この物語はフィクションです。名称及び団体等は全て架空のものです。
一部不適切な表現がありますが、良識のある皆様方に冷笑していただけたら幸いです。
[1]ちらしという名の甘い罠?
『自家製めいどキット! [特許出願中] 今なら¥19,800−!!
市販のメイドじゃ物足りない! 人と違ったメイドを持ちたい!
という方に朗報! 今すぐTEL!
ホームめいど女衒屋 TEL0466−×××−××××』
という怪しい、ガーターとカチューシャしか付けてないお姉ちゃんの広告がうちのポストに入っていた。
普段だったら目に触れることもなく、メイドに捨てられているモノだったが、
残念なことに昨日、メイドが壊れた・・・・・
朝方、ファクトリーの人間が来たが、もう新しく買い換えた方が良いとの指摘を受けたので、
すみやかにメイドを引き取ってもらい、新しいメイドを買いに『電脳アキバ』に行ったが・・・・・・
ダメだった。
胸部にティーセットが内蔵してあるモノや防犯レーザーが搭載されているモノなど、
面白そうなモノがたくさんあったが、どれもさしあたって必要な機能ではなかった。
万能家事ロボットも万能を通り越して、十徳ナイフみたいな余計な機能が満載。
落胆して帰ったところ、このチラシ・・・・・
そうだ! 無いならツクッちまえばイイ!
そう思ったが吉日。
怪しいさなんて綺麗に棚の上に上げて、期待に胸を膨らませてTEL!
「・・・・・はい!こちらホームめいど 女衒屋で御座います!」
電話は2コールで取られる。(イイ感触♪)
2・3質問したあとに購入希望を告げると、電話口で50項目にわたるアンケートに答えさせられ、
翌日指定された場所に来てくれと云われて電話が切られた。
少し不審に思いつつも(特に質問の内容が)、頭にアイディアがいろいろと浮かび、明日が待ち遠しい♪
そして今日、食事していないことに気づいたのは翌日の朝だった・・・・
[2]スーパーモード
「・・・・・・・・」
指定の場所へ行くとそこは研究所だった。
それも『生物科学研究所』の文字が見える。
彼はポケットに突っ込んだチラシを改めて見てみる。
「・・・・・・・・」
視線を看板に戻す・・・・ホームメイドの文字も女衒屋の文字も見つからない。
「騙された・・・・・・かな?」
看板と一人にらめっこしていると、背後に人の気配を感じて振り返る。
すると、めいど服に身を包んだ女性がしゃなりと立っていた。
黒のさらさらのロングヘアーと白いカチューシャの奏でる美しい共演が、
私の脳髄を焦がし、オニキスのような深い色をしたその双眸と端正に整った顔立ち、
そして、ゆったりとしためいど服に包まれているが、
その中の肢体が豊かに発達していることが見て取れる。
極上だぜ!
COOL COOL COOLと私の心のラジカセが叫び続ける。<この間0.8秒>
「水内様ですね?私・・・」
濡れたように光る薄い唇が開くと、鈴の音のような澄んだ声が流れ出す。
彼は心のポケ○ンカプセルを彼女にに投げつけていた。 ゲットだぜ!
「そうです。私が水内大輔です。貴女を楽園に導く愛の戦士(ラブウォリャー?)
さあ、私とハーレークイーンな夜を過ごしましょう。」
当たり前のように彼女の腰に手を回し、乗ってきた車にエスコートする。
「あ、あの・・・・ めいどを雇いに来られたんじゃ・・・」
「フッ、貴女との出会いに比べたら、些細なことです。」
水内は髪を掻き上げ、戸惑う女性を後目に本気モードに突入した。
暴走した水内は、夜明けの珈琲を飲むまで止まりそうにない。
千手ピンチだ!
しかし、彼女の貞操の危機は水内のa fewな理性がスーパーセーブ!
水内大輔に残っていたほんのひとかけらの理性が、
パターン青に支配されかけたスパコンが復旧したように、欲動を再支配したのだ!
(めいど・・・・・? 雇う・・・・・? そういえば、カスタマイズしに来たんだっけ?)
