁い
あの時二人買い物に行ったスーパーで頭に焼き付いた文句
"アルカラーゼ酵素が汚れを分解"
無言のままスーパーから出てきて二人
覗き込む様にして互いの心を剥きあった
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つっぱねた空模様
てくりてくりと海まで散歩
今日はいつもの潮の匂いがかげない
ただいまという台詞を用意して迎えてくれる者のいない玄関に似た情景
空を仰いでも相変わらずつっぱねた具合
波のリズムはただ味気なく耳の傍らをなめる様に通り過ぎる
自然は愛にしらけた大きいベッドの様です
自然はそしらぬ顔であなたの愛を飲みつくし
カラカラに
延々と、覚束ない地球の玉乗りをあなたは真面目に続ける気なのでしょうか?
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二人の天使が降りて来ます
曇り空からイヤそうに二人の天使は降りてきます
しかし二人は天使ですから
二人の手につながれて、私はこの世にいることも忘れてしまい
ある日二人の天使がけんかをしても、二人の羽は綺麗でした
私はというと天使ではありませんから、地上を離れることも出来ません
用事を思い出した二人の天使は私を置いて一度空へ帰ろうとします
当然私はイヤですから、必死に二人に頼みます
行かないで、行かないで、と
しかし二人は天使ですから涙の零し方すら知りません
私は必死にしがみつきやっとのことで一人の天使の羽を剥がしました
やっとのこと一人をとどめることが出来ました
一人は自由を装い曇り空へと帰っていきました