普段普段起こりえない状態。
だから「非常」なのである。
ある日の夜の事だった。
旅人は久しぶりに自分の部屋に戻る。見慣れた風景のはずのその場所は、妙によそよそしく、物悲しい雰囲気を出している。
疲れと達成感を抱きつつも、闇にその身を委ねる。
訪れる闇。
そこへ、ふとけたたましい音が聞こえてくる。
身を起こすことなく、隣人の持つ目覚ましの音だと決め付けて再び闇の中へ意識を委ねようと枕に伏す。
しかし、依然と目覚ましの音は鳴り止む様子は無い。
2分もしただろうか。
その旅人は不思議に思い、ベランダへ足を向ける。
そこである間違いに気付く。
音が隣の部屋から聞こえてきているのではなかったのだ。
よく聞いてみると、隣の部屋からの目覚まし時計にしてもやけに音が大きい気がする。
そこで周囲を見渡して音源が何処にあるのかを探ってみる。
すると、一箇所疑わしい箇所を見つける。
近くのアパートだ。
そこに来て初めて「非常ベル」という存在が頭に浮かびあがる。
しかし、
火の上がる様子もなく、対象の場所がそこそこ距離のある場所にあったことを確かめると、旅人は疲れを癒すべく眠りに就くのだった。
結局。
この日消防車の音を聞くことなく、目覚まし音は静まるのでした。
こんなノンフィクションっぽい話。
もとい、体験談でした。
いや、何が言いたいのかって言うと・・・
これが誤報だったから良いものの、平和ボケって怖いですねって事なんよ。
仮に、今 急に自分の住んでいる場所…あるいは近くで火災が発生したとしましょう。
すぐに動けますか?
って問題なんよ。
もしかしたら自分の部屋が焼けて、中の物が使えなくなっちゃうかもしれない。
ならば物を持ち出す?
とっさに持ち出すには限度はあるし、何を持って出るべきか判断に迷う。
物を惜しんで我が身を落とすのは本末転倒。
そして、大量の荷物を一度に持ち出す様なことはまず不可能だろう。
と、まぁありたいにいえばこんな妙なパニック状況になる。と思う。
さらに付け加えると、
非常ベルの緊急性があまり浸透しないということに問題が発生する。
ベルを聞いたらすぐに行動できれば色々と対処できるだろう。
しかし、現実は面白いことに……大抵の人が「非常事態」に気付かない。
勿論、私も気付かなかったわけだが。
その日、非常ベルが鳴っている建物内でありながらも、私がベランダに出た時点では誰もドアを開ける様子が無かったことが笑いを誘った。
「たぶん、あそこだよねぇ」と不安になった程である。
しかも、最初に出てきた人も、ゆったりと、軽装のまま辺りを見回しているだけに過ぎないという有様だし。
そりゃぁ私もすぐに寝たくなるさ。
緊張感ってものが全然が無い……平和ボケって、怖いですね。
今、荷物を持ってとっさに外に出なければならないなら・・・
何を持って出ようかねぇ
2004.8月31日(火)