榊とルタム その@
学校の帰りに少し寄り道をしていた榊。

お目当てはこの道を歩いていると必ず一回は目にするネコ。

なぜだかわからないが、この道はネコが非常に多いのだ。

そして今日も当たり前の様に榊の前に一匹のネコが現れた。

「よし、今日こそなでるぞ・・・」

結果、失敗。逃げられてしまった。

そのネコは道の端に行って大きなあくびをした。

なでられなかったが、榊はがっかりしない。

そんなお気楽なネコの様子を見ているだけでも幸せなのだ。

「いいなぁネコは。毎日のんびりできて・・・」

榊がそうつぶやくと一匹のネコがやってきて榊をじっと見た。

すると、どこかから声が聞こえた。

「毎日のんびりだ?お前ネコをバカにしているのか?」

榊は辺りを見回した。

だが誰もいない。

「目の前、お前の目の前。」

榊はその声の主を発見すると驚愕した。確かにネコが喋っている。

「ネコの大変さを知らないだろお前は。ほんの少しでいいから体験してみろ。」

ネコの目が光った。気づくと店のガラスにはさっきのネコともう一匹、紺色の知らないネコが映っていた。

「お前を一時的にネコに変えた。お前がネコの大変さを実感したら、元に戻してやる。だがそれまではオレとネコの生活を体験してもらう。いいな。」

榊はこんな状況でも自分がかわいいネコになれたのが嬉しかった。

「わかりました・・・えーと・・・」榊は何と呼べばいいのかわからなかった。

そんな榊の気持ちがわかったのかルタムは短い自己紹介をした。

「あぁ、オレはルタムってんだ。ルタでいい。お前は?」

「さ・・・榊です・・・」「そうか。じゃいくぞ榊。」

(ネ・・・ネコに名前呼ばれた・・・)榊は今幸せの頂点にいる。