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QV5700
不思議な機種である。日本製なのに日本に無く、それがフラッグシップだった。
まあ軽自動車メーカーが作った普通車を海外で売っていると考えればいいのかも知れない。
ただ一つ違うのは国内販売されないQV5700の海外評価はかなり高いのだ。
いくつかの海外HPに於いて、E−20と肩を並べて星5つを獲得している。
どうも日本人と視点の違いがあるらしい。
と言う訳で、日本での購入はE-CASIOでしか購入できなかった。かく言う私もそこで購入した。
おそらく、製造停止の今これから先中古市場でも手に入れることは不可能かもしれない。
MENUは最初は英語だが、USBでPCにつなぎ付属のCDソフトから簡単に日本語になる。
記念に英語モードのまま使おうかと思ったが、多機能さに語彙力がついていかず断念。
が、日本語から英語やフランス語にもメニューから簡単に変わる事が後日発見した。
無いに等しい。英語やフランス語に堪能でも、添付された薄い小冊子ではどうしようもない
CASIOの日本のホームページからQV−4000のマニュアルをダウンロードし、
実はソフト的にはほとんど同じである事が解り、重宝した。購入者は是非お勧めである。
英語版マニュアルならUSサイトにある。PDFなので翻訳ソフトも使えない。
同価格帯の機種に比べ、確かに大きいQV−4000の駆体の黒バージョンだが
前面金属のQV−4000に比べ、どっしりとしたカメラらしさが手に感じられる。
これは、完全に配色の勝利だ。ビカビカと安っぽい銀や白っぽい今風の小型機に比べ
大型機を彷彿とさせる作り込みを感じさせる風貌に仕上がっている。さらに高価格帯の
PowerShotG3とは雲泥の差である。カメラのような嗜好性の強い物は持つ(見る)
楽しみも提供すべき物だし、G3が10万以下のデジカメの風貌を露呈しているのに比べ
QV5700は10万以上の風貌を有していると言って過言では無い。
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ボタン類の多さも特筆物である。ボタン×10個、ダイアル×4個、十時キー×1、上下キー×1
その上、CFカードと電池の専用取り出し用スライドボタンまである。満載である。
内容はそれぞれにフォーカスエリア切り替え、ホワイトバランス、フォーカスモード切り替え、
AFロック、フラッシュモード切替、タイマー、プレビュー、表示ONOFFと別個に割り付けられ、
撮影時にほとんどメニューボタンから機能を探す必要がないようになっている。
撮影モードやタイプの切り替えもダイアルだけで済むようになっている。
これは一眼デジカメと殆ど同列である。
別途メニューの中には再生時は撮影データ処理関係。撮影時には
基本的撮影準備関係とほとんど撮影時には無用な機能がツリー配置されている。
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唯一の弱点はレンズカバーであろう。一昔前の銀塩カメラのようなレンズカバーなので
ストラップ付きとは言え、将来紛失のおそれがある。
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逆にCFカバーの開き方は同価格帯とは格段の良さである。スライドレバーで開いて、
沈むように閉じる。これは精度を感じさせる作りである。CF容量は標準添付が48Mだか、
16枚しかJPG最高精度で撮れない。JPG最高精度をを使うのならCFは最低、128Mは
用意したい所。電池は単3ニッケル水素電池が良い。非常に電池の持ちも良く、途中で電池切れは
殆ど無いと思う。
各社悪評のゴムカバーはビデオ・USB等の端子カバーとしてついているが、これはホールド時の
滑り止めとしても働いているので、外観を壊す要素は無い。
シャッターリングでOFF・プレビュー・撮影を切り替えられる。くだんのレンズカバーをしたまま
スイッチを入れても、検知するらしく誤動作はしない。蓋を取ってスイッチを入れ直せば起動する。
起動はきっちり5秒。同価格帯に比べれば遅い。が、胸ポケットに入れて撮影するタイプでは無いので
別段、困る事は無いと思う。シャッターチャンス前に起動して待つのが正解。
液晶はTFTなので標準的。AFのピントは1秒程度かかるので、半押しシャッターでピントを
取るくせをつけるとピンぼけは避けられると思う。くれぐれもシャツのポケットには入らない機種なのだ。
同価格帯と違い、むしろ一眼デジカメ的使用法の方が良い結果を出す。オートで撮るより、シャッターや
絞り優先モードで、少し撮影準備をして撮れば、オートの数倍良い結果を手にする事が出来るのです。
一眼レフが大きな長距離砲を備えた戦艦なら、QV5700は駆逐艦だと言えます。コンパクト機は
掃海艇でしょうか。戦艦と駆逐艦は砲の違いだけではなく、現在では電子装置を備えた駆逐艦が巨大な
戦艦を圧倒しています。ちなみに日本には駆逐艦しかありません。きな臭い話はこの辺で
昔の2眼カメラジャスピンやキャノネットのように初心者にやさしく写真の深みへと誘う謎機です。
リアルタイムヒストグラムの意味を知るのは随分後だと思います。むしろ、オマケ的な
ベストショットを多用(実際、多用できる。モード設定が100種もある機種なんかQV意外にあり得ない)
する事で、次第に絞りやシャッタースピード、フォーカス設定、フラッシュのタイプ等いくつもの設定の
意味を体得する事となるし、ショットを利用するだけで、「プロらしい写真」が撮れるのが嬉しい。
4〜5種類の人物123と集合写真と風景だけの他機と違い、雪山、海、市街地、夜景、蝋燭、青空、
花火、夕方、ねぶた、料理、機関車など100種です。中にはオークションに使うのでしょうか
コレクションモードというのがあり、液晶にこのように枠線が表示されこの中にはめ込んで写せば
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変に曲がったりせずに完璧に撮れます。このグリッドは水平線やパノラマ画像等にも違う形で表示され
水平位置や目印に活用されます。ベストショット設定は足りなければ自分で、まだ100種も追加出来る。
とんでもないデジカメです。他機のユーザーシーン登録1なんてオモチャと違う事が良く解ります。
森の中であまりに緑がきれいなので、寝転がって、木々の間の空を撮る。その時、設定は?逆光?青空?
ベストショットには木漏れ日モードが。こんな設定のある機種は他には探したけれどありませんでした。
そして、出来上がった写真が思わずニヤついてしまうような良い出来になるのです。難しい数々の設定を
可能にする機能満載の万能駆逐艦だと思います。
その上、感度設定までISO50/100/200/400/800と5段階。
ベテランになった時はその機能を縦横無尽に使いこなせる。実力派です。
その為の機能はリアルタイムヒストグラムやAEBなど、充実しています。さらに最近では高級機種に
しか搭載されない機能(絞り優先AE)だとか2560×1920〜640×480まで5段階のサイズ
設定を持ち、さらにそれぞれが3段のFINE〜ECONOMYのjpegモードを有し、それぞれに
TIFFモードを持っているという20種類もの保存形式を網羅している豪華版。
天候、明るさを勘案し、カメラを調整し、ベストショットを撮る。そう言った楽しみを持てる
この価格帯では数少ない希少機種と言えます。
ヨーロッパで、この機種が人気なのも解るような気がします。
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