彼を弁護するわけではないのだが、頭は決して悪くない。
しかし、人より少し頭が可哀想な人なので、復旧するのに少し時間がかかってしまったようだ。
彼女の顔を見つめながら水内は頭の中を整理していると、
彼女も無言のまま水内を見つめ、事の成り行きを見守る。
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・はっ! もしかして案内の人・・・・ですか?」
「・・・・・えっ? あ、はい。水内様を中にお連れするようにと・・・・・」
見つめ合っていた二人は状況を理解し、自分の目的を再確認する。
そして水内は腰に回していた手に気づき、失礼の無いようにスッと離れる。
その自然な振る舞いに、彼女は水内への認識を改めた。
(ただの変態さんじゃないんだ・・・・・)
水内の思うつぼである。
冷静になったぶん、決して悪くない頭が機能しだした。
世間知らずなお嬢さん(メイドだが)をその気にさせる(騙す)のはわけない。
と、思った方は大間違い。
本当のところは容量の少ない頭が、カスタマイズで一杯になってしまったからである。
可哀想な水内、全ては作者のせいである。
(外観はR2みたくして、ホームセキュリティを管理するソフトを組み込んで・・・)
ピンク風チラシと電話アンケートの内容、そしてメイド服を着た女性。
この三点に疑惑を抱かず、
普通のメカメカしいハウスキーパータイプをカスタムするつもりでいる水内は剛の者である。
「失礼、では案内してもらえませんか? ・・・・・って、お名前を伺っていませんでしたね?」
無意識に微笑みながら相手の名前を聞き出す水内大輔。
彼女の心ベクトルが、水内の邪気のない微笑みのせいであらぬ方向へ傾きかけていた。
「こちらこそ失礼いたしました。私、櫻華(おうか)と申します。
どうぞこちらへ・・・・・」
櫻華と名乗る女性も自然と微笑んで礼をし、水内を通用門の方へと導いた。
[3]save the earth
そんなこんなで目の前に肌色のカプセルが一つある。
「ボラギ○ールみたい・・・・」
水内の疑問はもっともだった。それは誰がどう見てもアレである。
しかしこれはあの研究所でいかにも怪しい博士からもらった『めいどの素』である。
博士曰く、
「めいどの素には、あんたが答えたアンケート通りのめいど情報が詰まってお〜る!
あとは、土に埋めて3日3晩待てば理想のめいどの出来上がりぞえ〜〜!」
・・・・・・・・怪しさ爆発。それに何故埋める?
それについてのマッドサイエンティストのコメント。
「大地のパワーを吸収するためじゃ!」
・・・・・・・・・・・・・・いきなり非科学。それにパクリっぽい(←作者注:パクリです)
奴は話をさらに続ける。
「間違っても植木鉢に植えるでないぞ! 大変な、大変なことになるのでな・・・・・・」
少し興味を持った水内はどうなるのかと尋ねる。
キ○ガイはその問いが発せられると何かに怯えた目をして小声で水内に囁く。
「・・・・・他言無用ぞ! 『ウリナリのキムチは最高ニダ!』と言っている奴らの、
・・・・・あ、愛の女神になってしまう・・・・のじゃ」
水内に衝撃が走る。ま、まさか・・・・・
「エビアン・・・・・・?」
水内がその名前を口にすると、きちGUYはイヤな汗を浮かべてしきりに頷く。
「わ、わかった・・・・・ この事は口外しない。 自らの・・・・尊厳をかけて!」
そう約束すると、水内は悪魔の果実を受け取り、ブラックメンを警戒しながら家路を急いだ。
・・・・そして今、水内は『めいどの素』とスコップを持って庭にいる。
視界の隅に植木鉢を捕らえて水内はゴクリと唾を飲み込む。
めいどかトマックか!
中東の宗教戦争に負けた時の選択肢のようだ。
水内は夕暮れの庭先で、独り究極の選択に苦悶する。
(俺はめいどをカスタマイズしに行ったんだ・・・・・)
水内はボラギノー○を見る。そして植木鉢に目を移し天を仰ぐ。
意を決して、水内はボラ○ノールを地面に突き刺した。
「・・・・・・さよなら。R2・・・・・」
(そして、さよならエビアン・・・・・)
水内の頬を一筋の涙が伝った。