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名古屋へ向かう新幹線の中、福子は悩んでいた。時間はすでに午後7時を過ぎている。
人見知りしぃの私、すっかりデキアガッテしまっている輪の中には入り込めるかな…。
今年のクリパは『いつものメンバー』の友達にもたくさん参加してもらえ、
60名もの人が集まるらしい。
それも、例年とは違い、チーム対抗のゲーム大会形式になっていて、
優勝チームには超豪華商品が出るということなので、知らない人同士のチーム編成でも
それなりに団結しているはずなのだ。
福子は想像してみた。
途中参加の『SHY GIRL福子』が自然に入り込めるのは誰がいるグループだろう…?
同郷のるる★?…いや、やつはすっかり『呑んだくれ』状態にちがいない。
へたにかかわらない方が…。
じゃあ、もう1人の同郷、きゃんべる?…福井弁バリバリの彼女といると福井弁がうつる…。
十年来の友人、ゆう太郎は?…今日は女装をしているらしい。近寄らないほうが…。
TORAMI、TORAMIがいるわ!!…でも会社の友達を連れてくるって言ってた。そちらの方が大事よね…。
JOEなら相手してくれるかも!…ダメダメッ!幹事の仕事でいっぱいいっぱいのはず…。
新婚ほやほやのまつたく&みぃだったら!…二人のラブラブな世界を邪魔するわけにはいかない…。
ぐぅ&しのんなら少しは落ち着いただろう!
…いや、まだまだアツアツで入り込む隙なんてないにちがいない…。
いまP! いまP…いまPかぁ……。お互いキレまくるだけだから…。
大人の包容力で会話に参加させてくれるに違いないば¥さんは、
今回手品の仕込が間に合わなかった為不参加と聞いている。
いつもほんわかとにこやかなさっちーは、落ち着いた年下の好青年のアキラと
二人っきりの時間を過ごしたいからという理由でこれまた不参加らしい。
ぢゃあ…居場所がない!?
大丈夫、大丈夫よ。私の今回の目的は楽しく飲むことだけじゃないじゃない!
そんな思いを胸に、大荷物を抱えてやってきた会場はすごい熱気、すごい盛り上がり。
おろおろおろおろ…。独り入口にたたずむ福子。
「よぉ〜、福子ぉ。どうもねっ!」
まぶが声をかけてくれた!
そうね、そうね。まぶがいたわ!まぶぅ〜♪
「すごい人だね、盛上ってるね。」
んっ!? …。
話をしていても、まぶの目線の先には常にナイスバディのバドガールがいる。
確かにきれいな人たちである。
もういい! もういいよ!! まぶのバカー!!
「福子ぉー」
今度はだれよ!?
なに、この大女!? …女!? ……ゆっきー!!!?
完ぺきな女装!ウィッグもネイルもメイクも。
ストッキングは神田うのプロデュースだそうな!?
タッパもあるし、スタイルもいい。
しぐさもなんだかしなやか。…すごくイケテル!?
簡単5分間メイクの福子はたじろいでしまった。
しかし、ここで福子にふつふつと闘志が湧いてきた!
『衣装』を持ってはきたけれど、着ようか着まいか考えあぐねていたのだったが、
負けられない!!
ビール瓶を離さないるる★を無理やり付き添わせ、大荷物片手にトイレに走った福子は
広いトイレの中で、るる★の見守る中その『衣装』に着替えた。
「かわいい!」
るる★がニヤリと微笑んだ。
会場に戻ると、戻った瞬間からわきおこった『福子かわいー!』のどよめき&歓声!
そしてたくさんのフラッシュ!!
そうよ、これよこれ、この歓声は私のためにあるものなのよ!
何を着てもパーフェクトな私。
やっぱり土会のアイドルの座はまだまだ私のものなのよ!!
ゆっきー、ベストドレッサー賞はいただいたわ!!
そう、今回の福子の目的は念願のベストドレッサー賞を獲得する事だった。
惜しくも昨年はブレザー型制服を着て女子高生になりすました
ゆう太郎に持っていかれてしまった。
私だってセーラー服着てたのに! 何がちがうというのよ!
しかし、確かにあれは似合っていた。普段から着込んでいる私物だったにちがいない。
だったら、今回は私も私物で勝負!と何着かある『衣装』からよりすぐって持ってきたのだ。
これで決まりね♪
すっかり安心した福子は久々に会うメンバーもいるはずと、会場をまわることにした。
その前に。
不覚にも声をかけてしまった、福子が以前勤めていた会社の先輩とその仲間たち、志摩軍団…。
自称『毎度お騒がせします』系、しかしある筋のうわさによると『スクールウォーズ』系という…。
一言、おとなしくしているように注意する為近づいた瞬間から、やばい雰囲気を察知してしまった。
できあがってしまっている。もう手のつけようがない…。
男装の麗人みさちゃんがつかまっている。
「みさちゃん、あなた何してるの!! はやく、はやく逃げなさい!!」
「よぉ来たな、福子。グラスはどうした!! 飲め、飲め、飲むんじゃー!!」
一杯…二杯…
オバカキャラのしのかめコンビがニコニコしながら近づいてくる。
彼女たちには危険回避能力がないのだろうか?
「しの、かめ!あんたたちこっちに来ちゃダメだってば!!逃げて、逃げるのよぉ!」
「俺の酒が飲めんのかー!!」
三杯…四杯…
そこにいるのはジム通いで体を鍛えまくっているもりけんさん!?
「もう飲めません〜!! もりけんさんシカトしてないで、た、た、たすけて〜!!」
「まだまだー!!! わっはっはっはっ!」
五杯……六杯……。
なんとか振りほどいて、ウーロン茶を飲みにドリンクカウンターへ向かうと、
家庭的癒し系ぱぱよがいた。
「飲まされちゃったよぉ。やばいかもぉ。」
「福子、大丈夫?」
ぱぱよぉ、私、その一言でもう大丈夫かもぉ。
NORIさんは今日もウーロン茶。
「今日はチーズケーキないの?」
彼はまつたく&みぃの結婚式二次会でのケーキカット用に
大きなチーズケーキを手作りした人物である。
ケーキを見て思わずこぼれてしまった、みぃの感動の涙が今も福子の心に焼きついている。
にやりと不敵な笑みをもらすNORIさん。
えっ、その笑みはあるんだ!あの時のケーキおいしかったんだよね♪やったー!
すると、
「ないよ。」
「ないんかい!!」
思わずべたな関西系つっこみをしそうになってしまった。
そこに破壊的毒舌系いまPがやってきた。
「よぉ、福子。遅かったねぇ。」
意外に普通の会話、くわばらくわばら…。
その後、ダーリンえいじのもとへ向かうと、そこにはすっかり
ハイテンションのトミーが大騒ぎしていた。
「おまえってほんっとかわいいなぁ。」
わかってるよ! 何をいまさら!!
そしてダーリンえいじをさして
「こいつ、いい男だろう。」
それもわかってるよ!!
「私とえいじはすでにラブラブなんだから?ねっ、えいじ?」
SAMURAIIWの女の子たちの嫉妬のまなざしが痛い。
「そーんな目で見られても怖くないもん♪
えいじは福子にぞっこんなんだから?ねっ、えいじ?」
どこから現れたか、がらがらへびのようないでたちの
まこちんがいきなり叫びだした。
「ちゅ〜ぅ、ちゅ〜ぅ、ちゅ〜ぅ!」
えぇ〜〜、人前でなんてはずかしいわぁ♪でも…、そう?
そんなに言うなら…、ねっ、えいじ?
二人の間にアイコンタクトが成立したその瞬間、
「あ"ぁ"ー!!!!」
ゆっきーがぁ、ゆっきーがぁー、えいじの唇を…!!
なんてこと!ゆっきーと恋愛においてもライバルになるなんて…。
あなたには、あなたにだけは絶対に負けないわっ!
負けるもんですかっ!!
福子の中にめらめらとさらに熱い闘志が燃え上がった。
そういえば、ねーさんはどんな格好で来ているんだろう。
ねーさんのことだから髭&ヅラぐらいつけてきているかも♪
あたりをきょろきょろ見回し、それらしい後姿を見つけた。
「 !? …。なにそれ…。」
福子が着ぐるみ案を出した時、《すっごく惹かれるけど、私はプチ変装♪》なんていってたねーさん。
それが、ねこみみ付きカチューシャをつけているだけ…。
ねーさん&しのん、Y家の嫁二人してそれって…かわいいだけじゃん…。
変装と言えばトレンチコートにサングラスでしょ!?
髭は!? もみあげは!? ハゲズラはどうしたの!?
遠ざかっていく二人を呆然としながら見つめていると、
さわやかな EXOTIC GUY しんちゃんが現れた。
「やぁ、福子!」
すると、その後から、ゆう太郎&よっちゃんのK兄妹(?)も現れた。
「福子写真とって〜」
「私も撮ってくださいぃ」
なっにぃ〜!? 私とじゃなくしんちゃんとかい!?
いつのまにしんちゃんファンになったというのじゃ!?
「私も撮ってやぁ〜」
(音程は『ドミファドドッ ソ ミレド私も撮ってやぁ〜』ってな感じです)
福井弁のきゃんべるまで現れた。
「不倫写真♪不倫写真♪」
ねーさんまで戻って来た…。
……。
さらに呆然としてしまった福子ではあったが、そこは八方美人福子、
しんちゃんと彼女たちのツーショット、スリーショットをにこやかに撮りつづけた。
「はい、チーズ」
その笑顔の裏に、タイミングをわざとはずすという意地悪をひそませて。
しんちゃんにだって土会アイドルの座をわたしたくはない!
そうこうしているうちに最後のゲーム、
ビンゴも終わり、すべての結果発表の時がきた。
待ちに待ってた時間、ベストドレッサー賞の発表!
壇上で総合司会のJOEが名前を読み上げる。
「ベストドレッサー賞は、完ぺきな女装を
してきてくれた『ゆっきー』です!」
「ありがとうございます。うれしいです。」
自然なシナをつくるゆっきーは誰の目から
見ても女であり、『ベストドレッサー』だった。
スポットライトを浴びたゆっきーはひときわ輝いていた。
私、負けた!? いや、まだもう1人受賞者がいる。
それが私に違いない!!
焦る心を落ち着かせ、JOEが二人目の名前を読み上げるのを待った。
「もう1人います。二人目は男装をしてきてくれた『みさちゃん』です!」
確かにみさちゃんは宝塚の男役のスターよりかっこよかった。
すべての衣装を手作りしたというみさちゃんを、『ベストドレッサー』と言わずして何と言うのだ!
スポットライトを浴びたみさちゃんもまた、光り輝いていた。
続けて団体戦の結果発表。
プレステ2、DVDプレーヤー、鍛嵩箪はじめ、JOEがクリパギリギリになって慌てまくって買い集めた超豪華商品はすべて、優勝したチーム「通称:幹事チーム」のものになった。
でもそんなものは福子にはどうでもよかった。
負けた…。来年の干支にかけてサルの着ぐるみを着たのは失敗だった…。
来年は来年。今年はまだ未年なのだから、ひつじの着ぐるみを着るべきだったのだ。
受賞できなかった理由はそれ以外に考えられない。
「俺は福子に入れたんだけどなぁ。残念だったな。」
ぐぅの慰めの言葉に涙がこぼれそうになる。
「まつたく、あなたは誰に入れたのよ!」
「……。」
裏切り者〜!! でも、とにかく敗因はつかんだ!
来年こそはゆっきーにもみさちゃんにも負けないわっ!
福子は来年に向けての決意を新たにした。
意気消沈し、新たなる闘志を燃やしている福子の傍らで、ねーさんがにーさんに激怒していた。
なんでも、優勝チームの中での豪華商品争奪じゃんけんでみごと1位になり、すきな商品をもっていけるのだということになったにーさんが選んだものは、赤い箱の焼酎(推定千五百円)…。
「信じられない事ない!? 普通プレステ2じゃない!?」
誰もが思うが、一番強くそう思ったのはねーさんに 『間違いない』!
そしてプレステ2はにーさんの実の弟、ぐぅのものになった。
プレステ2を抱えてにっこにこのしのんと、自ら保湿機をゲットして一応心落ち着いたかに見えるねーさんは同じY家の嫁なのにとても対照的だった。これでねーさんが何もゲットできていなかったら…。
考えるだけで恐ろしい…。
「どうして焼酎なの?」
「これ、飲んだことなかったから飲んでみたかった。」
「………。そんなんならプレステ2選んで私にくれれば、焼酎くらい何本でも買ってあげたわ!!
なにやってるの、にーさん。」
でも、そんなにーさんだからこそ、土会のメンバーみんなに愛されるにーさんなのだと思った。
福子の悔しい思いがなんだか少し癒された気がした。
おまけ
その日、るる★、きゃんべる、福子の福井3人娘は成家に泊めていただいた。
客間には既に布団が敷かれ、TORAMIの温かい人柄がうかがえる。
翌日のフットサルに備え、早めに布団にもぐりこんだ3人娘。
しかし、もぐりこんだだけで、十数年前に体験した修学旅行のように暗闇の中いろんな話をした。
つもりでいたが、福子ははやばやと眠りについてしまった。
残る二人の安眠を妨害しながら…。Zzz Zzz Zzz …。
翌朝はとてもいい天気だった。
さわやかな朝、TORAMIのなるPへの甘〜い第一声、
「なるP、朝食のパン買ってきて!」
「えぇっ!?」
目をむくなるP。自分の事だけに没頭する福井3人娘。
お世話になるだけなって、朝食までゴチになって、ぎゃーぎゃーやかましい3人娘に
すっかりあきれてしまったのであろうなるPの、独りタバコを吸う姿が涙を誘う…!?
おまけのおまけ
フットサル会場にて…。



















まっぴるまっからビールをあおるるる★
応援する気さえない!?

ゆっきーがEIJIの唇を・・・
そしてお馬鹿なしのかめコンビ
ベストドレッサー賞のゆっきーとみさちゃん